防腐剤の解説と成分一覧

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防腐剤

防腐とは

防腐とは、化粧品を製造してから流通過程を経て消費者が使い終わるまでの間に、使用または取り扱いのうえで偶発的に混入してくる微生物の増殖によって起こる製品の変質、変臭などを抑制し、製品の劣化を防止するための技術のことをいいます[1a]

化粧品における防腐剤の定義

防腐剤とは、微生物の増殖を抑制し、製品を腐敗しないようにするために用いられる成分のことをいいますが[2]、化粧品において防腐剤として配合できるのは配合制限成分(ポジティブリスト)に収載されている成分のみであることから、化粧品における防腐剤とは防腐(抗菌)作用をもつ成分の中で配合制限成分(ポジティブリスト)に収載されている成分のことをいいます。

また、配合制限成分リスト(ポジティブリスト)に収載されていないことから防腐剤には分類されないものの、一定の防腐(抗菌)効果を有し、防腐剤の配合量を減らすために用いられる成分については防腐助剤に分類しています。

防腐剤のメカニズム

化粧品における防腐剤の作用は、主に化粧品の中で外部から侵入してくる菌に対して時間をかけて抑制し最終的に減少させ死滅させるという防御的な静菌作用であり、殺菌剤のように菌を短時間で殺菌する攻撃的な殺菌作用や皮膚上において短時間で菌を死滅させる効果は認められていません[3a]

ただし、殺菌剤である水溶性のベンザルコニウムクロリドや水にわずかに溶解するイソプロピルメチルフェノールは殺菌効果と防腐効果を合わせもつ数少ない物質であり、これらは化粧品において主に防腐剤として用いられています[3b]

防腐剤の配合目的

化粧品では製品を安全に保つために、また実際に使用する際の空気中の汚染源や皮膚からの2次汚染を防止するために、

微生物の種類名称
細菌グラム陰性菌大腸菌、緑膿菌 など
グラム陽性菌枯草菌、黄色ブドウ球菌 など
真菌カビコウジカビ、アオカビ など
酵母カンジダ など

主に細菌や真菌の繁殖・増殖を阻止し、品質を保持する目的で防腐剤が用いられています(∗1)[1b][4]

∗1 化粧品は未開封で3年の品質保証が適用される場合が多く、多くの場合は未開封状態で3年以上、開封後では1年前後、品質が維持できる必要量の防腐剤が配合されます。

防腐剤の安全性

防腐剤は、試験根拠の基づいて配合できる製品の種類や配合量の上限が定められており、とくに食品添加物として承認されているものや長年の使用実績があるものは配合範囲内において人体に対する毒性が低く、汎用されています。

ただし、近年は日常的に連用する側面や消費者の心理的側面を背景として防腐剤の配合量を可能な限り減らす傾向にあることから、二価アルコール類(∗2)や抗菌効果をもつ植物エキス類を組み合わせることで防腐剤の配合量を減らす処方が組まれていたり、防腐剤の代わりに比較的抗菌効果の高いアルカンジオール(∗3)を防腐力の基礎とすることで防腐剤フリー(∗4)とプロモーションしている事例もみられます[6][7]

∗2 二価アルコールとは、一分子中に2個のヒドロキシ基(-OH)をもつアルコールのことであり、化粧品の水性基剤・溶剤として広く用いられていますが、グラム陰性菌に対する抗菌作用を有することも知られています[5]。代表的な二価アルコールとしてはBGPGDPGなどがあります。

∗3 二価アルコールの中で抗菌効果をもつものをいいます。

∗4 「防腐剤フリー」とは化学添加物としての防腐剤を配合していないという意味であり、防腐剤フリーの場合は一般に防腐剤の代わりにアルカンジオールを基礎として抗菌効果をもつ天然由来成分を組合わせて配合していると考えられます。

参考文献

  1. ab田村 健夫・廣田 博(2001)「防腐・殺菌剤」香粧品科学 理論と実際 第4版,203-220.
  2. 日本化粧品工業連合会(2013)「防腐剤」日本化粧品成分表示名称事典 第3版付録,742-743.
  3. ab浅賀 良雄(2021)「各種化粧品の防腐技術の基本 Q&A」Q&A122 化粧品の微生物試験ガイドブック 製品編 - 防腐設計,製造工程管理から出荷検査,クレーム対策まで - ,10-45.
  4. 日光ケミカルズ株式会社(2006)「殺菌・防腐剤」新化粧品原料ハンドブックⅠ,458-470.
  5. 浅賀 良雄(2019)「化粧品の防腐技術」Q&A181 化粧品の微生物試験ガイドブック - 防腐設計,製造工程管理から出荷検査,クレーム対策まで - ,1-27.
  6. 浅賀 良雄(2013)「香粧品に使用される防腐剤の効果とパラベンフリー・ 防腐剤フリー処方に対する考え方」Fragrance Journal(41)(10),12-20.
  7. 目片 秀明(2017)「化粧品における防腐処方設計の考え方 -パラベンフリー・防腐剤フリーの実現に向けて-」日本化粧品技術者会誌(51)(1),2-11. DOI:10.5107/sccj.51.2.

防腐剤一覧

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化粧品表示名称o-シメン-5-オール
配合目的防腐、アクネ菌増殖抑制による抗菌作用 など
化学式o-シメン-5-オール
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
安息香酸
配合目的防腐
化学式安息香酸
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化粧品表示名称安息香酸Na
配合目的防腐
化学式安息香酸Na
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医薬部外品表示名称安息香酸ナトリウム
配合目的防腐
化学式安息香酸ナトリウム
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医薬部外品表示名称イソプロピルメチルフェノール
配合目的防腐、アクネ菌増殖抑制による抗菌作用 など
化学式イソプロピルメチルフェノール
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化粧品表示名称エチルパラベン
配合目的防腐
化学式エチルパラベン
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医薬部外品表示名称塩化ベンザルコニウム
配合目的防腐、殺菌作用、皮膚常在菌増殖抑制による汗臭抑制作用 など
化学式塩化ベンザルコニウム
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医薬部外品表示名称塩化ベンザルコニウム液
配合目的防腐、殺菌作用、皮膚常在菌増殖抑制による汗臭抑制作用 など
化学式塩化ベンザルコニウム液
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
クロルフェネシン
配合目的防腐
化学式クロルフェネシン
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
サリチル酸
配合目的防腐 など
化学式サリチル酸
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化粧品表示名称サリチル酸Na
配合目的防腐
化学式サリチル酸Na
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医薬部外品表示名称サリチル酸ナトリウム
配合目的防腐
化学式サリチル酸ナトリウム
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
ソルビン酸
配合目的防腐
化学式ソルビン酸
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化粧品表示名称ソルビン酸K
配合目的防腐
化学式ソルビン酸K
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医薬部外品表示名称ソルビン酸カリウム
配合目的防腐
化学式ソルビン酸カリウム
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
デヒドロ酢酸
配合目的防腐
化学式デヒドロ酢酸
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化粧品表示名称デヒドロ酢酸Na
配合目的防腐
化学式デヒドロ酢酸Na
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医薬部外品表示名称デヒドロ酢酸ナトリウム
配合目的防腐
化学式デヒドロ酢酸ナトリウム
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医薬部外品表示名称パラオキシ安息香酸エチル
配合目的防腐
化学式パラオキシ安息香酸エチル
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医薬部外品表示名称パラオキシ安息香酸ブチル
配合目的防腐
化学式パラオキシ安息香酸ブチル
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医薬部外品表示名称パラオキシ安息香酸プロピル
配合目的防腐
化学式パラオキシ安息香酸プロピル
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医薬部外品表示名称パラオキシ安息香酸メチル
配合目的防腐
化学式パラオキシ安息香酸メチル
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
ヒノキチオール
配合目的防腐、黄色ブドウ球菌生育阻害による抗菌作用、マラセチア菌生育阻害による抗フケ作用 など
化学式ヒノキチオール
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
フェノキシエタノール
配合目的防腐
化学式フェノキシエタノール
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化粧品表示名称ブチルパラベン
配合目的防腐
化学式ブチルパラベン
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化粧品表示名称プロピルパラベン
配合目的防腐
化学式プロピルパラベン
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化粧品表示名称ベンザルコニウムクロリド
配合目的防腐、殺菌作用、皮膚常在菌増殖抑制による汗臭抑制作用 など
化学式ベンザルコニウムクロリド
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化粧品表示名称メチルイソチアゾリノン
配合目的防腐
化学式メチルイソチアゾリノン
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化粧品表示名称メチルクロロイソチアゾリノン
配合目的防腐
化学式メチルクロロイソチアゾリノン
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医薬部外品表示名称メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液
配合目的防腐
化学式メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液
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化粧品表示名称メチルパラベン
配合目的防腐
化学式メチルパラベン
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