化粧品に配合可能な防腐剤リスト(ポジティブリスト)
防腐剤に関しては、配合可能製品タイプや配合範囲を定めることで化粧品への配合が許可された成分の一覧が2000年に厚生省(現 厚生労働省)によって公開され、現在においてもこの配合制限成分リスト(ポジティブリスト)に収載されている成分のみが防腐剤として使用されます[1]。
すべての化粧品に配合の制限がある成分
成分名 | 100g中の最大配合量(g) |
---|---|
安息香酸 | 0.2 |
安息香酸塩類 | 合計量として1.0 |
塩酸アルキルジアミノエチルグリシン | 0.20 |
感光素 | 合計量として0.0020 |
クロルクレゾール | 0.50 |
クロロブタノール | 0.10 |
サリチル酸 | 0.20 |
サリチル酸塩類 | 合計量として1.0 |
ソルビン酸およびその塩類 | 合計量として0.50 |
デヒドロ酢酸およびその塩類 | 合計量として0.50 |
トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル (別名 トリクロサン) |
0.10 |
パラオキシ安息香酸エステルおよびそのナトリウム塩 | 合計量として1.0 |
フェノキシエタノール | 1.0 |
ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム | 0.030 |
レゾルシン | 0.010 |
化粧品の種類により配合の制限がある成分
成分名 | 100g中の最大配合量(g) | ||
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粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの | 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの | 粘膜に使用されることがある化粧品 | |
亜鉛・アンモニア・銀複合置換型ゼオライト(∗1) | 1.0 | 1.0 | 配合不可 |
安息香酸パントテニルエチルエーテル | 上限なし | 0.30 | 0.30 |
イソプロピルメチルフェノール | 上限なし | 0.10 | 0.10 |
塩化セチルピリジニウム | 5.0 | 1.0 | 0.010 |
塩化ベンザルコニウム | 上限なし | 0.050 | 0.050 |
塩化ベンゼトニウム | 0.50 | 0.20 | 配合不可 |
塩酸クロルヘキシジン | 0.10 | 0.10 | 0.0010 |
オルトフェニルフェノール | 上限なし | 0.30 | 0.30 |
オルトフェニルフェノールナトリウム | 0.15 | 0.15 | 配合不可 |
銀-銅ゼオライト(∗2) | 0.5 | 0.5 | 配合不可 |
グルコン酸クロルヘキシジン | 上限なし | 0.050 | 0.050 |
クレゾール | 0.010 | 0.010 | 配合不可 |
クロラミンT | 0.30 | 0.10 | 配合不可 |
クロルキシレノール | 0.30 | 0.20 | 0.20 |
クロルフェネシン | 0.30 | 0.30 | 配合不可 |
クロルヘキシジン | 0.10 | 0.050 | 0.050 |
1,3-ジメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン | 0.30 | 配合不可 | 配合不可 |
臭化アルキルイソキノリニウム | 上限なし | 0.050 | 0.050 |
チアントール | 0.80 | 0.80 | 配合不可 |
チモール | 0.050 | 0.050 | 上限なし(∗3) |
トリクロロカルバニリド | 上限なし | 0.30 | 0.30 |
パラクロルフェノール | 0.25 | 0.25 | 配合不可 |
ハロカルバン | 上限なし | 0.30 | 0.30 |
ヒノキチオール | 上限なし | 0.10 | 0.050 |
ピリチオン亜鉛 | 0.10 | 0.010 | 0.010 |
ピロクトンオラミン | 0.05 | 0.05 | 配合不可 |
ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル(∗4) | 0.02 | 0.02 | 0.02 |
ポリアミノプロピルビグアナイド | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
メチルイソチアゾリノン | 0.01 | 0.01 | 配合不可 |
メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液(∗5) | 0.10 | 配合不可 | 配合不可 |
N,N’’-メチレンビス[N’-(3-ヒドロキシメチル-2,5-ジオキソ-4-イミダゾリジニル)ウレア] | 0.30 | 配合不可 | 配合不可 |
ヨウ化パラジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリウム | 0.0015 | 0.0015 | 配合不可 |
∗1 強熱した場合において、銀として0.2~4.0%および亜鉛として5.0-15.0%を含有するものをいう。
∗2 強熱した場合において、銀として2.7-3.7%および銅として4.9-6.3%を含有するものをいう。
∗3 粘膜に使用される化粧品であって、口腔に使用されるものに限り、配合することができる。
∗4 エアゾール剤へ配合してはならない。
∗5 5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン1.0-1.3%および 2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン0.30-0.42%を含む水溶液をいう。
参考文献
- ⌃厚生省(2000)「化粧品基準」厚生省告示第331号.