pH調整剤・pH緩衝剤・中和剤の解説と成分一覧

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pH調整剤・pH緩衝剤・中和剤

pHとは

pH(ペーハー:ピーエッチ)とは、水素イオン指数ともいい、水溶液中の水素イオン濃度(H⁺の量)を表す指数であり、0-14までの数値で表され、7を中性とし、7より低いとき酸性を示し、数値が低くなるほど強酸性を意味し、また7より大きいときアルカリ性を示し、数値が高くなるほど強アルカリ性を意味します[1][2a]

pH調整図

pHと皮膚の関係

皮膚のpHとは、皮膚そのもののpHではなく、皮膚表面を薄く覆っている皮表脂質膜(皮脂膜)のpHのことを指し、皮表脂質膜は皮脂の中に存在する遊離脂肪酸や汗に含まれている乳酸やアミノ酸の影響でpH4.5-6.0の弱酸性を示し、一般に皮表脂質のpHがこの範囲であれば正常であると考えられています[2b]

一方で、pHが4.5-6.0の範囲から離れるほど肌への刺激が強くなっていくことが知られています。

pH緩衝とは

外からの作用に対してその影響を和らげようとする性質をもつ溶液を緩衝溶液といいますが、pH緩衝溶液とは酸とその塩、あるいは塩基とその塩の混合液を用いることによって、その溶液にある程度の酸または塩基(アルカリ)の添加あるいは除去または希釈にかかわらずほぼ一定のpHを維持する、pH緩衝能を有した溶液のことをいいます[3][4][5]

たとえば人間の皮膚は弱酸性であり、入浴などで中性に傾いたとしてもすぐに弱酸性に保たれますが、これは緩衝作用が働いているためです。

pH調整剤・pH緩衝剤の配合目的

多くの化粧品製剤には、pHが変動してしまうと効果を発揮しなくなる成分や品質の安定性が保てなくなる成分などが含まれており、製造されてから消費者の元に届き使用し終わるまでの長期にわたってそれぞれの製品の目的に最適なpHを保持することが必要です。

このような背景から、製品の内容物がpH変動要因である大気中の物質に触れたり、人体の細菌類に触れても品質(pH)を一定に保つ目的でpH緩衝剤が、また製品自体のpHを調整する目的や製品に化粧品原料を配合する際に中和する目的でpH調整剤がそれぞれ配合されています。

中和剤の配合目的

中和とは、酸と塩基(アルカリ性の物質)が反応して塩と水(H2O)が生じる反応のことをいいます[6]

酸性成分の中にはアルカリで中和することによって機能を発揮する成分が存在し、そういった酸性成分を中和する目的でアルカリ剤が配合されています。

酸性成分が中和によって機能を発揮する代表的な例として、アクリル酸系ポリマーであるカルボマー(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーなどは水に分散後にアルカリで中和することにより粘度特性を示すことから、これらの組み合わせが汎用されています[7]

また、高級脂肪酸とアルカリ塩を反応(中和)させることでセッケンが合成されることから、セッケンを合成する目的でこれらの組み合わせが汎用されています[8][9][10]

参考文献

  1. 大木 道則, 他(1989)「pH」化学大辞典,1834.
  2. ab朝田 康夫(2002)「皮膚とpHの関係」美容皮膚科学事典,54-56.
  3. 霜川 忠正(2001)「緩衝能」BEAUTY WORD 製品科学用語編,134.
  4. 大木 道則, 他(1989)「緩衝液」化学大辞典,503-504.
  5. 西山 成二・塚田 雅夫(1999)「緩衝溶液についての一考察」順天堂医学(44)(Supplement),S1-S6. DOI:10.14789/pjmj.44.S1.
  6. 霜川 忠正(2001)「化学的中和」BEAUTY WORD 製品科学用語編,108-109.
  7. 南井 宣明・友田 敬二(1993)「増粘剤」色材協会誌(66)(7),434-444. DOI:10.4011/shikizai1937.66.434.
  8. 柿澤 恭史(2018)「洗浄料とその作用」日本香粧品学会誌(42)(4),270-279. DOI:10.11469/koshohin.42.270.
  9. 吉原 秀樹・金子 大介(1996)「最近の洗顔料用アミノ酸系界面活性剤の開発動向」Fragrance Journal(24)(7),51-57.
  10. 藤井 徹也(1995)「硬い石けん、柔らかい石けん」洗う―その文化と石けん・洗剤,34-37.

pH調整剤・緩衝剤・中和剤一覧

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医薬部外品表示名称2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール
配合目的酸性機能成分の中和 など
化学式2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール
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医薬部外品表示名称2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール
配合目的酸性機能成分の中和 など
化学式2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール
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化粧品表示名称AMP
配合目的酸性機能成分の中和 など
化学式AMP
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医薬部外品表示名称DL-リンゴ酸
配合目的酸性によるpH調整 など
化学式DL-リンゴ酸
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医薬部外品表示名称L-アルギニン
配合目的角層水分量増加による保湿、アルカリ性によるpH調整、ケン化または中和反応によるセッケン合成、パサつき抑制による毛髪修復 など
化学式L-アルギニン
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化粧品表示名称TEA
配合目的高級脂肪酸の中和によるセッケン合成、酸性機能成分の中和 など
化学式TEA
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医薬部外品表示名称アミノヒドロキシメチルプロパンジオール
配合目的酸性機能成分の中和 など
化学式アミノヒドロキシメチルプロパンジオール
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化粧品表示名称アルギニン
配合目的角層水分量増加による保湿、アルカリ性によるpH調整、ケン化または中和反応によるセッケン合成、パサつき抑制による毛髪修復 など
化学式アルギニン
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
クエン酸
配合目的酸性によるpH調整・pH緩衝、収れん など
化学式クエン酸
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化粧品表示名称クエン酸Na
配合目的アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、金属イオン封鎖・キレート など
化学式クエン酸Na
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医薬部外品表示名称クエン酸ナトリウム
配合目的アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、金属イオン封鎖・キレート など
化学式クエン酸ナトリウム
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
コハク酸
配合目的酸性によるpH調整、収れん など
化学式コハク酸
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化粧品表示名称コハク酸2Na
配合目的アルカリ性によるpH調整 など
化学式コハク酸2Na
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医薬部外品表示名称コハク酸ニナトリウム
配合目的アルカリ性によるpH調整 など
化学式コハク酸ニナトリウム
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医薬部外品表示名称重曹
配合目的弱アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、炭酸ガス発生による血行促進作用、研磨(スクラブ) など
化学式重曹
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医薬部外品表示名称重炭酸ナトリウム
配合目的弱アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、炭酸ガス発生による血行促進作用、研磨(スクラブ) など
化学式重炭酸ナトリウム
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
酒石酸
配合目的酸性によるpH調整、収れん など
化学式酒石酸
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化粧品表示名称水酸化K
配合目的高級脂肪酸の中和によるセッケン合成、酸性機能成分の中和、強アルカリ性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式水酸化K
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化粧品表示名称水酸化Na
配合目的高級脂肪酸の中和によるセッケン合成、酸性機能成分の中和、強アルカリ性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式水酸化Na
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医薬部外品表示名称水酸化カリウム
配合目的高級脂肪酸の中和によるセッケン合成、酸性機能成分の中和、強アルカリ性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式水酸化カリウム
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医薬部外品表示名称水酸化ナトリウム
配合目的高級脂肪酸の中和によるセッケン合成、酸性機能成分の中和、強アルカリ性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式水酸化ナトリウム
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化粧品表示名称炭酸Na
配合目的アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、アルカリ性による洗浄補助(ビルダー) など
化学式炭酸Na
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化粧品表示名称炭酸水素Na
配合目的弱アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、炭酸ガス発生による血行促進作用、研磨(スクラブ) など
化学式炭酸水素Na
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医薬部外品表示名称炭酸水素ナトリウム
配合目的弱アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、炭酸ガス発生による血行促進作用、研磨(スクラブ) など
化学式炭酸水素ナトリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性の詳細ページ
医薬部外品表示名称炭酸ナトリウム
配合目的アルカリ性によるpH調整・pH緩衝、アルカリ性による洗浄補助(ビルダー) など
化学式炭酸ナトリウム
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医薬部外品表示名称トリエタノールアミン
配合目的高級脂肪酸の中和によるセッケン合成、酸性機能成分の中和 など
化学式トリエタノールアミン
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化粧品表示名称トロメタミン
配合目的酸性機能成分の中和 など
化学式トロメタミン
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
乳酸
配合目的収れん、酸性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式乳酸
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化粧品表示名称乳酸Na
配合目的水分量増加および柔軟持続性向上による保湿、アルカリ性によるpH緩衝 など
化学式乳酸Na
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医薬部外品表示名称乳酸ナトリウム
配合目的水分量増加および柔軟持続性向上による保湿、pH調整による緩衝 など
化学式乳酸ナトリウム
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化粧品表示名称リンゴ酸
配合目的酸性によるpH調整 など
化学式リンゴ酸
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化粧品表示名称
医薬部外品表示名称
リン酸
配合目的酸性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式リン酸
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化粧品表示名称リン酸2Na
配合目的アルカリ性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式リン酸2Na
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化粧品表示名称リン酸K
配合目的酸性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式リン酸K
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化粧品表示名称リン酸Na
配合目的酸性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式リン酸Na
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医薬部外品表示名称リン酸一水素ナトリウム
配合目的アルカリ性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式リン酸一水素ナトリウム
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医薬部外品表示名称リン酸二水素カリウム
配合目的酸性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式リン酸二水素カリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性の詳細ページ
医薬部外品表示名称リン酸二水素ナトリウム
配合目的酸性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式リン酸二水素ナトリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性の詳細ページ
医薬部外品表示名称リン酸二ナトリウム
配合目的アルカリ性によるpH調整・pH緩衝 など
化学式リン酸二ナトリウム
レポート→ 基本情報・配合目的・安全性の詳細ページ

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