ユズ果実水とは…成分効果と副作用を解説

香料
ユズ水(ユズ果実水)
[化粧品成分表示名称]
・ユズ果実水

[慣用名]
・ゆず水

水蒸気蒸留法を用いてユズの果実からユズエキスを抽出した際に出る、ユズの香りやエキスが溶け込んだ蒸気水分となって得られる芳香蒸留水です。

ミカン科のユズ(柚子)は日本人になじみ深い柑橘類のひとつです。

日本でも栽培の歴史も古く、現在は四国の徳島と高知で主に栽培されています。

凹凸のある果実は独特の香気と酸味があり、芳香性の薬味や調味料によく用いられます。

冬にユズの果実を風呂に入れて楽しユズ湯は日本の伝統的なアロマテラピーです。

精油は独特な甘くてさわやかな香りですが、苦味があり、かなり不安定です。

ユズ水の成分組成は、

  • リナロール:57.6%
  • α-テルピネオール:15.8%
  • チモール:7.6%
  • テルピネン-4-オール:4.8%
  • ゲラニオール:2.6%

となっており(∗1)、リナロールが主要成分で含有濃度34μg/mLです。

∗1 参考資料:サイエンスの目で見るハーブウォーターの世界(2009)

主要成分であるリナロールの薬理作用は、

  • 鎮静、鎮痙、鎮痛作用
    リナロールの鎮静効果はよく知られています。吸入によりマウスの行動を抑制し(文献1:1993)、マウスの腹腔内投与で催眠、体温低下、鎮痙作用がみられました(文献2:1995)。リナロールをマウスに400~600mg/kg投与することで、ラベンダー油と同等の抗不安作用がみられました(文献3:2006)
  • 抗炎症効果
    リナロールはラットカラゲニン起因の足浮腫を抑制します(文献4:2002)。またエタノール誘発の胃潰瘍モデルにも有効ですが、インドメタシン誘発の胃潰瘍モデルには無効で、おそらくリナロールの抗炎症効果にはアラキドン酸代謝は関係していないものと推定されています(文献5:2004)
  • 殺虫、抗ウィルス作用
    リナロールには中程度の殺虫活性が認められ(文献6:1996)、シラミにも有効と報告されています(文献7:1989)

となっています(それぞれの文献はページ最下部に記載)

ユズ精油はこころをリラックスさせ、その一方でリフレッシュして気分を高揚させる効果もあるといわれます。

体に対しては血行をよくして冷えを改善し、芳香苦味健胃剤として消化促進作用もあるといわれます。

肌に対しては、保湿作用があり、ひびやあかぎれに有効といわれます。

ユズ水は成分が精油とは大幅に異なるので、あらためてその作用を検証する必要があります。

リナロールを多く含む点で、ラベンダーに似た炎症を軽減するハーブウォーターだと考えられます。

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ユズ水の安全性(毒性・刺激性・アレルギー・副作用)について

圧搾法で得られた精油の場合には光毒性や敏感肌の人には注意が必要ですが、ユズ水に関しては蒸留法で得られたもので成分濃度も低いので、大きな問題は予見されませんが、敏感肌の人は精油同様に注意したほうがいいかもしれません。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ユズ水は毒性なし(∗1)となってます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ユズ水は香料にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:香料

∗∗∗

文献一覧:

  1. Aromatherapy:evidence for sedative effects of the esential oil of lavender after inhalation(1993). Z Naturforsch[C]46:1067-1072
  2. Sedative properties of linalool(1995). Fitoterapia,66:407-414
  3. Anticonflict effects of lavender oil and identification of its active constituents(2006). Pharmacol Biochem Behav,85:713-721
  4. Anti-inflammatory activity of linalool and linaly acetate constutuents of essential oils(2002). Phytomedicine,9:721-726
  5. Antinociceptive and gastroprotective effects of inhaled and orally administered Lavandula hybrida Reverchon “Gross” essential oil(2004). Life Sci,76:213-223
  6. The activity of volatile compounds from Lavandula angustifolia against Psoroptes cuniculi(1996). Phytither Res,10:5-8
  7. The activity of extracts of Myrtus communis against Pediculus humanus Capitis(1989). Plantes Med Phytother,23:95-108

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