メリッサ水とは…成分効果と副作用を解説

香料
メリッサ水
[化粧品成分表示名称]
・メリッサ花/葉/茎水(改正名称)
・メリッサ水(旧称)

水蒸気蒸留法を用いて葉からメリッサエキスを抽出した際に出る、メリッサの香りやエキスが溶け込んだ蒸気水分となって得られる芳香蒸留水です。

メリッサは、どちらかというと英名のレモンバームという名前で知られており、その名の通り、葉をこするとレモンに似たさわやかで甘い香りのする多年草で、南ヨーロッパに自生し、夏から秋にかけて白い花を咲かせます。

日本ではレモンバームのほかにも西洋ヤマハッカやコウスイハッカとも呼ばれます。

メリッサは最も古い薬草のひとつで、薬効も古くから知られており、かつてはすべてを治癒するといわれ、若さを保つことで人気のハーブでした。

メリッサは精油は非常に高価なためメリッサ水のほうが利用度は高いと思われます。

メリッサ水の成分組成は、

  • ゲラニアール:24.8%
  • ネラール:17.9%
  • cis-p-メンタ-1-エン-3-アセトキシ-8-オール:15.1%
  • trans-異性体:12.9%
  • ゲラニオール:5.1%
  • ネロール:4.1%
  • cis-p-メンタン-3,8-ジオール:2.6%

となっており(∗1)、シトラール(ゲラニアール、ネラール)が主要成分で、含有濃度は12.3μg/mL(ゲラニアール8.3μg/mL,ネラール5μg/mL)です。

∗1 参考資料:サイエンスの目で見るハーブウォーターの世界(2009)

主要成分であるシトラールの薬理作用は、

  • 抗菌作用
    シトラールの最も特徴的な作用は抗菌活性(文献1:1979)、とりわけ抗真菌活性です(文献2:1979)。シトラールは気体状態で室内のカビを殺菌します(文献3:1992)
  • 抗酸化作用と解毒作用
    シトラールには強い抗酸化作用があり、これによって変異を誘発するニッケルによる細胞核の損傷を防ぐ作用があります(文献4:2006)。シトラールは用量と時間依存的に解毒効果のあるグルタチオン-s-トランスフェラーゼの産生を誘発します。この作用の主役はシトラールの中のゲラニアールで、皮膚がんの予防につながることが期待されます(文献5:2003)。また、シトラールにはメラニン合成に関与するチロシナーゼの阻害作用があります(文献6:2006)
  • 鎮痙、鎮静作用
    シトラールはラットの腸管平滑筋を20ng/mLという低濃度で弛緩します(文献7:2003)。また、マウスに100~200mg/kg投与すると、バルビツール酸で誘導した睡眠時間の延長をもたらす鎮静効果と運動筋肉を弛緩する鎮痙高価がみられました(文献8:2002)

となっています(それぞれの文献はページ最下部に記載)

アラビアの医師アビケンナは11世紀に出版された薬草事典「医学規範」で「レモンバームは心を明るくし、陽気にさせ、さらに生気を強める」と書いています。

16世紀にはスイス生まれの医者で錬金術師のパラケルスス(1493~1541)は「レモンバームは神経の失調から起こるすべての障害に効いて、人を元気づける力を持っている」と高く評価しています。

17世紀のジョン・エバリン(1620~1706)は「レモンバームは精神を高揚させ、心を元気づける若返りの妙薬」と要約しています。

17世紀初頭のカルメル修道会では、レモンバームのアルコール製剤を「カルメル会のメリッサ」と称して、強心剤、気付け薬として広く使用されたようです。

また、「天然の抗ヒスタミン剤」ともいわれて、アレルギーや喘息にも用いられました。

メリッサ精油は、現在も不安、軽いうつ病、いらだちなどの神経過敏、過度の不安が引き起こす消化不良などに緩和な強壮薬として使われています。

肌にたいしては創傷の際の血止めの働きや湿疹や脂っぽい髪をきれいにする効果があるといわれています。

メリッサ精油は高価なので、しばしばメリッサ水が精油の代わりに用いられます。

一般に精油と同じように鎮静効果や全身の強壮効果があると信じられており、ストレスや不安状態、消化器の不調に使用されます。

化粧水としては、皮膚洗浄剤として肌荒れ、発疹、湿疹に用いられるほか加齢肌にも好んで使用されます。

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メリッサ水の安全性(毒性・刺激性・アレルギー・副作用)について

主要成分のシトラールは、高濃度の場合、接触皮膚炎を起こしやすく、皮膚刺激性にも注意が必要です。

メリッサ水のシトラール含量は微量ですが、敏感肌を刺激することがあり、日光に当たるときなどは注意が必要です。

また、妊娠中は避けるようにすすめられています。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、メリッサ水は毒性なし(∗1)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

メリッサ水は香料にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:香料

∗∗∗

文献一覧:

  1. The chemical composition of volatile oil in lemon-balm as an indicator of therapeutic use(1979). Planta Med,36:274
  2. Antifungal activity and molecular orbital energies of aldehyde compounds from lils of higher plants(1979). Agric Biol Chem,43:2365-2371
  3. Campaign against allergenic moulds in dwellings.Inhibitor properties of essential oil of Geranium Bourbon,citronellil,geraniol and citral(1992). Ann Pharm Fr,50:156-166
  4. Rabanni SI,Devi K, Khanam S, et al.(2006):Citral,a component of lemongrass oil inhibits the clastogenic effect of nickel chloride in mouse micronucleus test system(2006). Pak J Pharm Sci,19:108-113
  5. A phaseⅡdetoxication enzyme inducer from lemongrass:identification of citral and involvement of electrophilic reaction in the enzyme innduction(2003). Biochem Biophys Res Commun,302:593-600
  6. Tyrosinase inhibitory activity of citrus essential oils(2006). J Agric Food Chem,54:2309-2313
  7. Relaxant effect of essential oil of Melissa officinalis and citral on rat ileum constractions(2003). Fitoterapia,74:445-452
  8. Central effects of citral,myrcene and limonene,constituents of essential oil chemotypes from Lippia alba(Mill.)n.e.Broum(2002). Phytomedicine,9:709-714

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