ビターオレンジ花水(ネロリ花水)とは…成分効果と副作用を解説

香料
ビターオレンジ花水(ネロリ花水)
[化粧品成分表示名称]
・ビターオレンジ花水

[慣用名]
・ネロリ花水、ネロリウォーター、オレンジフラワーウォーター

水蒸気蒸留法を用いて花からビターオレンジエキスを抽出した際に出る、ビターオレンジの香りやエキスが溶け込んだ蒸気水分となって得られる芳香蒸留水です。

ビターオレンジは成長すると高さ5メートルにもなる棘のある常緑樹で、精油と花水を得るためには樹齢20年以上の木を用います。

ビターオレンジの花水は、400年前から知られた有名な香粧品で、ネロリ花水やオレンジフラワーウォーターとも呼ばれ、生産には開花したばかりの白花しか使わないので、精油とともに高価です。

国産のビターオレンジでつくられたものは、甘夏花水と表示することもあります。

ビターオレンジ花水の成分組成は、

  • リナロール:40.5%
  • α-テルピネオール:18.5%
  • フェネチルアルコール:6.2%
  • メチルアンスラニレート:4.3%
  • 2-メチル-6-ヘプテノール:3.8%
  • ベンチルニトリル:3.7%
  • 6-メチル-2-オキシラニル-5-ヘプテン-2-オール:3.8%
  • 同上異性体:2.2%
  • ゲラニオール:3.2%
  • β-テルピネオール:2.6%
  • 6-メチル-5-ヘプテン-2-オン:2.4%
  • アセトイン:1.5%
  • テルピネン-4-オール:1.3%

となっており(∗1)、リナロールが主要成分となっています。

∗1 参考資料:サイエンスの目で見るハーブウォーターの世界(2009)

特有成分として窒素を含んだベンチルニトリルとメチルアンスラニレートを含んでおり、後者はビターオレンジの香りの主体をなすといわれます。

主要成分であるリナロールの薬理作用は、

  • 鎮静、鎮痙、鎮痛作用
    リナロールの鎮静効果はよく知られています。吸入によりマウスの行動を抑制し(文献1:1993)、マウスの腹腔内投与で催眠、体温低下、鎮痙作用がみられました(文献2:1995)。リナロールをマウスに400~600mg/kg投与することで、ラベンダー油と同等の抗不安作用がみられました(文献3:2006)
  • 抗炎症効果
    リナロールはラットカラゲニン起因の足浮腫を抑制します(文献4:2002)。またエタノール誘発の胃潰瘍モデルにも有効ですが、インドメタシン誘発の胃潰瘍モデルには無効で、おそらくリナロールの抗炎症効果にはアラキドン酸代謝は関係していないものと推定されています(文献5:2004)
  • 殺虫、抗ウィルス作用
    リナロールには中程度の殺虫活性が認められ(文献6:1996)、シラミにも有効と報告されています(文献7:1989)

となっています(それぞれの文献はページ最下部に記載)

ネロリ(ビターオレンジ)の精油は天然の精神安定剤といわれ、心の奥まで染み入り、最も鎮静効果のある精油のひとつで、精神的なショックを癒やすにはネロリのハンドマッサージが用いられます。

ビターオレンジ花水も成分的に精油に近いので、似たような用途や効果が考えられます。

化粧水としては、古い角層細胞の剥離を促し、新しい細胞の成長を促すピーリング効果があるので、肌の再生作用や若返り効果があるといわれます。

収れん作用もあり、皮膚を刺激しないので、敏感で炎症を起こしやすい肌、加齢肌、毛細血管の敗れた肌にもよいといわれています。

スポンサーリンク

ビターオレンジ花水の安全性(毒性・刺激性・アレルギー・副作用)について

ネロリ精油は通常用量では禁忌はなく、ビターオレンジ花水も長年の使用実績から安全性は高いと考えられています。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ビターオレンジ花水は毒性なし(∗1)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ビターオレンジ花水は香料にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:香料

∗∗∗

文献一覧:

  1. Aromatherapy:evidence for sedative effects of the esential oil of lavender after inhalation(1993). Z Naturforsch[C]46:1067-1072
  2. Sedative properties of linalool(1995). Fitoterapia,66:407-414
  3. Anticonflict effects of lavender oil and identification of its active constituents(2006). Pharmacol Biochem Behav,85:713-721
  4. Anti-inflammatory activity of linalool and linaly acetate constutuents of essential oils(2002). Phytomedicine,9:721-726
  5. Antinociceptive and gastroprotective effects of inhaled and orally administered Lavandula hybrida Reverchon “Gross” essential oil(2004). Life Sci,76:213-223
  6. The activity of volatile compounds from Lavandula angustifolia against Psoroptes cuniculi(1996). Phytither Res,10:5-8
  7. The activity of extracts of Myrtus communis against Pediculus humanus Capitis(1989). Plantes Med Phytother,23:95-108

スポンサーリンク

TOPへ