ハッカ水(和ハッカ水)とは…成分効果と副作用を解説

香料
ハッカ水(和ハッカ水)
[化粧品成分表示名称]
・ハッカ水

[医薬部外品表示名称]
・ハッカ水

[慣用名]
・和ハッカ水

水蒸気蒸留法を用いて葉からアルベンシスミントエキスを抽出した際に出る、アルベンシスミントの香りやエキスが溶け込んだ蒸気水分となって得られる芳香蒸留水です。

アルベンシスミントは日本名を「和ハッカ」といい、これに対してペパーミントは「西洋ハッカ」です。

和ハッカの場合は、成分表示に”ハッカ水(国産)”と国産表示される場合もあります。

和ハッカは、古くから日本に野生しており、強く染み透るような鋭い香りがします。

ハッカ水(和ハッカ水)の成分組成は、

  • メントール:86.4%
  • メントン:5.3%
  • ピペリトン:2.3%
  • ネオメントール:1.5%
  • イソメントン:1.4%

となっており(∗1)、メントールが主要成分で含有濃度185μg/mLです。

∗1 参考資料:サイエンスの目で見るハーブウォーターの世界(2009)

アルベンシスミントはペパーミントよりもメントール含量が多いのが特徴です。

  • アルベンシスミント:185μg/mL(86.4%)
  • ペパーミント:139μg/mL(49.9%)

参考:ハッカ水(セイヨウハッカ水)の成分効果と副作用を解説

主要成分であるメントールの薬理作用は、

  • 清涼感
    メントールの特徴的な作用として鼻の冷感を刺激して鼻腔の通気が改善されることがあります(文献1:1983)。メントールの肌を冷やす効果は冷神経の刺激によるもので、実際には存在しない涼感を感じます。メントールは鼻づまりによく用いられますが、それは鼻の充血の除去ではなく、清涼感から鼻の通りがようなったと感じるのです。低濃度(0.1~1.0%)のメントールの清涼効果はヒスタミンで惹起したヒトのかゆみにも有効です(文献2:1995)
  • 鎮痙、鎮静作用
    メントールには中枢神経抑制作用に基づく鎮静作用、平滑筋を抑制する強い鎮痙作用があります(文献3:1997)。その効果をモルモットの回腸とヒトの結腸紐やウサギとモルモットの消化管を用いて調べると、アセチルコリンと拮抗してカルシウムイオンの流入を阻害することで平滑筋を弛緩することがわかりました。これが鎮痙作用です。このため、メントールを含む製剤は大腸の痙攣や軌道閉鎖症に有効なことが報告されています(文献4:1981)。現在ペパーミントは過敏性腸症候群の治療薬として用いられています。また、気管支の痙攣を緩和するので喘息にも有効です。皮膚に塗布すると局所麻酔作用で鎮痛効果が観察されます(文献5:2001)
  • 鎮咳作用
    クエン酸で発咳を起こしたモルモットに対して30μg/Lのメントール蒸気を吸入すると咳中枢が抑制されて、56%の咳減少効果がみられました(文献6:1994)。ヒトの場合も慢性的な咳に有効といわれます(文献7:2004)
  • 抗菌作用と代謝
    メントールにはリナロールやシトロネラールより強い抗菌活性があると報告されています(文献8:1992)。メントール蒸気は植物病原菌にも有効です(文献9:2003)。しかし、ハッカ水にはカンジダの発育阻害は認められず、白癬菌にも弱い活性しか示しませんでした。

となっています(それぞれの文献はページ最下部に記載)

ハッカは、「本草網目」に「頭、目を清くして、風熱を除く」と記されており、発熱性の風邪や乗り物酔いに用いています。

葉の煎じ薬は駆風(腸内ガスを出しやすくする)、鎮痙、発汗、通経(月経の改善)に用いられ、腸内の異常発酵を抑えるので芳香胃健剤としても用いられています。

これらの作用はは主にメントールに基づくものと思われ、ハッカ水(和ハッカ水)にも作用は弱くても類似の効果が期待されます。

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ハッカ水の安全性(毒性・刺激性・アレルギー・副作用)について

アルベンシスミント精油は、ペパーミントよりメントール含量が多いため、ペパーミント以上の注意が必要で、とくに乳幼児、てんかんのある方、心臓細動のある方は使用しないようにしてください。

また、精油は敏感肌を刺激するといわれており、このため市販のアルベンシスミントは冷凍処理でメントールを50%除去した”メントール除去精油”がほとんどだといわれています。

ハッカ水のメントール含量は、精油に比べればはるかに低いですが、一応留意する必要があります。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ハッカ水は毒性なし(∗1)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ハッカ水は香料にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:香料

∗∗∗

文献一覧:

  1. The effects of camphor,eucalyptus and menthol vapour on nasal resistance to airflow and nasal sensation(1983). Acta Otolarynjol,96:157-161
  2. Effects of menthol and cold on histamine-induced itch and skin reactions in man(1995). Neurosci,lett,187:157-160
  3. A study of the viability of commercial peppermint oils using antimicrobial and pharmacological parameters(1997). Med Sci Res,25:151-152
  4. Pharmacological studies with an ointment containing menthol. camphene and essential oils for broncholytic and secretolytic effects(1981). Arzneimit Forsch,31:82-86
  5. Local anaesthetic actibity of(+)and(-)menthol(2001). Plants Med,67:174-176
  6. The antitussive effects of menthol,camphor and cineole in conscious guinea-pigs(1994). Pulm Pharmacol,7:179-184
  7. The diagnosis and management of chronic cough(2004). Eur Respir J,24:481-492
  8. Antibacterial actibity of essential oil components(1992). Int J Fd Microbiol,16:337-342
  9. Antifungal actibity of peppermint and sweet basil essential oils and their major aroma constituetnts on some plant pathogenic fungi from the vapor phase(2003). Nahrung,47:117-121

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