ハッカ水(セイヨウハッカ水)とは…成分効果と副作用を解説

香料
ハッカ水(セイヨウハッカ水)
[化粧品成分表示名称]
・ハッカ水

[医薬部外品表示名称]
・ハッカ水

[慣用名]
・セイヨウハッカ水

水蒸気蒸留法を用いて葉からペパーミントエキスを抽出した際に出る、ペパーミントの香りやエキスが溶け込んだ蒸気水分となって得られる芳香蒸留水です。

ペパーミントは、ウォーターミントとスペアミントの自然交配種で、強く染み透るようなメントールの香りがして、ハッカの中では最高に優雅な香りを呈します。

ミントの精油はレモン、オレンジについで世界で3番目の人気を誇っています。

現在ペパーミントは世界中で栽培されていますが、アメリカが最大の生産国で、近年はインドや中国産も台頭してきており、その多くはガムや口腔清涼剤や歯磨き粉などに使用されます。

ハッカ水の成分組成は、

  • メントール:49.9%
  • メントン:22.7%
  • 1,8-シネオール:11.1%
  • イソメントン:5.1%
  • プレゴン:3.4%
  • テルピネン-4-オール:2.7%
  • ピペリトン:1.6%
  • α-テルピネオール:0.7%

となっており(∗1)、メントールが主要成分で含有濃度139μg/mLです。

∗1 参考資料:サイエンスの目で見るハーブウォーターの世界(2009)

主要成分であるメントールの薬理作用は、

  • 清涼感
    メントールの特徴的な作用として鼻の冷感を刺激して鼻腔の通気が改善されることがあります(文献1:1983)。メントールの肌を冷やす効果は冷神経の刺激によるもので、実際には存在しない涼感を感じます。メントールは鼻づまりによく用いられますが、それは鼻の充血の除去ではなく、清涼感から鼻の通りがようなったと感じるのです。低濃度(0.1~1.0%)のメントールの清涼効果はヒスタミンで惹起したヒトのかゆみにも有効です(文献2:1995)
  • 鎮痙、鎮静作用
    メントールには中枢神経抑制作用に基づく鎮静作用、平滑筋を抑制する強い鎮痙作用があります(文献3:1997)。その効果をモルモットの回腸とヒトの結腸紐やウサギとモルモットの消化管を用いて調べると、アセチルコリンと拮抗してカルシウムイオンの流入を阻害することで平滑筋を弛緩することがわかりました。これが鎮痙作用です。このため、メントールを含む製剤は大腸の痙攣や軌道閉鎖症に有効なことが報告されています(文献4:1981)。現在ペパーミントは過敏性腸症候群の治療薬として用いられています。また、気管支の痙攣を緩和するので喘息にも有効です。皮膚に塗布すると局所麻酔作用で鎮痛効果が観察されます(文献5:2001)
  • 鎮咳作用
    クエン酸で発咳を起こしたモルモットに対して30μg/Lのメントール蒸気を吸入すると咳中枢が抑制されて、56%の咳減少効果がみられました(文献6:1994)。ヒトの場合も慢性的な咳に有効といわれます(文献7:2004)
  • 抗菌作用と代謝
    メントールにはリナロールやシトロネラールより強い抗菌活性があると報告されています(文献8:1992)。メントール蒸気は植物病原菌にも有効です(文献9:2003)。しかし、ハッカ水にはカンジダの発育阻害は認められず、白癬菌にも弱い活性しか示しませんでした。

となっています(それぞれの文献はページ最下部に記載)

ペパーミント精油は、皮膚に対しては毒素の鬱滞を取り除くので、いろいろな皮膚炎に有効といわれます。

また、冷却効果を発揮するので、かゆみや過度の日焼けを和らげ、皮膚の軟化作用でニキビや脂性肌を改善し、髪を美しくするといわれています。

ハッカ水も成分的には精油と似ているので、程度の差はあっても似た効果が期待されます。

ハッカ水は昔は万能の芳香水といわれましたが、現在でも消化不良や胸焼けなどに有効といわれており、独特の清涼感があり、気分をリフレッシュさせて元気づけます。

化粧水としては、ニキビ肌、疲労した肌、日焼け肌に効果的で、皮膚の掻痒症にも有効といわれます。

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ハッカ水の安全性(毒性・刺激性・アレルギー・副作用)について

ペパーミント精油は乳幼児にたいしては禁忌で、ハッカ水といえども乳幼児には使用しないほうがいいです。

また、高濃度のメントールは敏感肌の人には刺激が強すぎることがあるので注意が必要です。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ハッカ水は毒性なし(∗1)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ハッカ水は香料にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:香料

∗∗∗

文献一覧:

  1. The effects of camphor,eucalyptus and menthol vapour on nasal resistance to airflow and nasal sensation(1983). Acta Otolarynjol,96:157-161
  2. Effects of menthol and cold on histamine-induced itch and skin reactions in man(1995). Neurosci,lett,187:157-160
  3. A study of the viability of commercial peppermint oils using antimicrobial and pharmacological parameters(1997). Med Sci Res,25:151-152
  4. Pharmacological studies with an ointment containing menthol. camphene and essential oils for broncholytic and secretolytic effects(1981). Arzneimit Forsch,31:82-86
  5. Local anaesthetic actibity of(+)and(-)menthol(2001). Plants Med,67:174-176
  6. The antitussive effects of menthol,camphor and cineole in conscious guinea-pigs(1994). Pulm Pharmacol,7:179-184
  7. The diagnosis and management of chronic cough(2004). Eur Respir J,24:481-492
  8. Antibacterial actibity of essential oil components(1992). Int J Fd Microbiol,16:337-342
  9. Antifungal actibity of peppermint and sweet basil essential oils and their major aroma constituetnts on some plant pathogenic fungi from the vapor phase(2003). Nahrung,47:117-121

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