クロモジ水(クロモジ葉/枝水)とは…成分効果と副作用を解説

香料
クロモジ水(クロモジ葉/枝水)
[化粧品成分表示名称]
・クロモジ葉/枝水

[慣用名]
・クロモジ水、クロモジウォーター

水蒸気蒸留法を用いて葉と小枝からクロモジエキスを抽出した際に出る、クロモジの香りやエキスが溶け込んだ蒸気水分となって得られる芳香蒸留水です。

クスノキ科クロモジは北海道以南の山野に原生する低木の落葉樹で、早春に周りの木々が葉を出す前に黄色の小花を咲かせ、晩秋には黒い小さな実ができます。

古くは狩りでしとめた獲物を神に捧げる時や祭壇を作るときに使われ、神を祀るための「祭りの木」でした。

クロモジの木部と葉では芳香が異なります。

クロモジ水の成分組成は、

  • リナロール:54%
  • ゲラニオール:11.4%
  • 6-メチル-2-(2-オキシラニル)-5-ヘプテン-2-オール:11.9%
  • 同上異性体:6.4%
  • 1,8-シネオール:4.1%
  • α-テルピネオール:3.6%
  • テルピネン-4-オール:1.8%
  • カルボン:1.1%

となっており(∗1)、リナロールが主要成分で含有濃度580μg/mLです。

∗1 参考資料:サイエンスの目で見るハーブウォーターの世界(2009)

主要成分であるリナロールの薬理作用は、

  • 鎮静、鎮痙、鎮痛作用
    リナロールの鎮静効果はよく知られています。吸入によりマウスの行動を抑制し(文献1:1993)、マウスの腹腔内投与で催眠、体温低下、鎮痙作用がみられました(文献2:1995)。リナロールをマウスに400~600mg/kg投与することで、ラベンダー油と同等の抗不安作用がみられました(文献3:2006)
  • 抗炎症効果
    リナロールはラットカラゲニン起因の足浮腫を抑制します(文献4:2002)。またエタノール誘発の胃潰瘍モデルにも有効ですが、インドメタシン誘発の胃潰瘍モデルには無効で、おそらくリナロールの抗炎症効果にはアラキドン酸代謝は関係していないものと推定されています(文献5:2004)
  • 殺虫、抗ウィルス作用
    リナロールには中程度の殺虫活性が認められ(文献6:1996)、シラミにも有効と報告されています(文献7:1989)

となっていますが、クロモジ精油の抗菌力は、リナロールではなく副成分のゲラニオールに基づくことが確認されています(それぞれの文献はページ最下部に記載)

クロモジの精油に関しては、血液循環促進、健胃、腸内異常発酵の抑制、育毛効果があるといわれており、実際に使用した複数のアロマテラピストによると、皮膚の軟化作用があり、かかとのひび割れに優れた効果を示したと報告されました。

同時に、体があたたまるので末梢血管の拡張作用が示唆されてました。

クロモジ水は精油と成分が極めて似ており、リナロールの含量も高いので、程度の差はあっても精油と似たような効果が期待されます。

実際に伊豆の民間ではクロモジ水を風呂に入れて入浴すると、吹き出物が治り、肌がなめらかになったと伝えられており、肌の洗浄効果が期待できます。

さらに、ラベンダー花水とも成分が似ているため抗炎症や鎮静作用も可能性があります。

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クロモジ水の安全性(毒性・刺激性・アレルギー・副作用)について

クロモジ精油について危険性は予見されておらず、成分的に近似したクロモジ水も伊豆での使用実績からみても大きな問題はなく安全性の高い成分だと考えられます。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、クロモジ水は掲載なし(∗1)となってます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

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クロモジ水は香料にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:香料

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文献一覧:

  1. Aromatherapy:evidence for sedative effects of the esential oil of lavender after inhalation(1993). Z Naturforsch[C]46:1067-1072
  2. Sedative properties of linalool(1995). Fitoterapia,66:407-414
  3. Anticonflict effects of lavender oil and identification of its active constituents(2006). Pharmacol Biochem Behav,85:713-721
  4. Anti-inflammatory activity of linalool and linaly acetate constutuents of essential oils(2002). Phytomedicine,9:721-726
  5. Antinociceptive and gastroprotective effects of inhaled and orally administered Lavandula hybrida Reverchon “Gross” essential oil(2004). Life Sci,76:213-223
  6. The activity of volatile compounds from Lavandula angustifolia against Psoroptes cuniculi(1996). Phytither Res,10:5-8
  7. The activity of extracts of Myrtus communis against Pediculus humanus Capitis(1989). Plantes Med Phytother,23:95-108

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