硫酸Naとは…成分効果と毒性を解説

ピーリング成分 増粘剤
硫酸Na
[化粧品成分表示名称]
・硫酸Na

濃度によって親水性増粘剤、角質柔軟剤、ピーリング剤として使用される硫酸のナトリウム塩です。

人体に無害な物質で、温泉にも含まれている肌をすべすべにする主成分のひとつです。

角層の柔軟効果があり、配合量を増やすと古い角質細胞を取り除くピーリング効果があるため、洗顔料や入浴剤によく使用されます。

また、シャンプーやボディソープなど洗浄剤の増粘剤としても使用されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

硫酸Naの配合比較調査(2000-2016年)

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硫酸Naの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

硫酸Naの現時点での安全性は、皮膚感作(アレルギー)の報告はありませんが、濃度に関係なく無刺激~軽度の皮膚刺激が起こる可能性があり、また中等の眼刺激が起こる可能性があるため、注意が必要な成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Sulfate」(文献1:2000)によると、

  • [ヒト試験] 19人の被検者を用いて9.7%硫酸Naの皮膚一次刺激性を評価するために単一24時間閉塞パッチを適用したところ、18人の被検者には反応は認められず、1人の被検者はほとんど知覚できない反応を示した(CTFA,1985)
  • [ヒト試験] 13人の被検者の片腕に0.1168%硫酸Naを含む固形石鹸フレーク溶液を24時間閉塞パッチで3回適用したところ、最大刺激スコア4.0のうち11人の被検者に刺激スコア0.5~1.0が認められ、これらのうち7人は3回の適用すべてに反応し、2人は2および3回目の適用に反応し、残りの2人は3回目の適用のみ反応した。全体の平均刺激スコアは0.410であり、軽度の刺激性であると分類された(Hill Top Research Inc.,1989)
  • [ヒト試験] 20人の被検者に1.8%硫酸Naを含むバブルバス粉末を4日間連続でそれぞれ4時間パッチ適用したところ、この試験材料の適用濃度は予想される一般使用レベルの200倍であった。4回目の適用後に部位をスコアリングしたところ、13人の被検者は紅斑は認められず、乾燥も生じなかったが、軽度の紅斑および乾燥が7人および8人の被検者に認められた(CTFA,1990)

と記載されています。

試験結果では、軽度の刺激の報告が少なくないため、皮膚刺激性は無刺激~軽度の刺激が起こる可能性があると考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Sulfate」(文献1:2000)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの片眼の角膜に炭酸ナトリウムと硫酸Naの混合物(1:1)を0.01,0.03および0.1mL注入し、適用1,2,3,4,7および14日後にDraize法に準じて刺激性を評価したところ、最大眼刺激スコア110のうち眼刺激スコアは0.01,0.03および0.1mLでそれぞれ11,17および36であった。これらの刺激は正常に戻るまで4~21日を要し、中等の眼刺激性に分類された(Griffith et al.,1980)

と記載されています。

試験結果では中等の眼刺激性が報告されているため、眼刺激性は中等の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Sulfate」(文献1:2000)によると、

  • [ヒト試験] 61人の被検者を用いて1.01%硫酸Naを含む入浴剤水溶液の皮膚感作性を評価するために反復鎮痛試験を実施した。試験物質の濃度は通常使用の100倍であった。誘導期間において最初のパッチを背部に48時間閉塞適用し、残りの8個のパッチは24時間解放適用した。3週間の無処置期間を設けた後に48時間チャレンジパッチ適用し、パッチ除去後に試験部位を評価したところ、1人の被検者は誘導期間において軽度の紅斑を1つ有したが、いずれの被検者もチャレンジには反応を示さず、この試験物質は皮膚感作剤ではないと結論付けられた(CTFA,1976)

と記載されています。

試験結果はひとつですが、皮膚感作性ではないと報告されており、また温泉にも含まれている成分であるため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
硫酸Na 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、硫酸Naは毒性なし(∗2)となっていますが、濃度と関連なく皮膚刺激を起こす可能性があるため、注意が必要な成分であると考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

硫酸Naはピーリング成分、安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ピーリング成分 安定化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2000)「Final Report on the Safety Assessment of Sodium Sulfate」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/pr33.pdf> 2018年3月9日アクセス.

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