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パール光沢剤の定義
パール光沢剤とは、金属表面のように光を正反射し、強い光を感じる仕上がりや真珠や虹のように様々な色を発する仕上がり、いわゆるパール感を演出する特性を有した成分または素材のことをいいます[1][2a]。
ラメ剤の定義
ラメ剤とは、パール光沢剤のうちキラキラとした点在感のある輝きを放つ材料のことをいいます[3]。
パール感の種類
パール感を演出する特性(パール感)は、以下の表のように、
パール感の種類 | 代表的な素材 |
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メタリックな金属光沢 | アルミニウム粉末、オキシ塩化ビスマス、ベンガラ被覆雲母 |
真珠のような輝き | 酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン・無水ケイ酸複合被覆マイカ、ジステアリン酸グリコール |
シルクのようなきめ細かい光 | 雲母チタン |
点在感のあるキラキラとした光 | (PET/アルミニウム/エポキシ樹脂)ラミネート、酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Na) |
点在感があり、七色に輝く光 | (PET/ポリメタクリル酸メチル)ラミネート、変性アクリル樹脂 |
様々な光沢・輝きを放つタイプがあります[2b]。
歴史
パール顔料としては、古くは天然の魚鱗箔が使用されていましたが、魚の鮮度による品質のばらつきや漁獲量が不安定であったことから、1960年代初期に合成品としてオキシ塩化ビスマスが開発されるとともに広く使用されるようになり、その後1965年には光の干渉を有効に利用した新しいパール顔料として雲母チタン(酸化チタン被覆雲母)が開発され、現在においてもこのパール顔料が主流となっており、また現在では雲母の代わりに他の基板を使用し、酸化チタンの代わりに酸化鉄で被覆したものなどが開発されています[4a][5]。
また、現在では雲母の代わりに他の基板(∗1)を使用し、酸化チタンの代わりに酸化鉄で被覆したものなどが開発されており、そのほかにも酸化チタンの被覆層の上にさらに透明な顔料を被覆することによって異なった色の顔料を得たものが着色パール顔料として汎用されています[4b]。
∗1 他の基板としては、天然マイカと比較して鉄などの有色不純物が非常に少ないため、白色度が高くパール顔料本来の色調を発色させることができる合成雲母(合成フルオロフロゴパイト)やシリカ、アルミナ、ホウケイ酸ガラスなどが使用されています。
パール光沢剤の配合目的
ポイントメイク化粧品ではカラフルでキラキラした明るい光沢や点在的な輝きを付与し、ポイントメイクの効果感を高める目的で使用され、ファンデーションなどのベースメイク化粧品でもパール特有の明るい光の色を付与することにより、肌のくすみを補正して自然な肌色に見せる効果(赤色や黄色の反射干渉光)や肌の透明感を高める効果(青色の反射干渉光)を付与する目的で使用されています[6]。
また、シャンプー製品においては外観(基剤)にパール感を付与し、高級感や光沢感、商品価値を高める目的で使用されています[7]。
参考文献
- ⌃南 孝司(2003)「パール感」化粧品事典,667.
- ⌃ab南 孝司(2003)「パール剤」化粧品事典,667-668.
- ⌃南 孝司(2003)「ラメ剤」化粧品事典,834.
- ⌃ab日光ケミカルズ株式会社(2016)「パール顔料」パーソナルケアハンドブックⅠ,351-352.
- ⌃西本 浩介(2020)「パール光沢顔料」色と顔料の世界 新版,333-343.
- ⌃柴田 雅史(2021)「きらめく光と色-パール顔料」美しさをつくる色材工学,201-207.
- ⌃田村 健夫・廣田 博(2001)「シャンプー」香粧品科学 理論と実際 第4版,448-455.
パール光沢剤一覧