(VP/VA)コポリマー((ビニルピロリドン/VA)コポリマー)とは…成分効果と毒性を解説

皮膜形成剤
(VP/VA)コポリマー((ビニルピロリドン/VA)コポリマー)
[化粧品成分表示名称]
・(VP/VA)コポリマー(改正名称)
・(ビニルピロリドン/VA)コポリマー(旧称)

[医薬部外品表示名称]
・酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体

ビニルピロリドン(VP)と酢酸ビニル(VA)との共重合体で、ビニルピロリドンの保湿性を損なわずに耐水性を兼ね備えた両親媒性コポリマー(皮膜形成剤)です。

化粧品に配合される場合は、乾くとフィルム状になる皮膜形成成分として髪およびまつげに輝きを付与する目的でヘアスタイリング製品、マスカラなどに使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2002-2018年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

(VP/VA)コポリマーの配合製品数と配合量の比較調査結果(2002-2018年)

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(VP/VA)コポリマーの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

(VP/VA)コポリマーの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性は濃度依存的に眼刺激性が増加しますが、皮膚感作性(アレルギー性)および光感作性の報告もないため、総合的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polyvinylpyrrolidone/Vinyl Acetate Copolymer」(文献1:1983)によると、

  • [ヒト試験] 20人の被検者の上腕または前腕に5%(VP/VA)コポリマー0.1mLを単一24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去後に皮膚反応を評価したところ、皮膚刺激スコアは0.0であり、刺激性はなかった(CTFA,1972)
  • [ヒト試験] 18人の被検者の上腕または前腕に1.75%(VP/VA)コポリマーを含むマスカラ製剤を単一24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去後に皮膚反応を評価したところ、皮膚刺激スコアは0.0であり、刺激性はなかった(CTFA,1976)
  • [ヒト試験] 20人の被検者の上腕または前腕に4%(VP/VA)コポリマーを含むヘアスタイリングローションを単一24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去後に皮膚反応を評価したところ、皮膚刺激スコアは0.0であり、刺激性はなかった(CTFA,1977a)
  • [ヒト試験] 50人の被検者の無傷および擦過した皮膚に50%(VP/VA)コポリマーを含むアルコール溶液を15日間パッチ適用し、パッチ除去後に皮膚反応を評価したところ、皮膚刺激スコアは0.0であり、無傷および擦過した皮膚の両方で刺激剤、疲労剤および感作剤ではなかったと結論付けられた(IBRTL,1958)
  • [ヒト試験] 150人の被検者の上背部に50%(VP/VA)コポリマーを含むアルコール溶液0.15mLを誘導期間において21日間で合計9回24時間半閉塞パッチ適用し、各パッチ除去後に皮膚反応を評価した。10日間の休息を設けた後に24時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去後すぐに評価した2~3日後にもう一度チャレンジパッチを適用した。誘導期間において1回目のパッチ適用の際に5人の被検者で中等の皮膚刺激が観察され、2人の被検者に軽度の皮膚刺激が観察された。2回目のパッチ適用において3人の被検者でわずかな刺激が観察された。これらの反応は臨床的に有意な皮膚反応ではないと考えられ、チャレンジパッチ後に皮膚刺激または皮膚感作の兆候はない結論付けられた(TOXICENICS,1981)
  • [ヒト試験] 51人の被検者の上腕に5%(VP/VA)コポリマーを含むヘアスプレー製剤を週3回9-24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去後すぐに皮膚反応を評価したところ、本質的に非刺激剤であった(Hill Top Research Inc,1976)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して刺激性および感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polyvinylpyrrolidone/Vinyl Acetate Copolymer」(文献1:1983)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギ群2グループの片目に0.25%および0.5%(VP/VA)コポリマーを含むヘアスタイリングローション0.1mLを点眼し、7日間にわたって眼を評価したところ、眼刺激スコアは最大110のうち0であり、刺激剤ではなかった(BIOSEARCH,1979)
  • [動物試験] 6匹のウサギの片目に1.75%(VP/VA)コポリマーを含むマスカラ製剤0.1mLを点眼し、7日間にわたって眼を評価したところ、眼刺激スコアは最大110のうち1であり、実質的に刺激剤ではなかった(CTFA,1977b)
  • [動物試験] 6匹のウサギの片目に4%(VP/VA)コポリマーを含むヘアスタイリングローション0.1mLを点眼し、一部のウサギの眼を洗眼し、残りの眼は洗眼せず、7日間にわたって眼を評価したところ、眼刺激スコアは最大110のうち洗眼したウサギの眼刺激スコアは3で最小限の眼刺激であり、洗眼していないウサギの眼は26で中等の眼刺激性であった(CTFA,1977c)
  • [動物試験] 6匹のウサギ群3グループに25%,37.5%および50%(VP/VA)コポリマーを含むアルコールおよびワセリン混合物0.1mLを点眼し、7日間にわたって眼を評価したところ、最大眼刺激スコア110のうち25%濃度で1日目に最大14で最小限の眼刺激が生じ7日目には消失し、37.5%濃度で1日目に最大23で軽度の眼刺激が生じ7日目には消失し、50%濃度で1日目に最大30で中等の眼刺激が生じ7日目には最小限に減少した(CTFA,1972)
  • [動物試験] 9匹のウサギの片目に50%(VP/VA)コポリマーを含むアルコール溶液0.1mLを点眼し、一部のウサギの眼を洗眼し、残りの眼は洗眼せず、7日間にわたって眼を評価したところ、眼刺激スコアは最大110のうち洗眼したウサギの眼刺激スコアは33で洗眼していないウサギの眼は43であり、両方において中等の眼刺激性であった(FDRL,1978a)
  • [動物試験] 9匹のウサギの片目に50%(VP/VA)コポリマーを含むアルコール溶液0.1mLを点眼し、一部のウサギの眼を洗眼し、残りの眼は洗眼せず、7日間にわたって眼を評価したところ、眼刺激スコアは最大110のうち洗眼したウサギの眼刺激スコアは26で洗眼していないウサギの眼は43であり、両方において中等の眼刺激性であった(FDRL,1978b)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、濃度依存的に刺激性が増加しているおり、報告によるとリーブオン製品(つけっぱなし製品)の濃度は高くても10%、リンスオフ製品(洗い流し製品)は高くても44%までの配合量となっているため、リーブオン製品では眼刺激性はほとんどなく、リンスオフ製品では軽度~中等の眼刺激性が起こる可能性があると考えられます。

光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Vinylpyrrolidone Polymers as Used in Cosmetics」(文献2:2018)によると、

  • 報告として提出された(VP/VA)コポリマーに関する光感作性のデータはないが、光吸収特性として光増感は起こりそうにないことが示唆されている(Moore A,1983)

と記載されています。

詳細な試験データはみあたらず、光感作性は起こりそうにないことが示唆されていますが、データ不足のため詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
(VP/VA)コポリマー

参考までに化粧品毒性判定事典によると、(VP/VA)コポリマーは■(∗1)となっていますが、試験データをみるかぎり、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

(VP/VA)コポリマーはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1983)「Final Report on the Safety Assessment of Polyvinylpyrrolidone/Vinyl Acetate Copolymer」,<http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818309140719> 2018年6月3日アクセス.
  2. “Cosmetic Ingredient Review”(2018)「Safety Assessment of Vinylpyrrolidone Polymers as Used in Cosmetics」,<https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/SR764.pdf> 2018年6月3日アクセス.

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