(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂とは…成分効果と毒性を解説

皮膜形成剤
(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂
[化粧品成分表示名称]
・(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂

トルエンスルホンアミドとホルムアルデヒドから得られる重合体で、ネイル皮膜剤です。

化粧品に配合される場合は、密着性が高く光沢のある被膜形成能があるため、マニキュア、ネイルカラー、ネイルエナメル、トップコートなどネイル製品に広く使用されています。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2002-2004年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂の配合製品数と配合量の調査結果(2002-2004年)

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(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂の安全性(刺激性・アレルギー)について

(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂の現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はわずかな刺激が起こる可能性があるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、総合的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

ただし、(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂はネイルエナメルなどのネイル製品に使用されるため、爪での使用は上記のとおり安全性に問題ないと考えられますが、(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂が液体のうち(乾かないうち)に皮膚などに触れるとアレルギー性皮膚炎を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

あくまでも液体の状態で皮膚に触れた場合であり、乾燥するにつれて皮膚への感作性は低下し、完全に乾燥するとアレルゲンとしては非常に弱くなると考えられています。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Toluenesulfonamide/Formaldehyde Resin」(文献1:1986)によると、

  • [ヒト試験] 50人の被検者の無傷および擦過傷の皮膚に10%(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂を含むジメチルフタレート溶液を誘導期間において15回連続で適用し、2週間の休息期間の後にチャレンジパッチを適用し、各パッチ除去後に皮膚反応を観察したところ、(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂は刺激剤、疲労剤、または感作剤ではなかった(Industrial Biology Research and Testing Laboratories,1985)
  • [動物試験] 6匹のウサギの無傷および擦過した皮膚に水で湿らせた(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂0.5gを含む粉末を24時間単一閉塞パッチ適用し、パッチ除去24,48および144時間後に皮膚反応を評価したところ、刺激は観察されなかった(Younger Laboratories Inc,1974a)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、刺激性および感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、マニキュア液によるアレルギー性皮膚炎は手や足の爪ではほとんど起こりませんが、体の中でマニキュア液をつけた爪が触れた部分で起こることがあり、(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂の液体は主要な原因物質のひとつであると考えられています。

マニキュア液によってアレルギー性皮膚炎が起こりやすい箇所は、まぶた、顔の下半分、首の側面、上胸部で、場合によっては広範囲に広がり、一般的な皮膚炎となりえます。

あくまでも液体の状態の場合であり、乾燥するにつれて皮膚への感作性は低下し、完全に乾燥するとアレルゲンとしては非常に弱くなると考えられています。

そのため、(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂にアレルギーがある場合でも、塗りたて(液体)のマニキュアが乾燥するまで指が皮膚に触れなければ、使用できると示唆されています。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Toluenesulfonamide/Formaldehyde Resin」(文献1:1986)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの片目に(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂粉末100mgを注入し、水ですすがず、注入1,24,48および72時間で眼を検査したところ、1,24および48時間で結膜の軽度の紅斑および軽度~中等のめやにが観察されたが、72時間では目は正常であった。角膜または虹彩への影響は認められなかった。(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂はわずかな眼刺激性であると結論づけられた(Younger Laboratories Inc,1974b)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、わずかな眼刺激が報告されているため、眼刺激性はわずかな眼刺激が生じる可能性があると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂

参考までに化粧品毒性判定事典によると、(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂は■(∗1)となっていますが、これは合成ポリマーの共通判定であり、試験データをみるかぎり、ネイルエナメルとして爪に使用する場合は、乾燥するまで皮膚に触れないように注意すれば、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

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(トシルアミド/ホルムアルデヒド)樹脂はその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1986)「Final Report on the Safety Assessment of Toluenesulfonamide/Formaldehyde Resin」,<http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818609141921> 2018年6月1日アクセス.

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