(スチレン/アクリレーツ)コポリマーとは…成分効果と毒性を解説

皮膜形成
(スチレン/アクリレーツ)コポリマー
[化粧品成分表示名称]
・(スチレン/アクリレーツ)コポリマー

[医薬部外品表示名称]
・アクリル酸アルキル・スチレン共重合体

スチレンとアクリル酸、メタクリル酸またはこれらの単純エステルの中から選ばれたモノマー1種以上との共重合体で、爪に均一なフィルムをつくる高分子の皮膜形成剤です。

化粧品に配合される場合は、主に皮膜形成(フィルム形成)目的でネイル製品に幅広く使用されます。

また、白濁した不透明な性質を有しているので、透明性のある液体の透明度を下げ、コロイド状に濁った溶液にするたmの不透明化剤として日焼け止め製品やスキンケア製品にも配合されます。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

(スチレン/アクリレーツ)コポリマーの配合製品数の調査結果(1998年)

(スチレン/アクリレーツ)コポリマーの配合製品数と配合濃度の調査結果(2013-2014年)

スポンサーリンク

(スチレン/アクリレーツ)コポリマーの安全性(刺激性・アレルギー)について

(スチレン/アクリレーツ)コポリマーの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、最小限の眼刺激が起こる可能性があるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(皮膚アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Styrene and Vinyl-type Styrene Copolymers as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 10人のボランティアに5%(スチレン/アクリレーツ)コポリマー水溶液を単一パッチ適用したところ、皮膚刺激の兆候は観察されず、非刺激剤に分類された
  • [ヒト試験] 21日間の累積皮膚刺激性試験において(スチレン/アクリレーツ)コポリマー乳白剤は非刺激性および非感作性として分類された(試験の詳細は不明)
  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて、5%(スチレン/アクリレーツ)コポリマー水溶液を20秒間処理したところ(HET-CAM法)、弱い刺激物として分類されたため、この試験物質が皮膚刺激を引き起こす可能性は低いと結論付けられた

と記載されています。

試験結果では共通して皮膚刺激および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Styrene and Vinyl-type Styrene Copolymers as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [in vitro試験] 畜牛の眼球から摘出した角膜を用いて、角膜表面に(スチレン/アクリレーツ)コポリマーを処理した後、角膜の濁度ならびに透過性の変化量を定量的に測定したところ(BCOP法)、非刺激性として分類された
  • [動物試験] ウサギの眼に最小限の眼刺激性があると分類されました(試験詳細は不明)

と記載されています。

試験結果は眼刺激性なし~最小限の眼刺激が報告されているため、眼刺激性は刺激性なし~最小限の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
(スチレン/アクリレーツ)コポリマー

参考までに化粧品毒性判定事典によると、(スチレン/アクリレーツ)コポリマーは■(∗2)となっていますが、これは合成ポリマー共通の判定であり、安全データをみる限り、安全性に問題がないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

(スチレン/アクリレーツ)コポリマーはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Styrene and Vinyl-type Styrene Copolymers as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR673.pdf> 2018年2月21日アクセス.

スポンサーリンク

TOPへ