PETとは…成分効果と毒性を解説

光沢剤
PET
[化粧品成分表示名称]
・PET

ペットボトルの素材としても使われているポリエチレンテレフタレートです。

化粧品に使用する場合は細かい粉末状にしたものが使われ、主にメイクアップ化粧品にキラキラとした光沢感を与える目的で配合されます。

実際の配合状況は、海外の2012-2013年の調査報告を以下に掲載しておきます。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

PETの配合製品数と配合量の調査(2012-2013年)

調査結果をみると、ほぼ100%メイクアップ化粧品やネイル製品であることがわかります。

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PETの安全性(刺激性・アレルギー)について

PETの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性および眼刺激性はほとんどなく、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚毒性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Modified Terephthalate Polymers as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 20名および45名にPET縫合糸とナイロン縫合糸を使用した浸透性角膜形成手術を実施したところ、すべての合併症は機械的または技術的な問題であり、毒性学ではなかった
  • [ヒト試験] 14名の円錐角膜手術にPET縫合糸を使用し、それぞれの患者を22~48ヶ月にわたって観察したところ、血管新生、チーズワイヤリング、移植片拒絶はなく、毒性ではないと結論付けられた
  • [ヒト試験] 5例のPET製メッシュを使用した眼瞼下垂手術では、異物反応として特徴づけられる移植後1ヶ月から1年の期間に肉芽腫の形成が報告されたが、45ヶ月間合併症のない症例もあり、結節サイズの技術や配置が問題の理由であり、毒性ではないと結論づけた

と記載されています。

すべての症例報告で毒性はないと結論付けられているため、毒性はないと考えられます。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Modified Terephthalate Polymers as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 107人の被検者の背中に1.5%PETを含むアイライナー0.2gを週3回3週間にわたって適用し、2週間の無処置期間を経て未処置部位にチャレンジパッチを適用したところ、刺激の兆候はなかった
  • [ヒト試験] 30人の被検者に12%PETを含むアイシャドーを適用し、24,48および72時間後に観察したところ皮膚刺激に対して陰性だった
  • [ヒト試験] 30人の被検者に12%PETを含むアイシャドーを適用し、24,48および72時間後に観察したところアレルギー性過敏症に対して陰性だった
  • [ヒト試験] 20人の女性(非常に敏感な皮膚を有する8人、コンタクトレンズを着用している6人)に15%PETを含むリキッドアイライナーを4週間続けて適用し、終了時にパッチ試験を実施したところ、結膜、角膜、眼瞼に変化はなく、皮膚科学的検査では刺激は検出されなかった

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚刺激がないため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Modified Terephthalate Polymers as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 46.272%までのPETを含むアイシャドー、ゲル、アイライナー、マスカラを用いた7つの使用試験では、コンタクトレンズを着用を含む被検者において有害作用の報告はほとんどなかった
  • [ヒト試験] 4.2%PETを含むマスカラの使用試験において刺激性および感作性を有さないことが判明した

と記載されています。

共通して眼刺激性は起こっていないため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Modified Terephthalate Polymers as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 107人の被検者の背中に1.5%PETを含むアイライナー0.2gを週3回3週間にわたって適用し、2週間の無処置期間を経て未処置部位にチャレンジパッチを適用したところ、感作の兆候はなかった
  • [ヒト試験] 30人の被検者に12%PETを含むアイシャドーを適用し、24,48および72時間後に観察したところアレルギー性過敏症に対して陰性だった
  • [ヒト試験] 20人の女性(非常に敏感な皮膚を有する8人、コンタクトレンズを着用している6人を含む)に15%PETを含むリキッドアイライナーを4週間続けて適用し、終了時にパッチ試験を実施したところ、結膜、角膜、眼瞼に変化はなく、感作性の兆候も示さなかった
  • [ヒト試験] 20人の女性(非常に敏感な皮膚を有する6人、コンタクトレンズを着用している5人を含む)に15%PETを含むアイシャドーを4週間続けて適用し、終了の24,48および72時間後に24時間閉塞パッチ試験を実施したところ、結膜、角膜、眼瞼に変化はなく、感作性の兆候も示さなかった

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚感作性を示さなかったと結論付けられているため、アレルギー(皮膚感作)はほとんど起こらないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
PET

参考までに化粧品毒性判定事典によると、PETは■(∗2)となっており、やや毒性ありという判定になっていますが、これは合成ポリマーに共通した判定であり、安全性レポートやデータシートを参照する限りでは、毒性はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

PETはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Modified Terephthalate Polymers as Used in Cosmetics」,<http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581814537001> 2017年10月22日アクセス.

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