(エチレン/プロピレン)コポリマーとは…成分効果と毒性を解説



・(エチレン/プロピレン)コポリマー
ポリプロピレングリコールに酸化エチレンを付加重合した共重合体で、高分子の非イオン界面活性剤(合成ポリマー)です。
油に溶解させると油を硬くすることができる油系増粘剤で、化粧品に配合される場合は、油を塗りやすい硬さに調製するために主に口紅、リップグロスなどに使用されます。
実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2013-2015年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。
以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。
(エチレン/プロピレン)コポリマーの安全性(刺激性・アレルギー)について
以下は、この結論にいたった根拠です。
皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について
“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polyene Group as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、
- (エチレン/プロピレン)コポリマーは、現在の化粧品での配合濃度および使用状況において安全である
と記載されています。
詳細な試験データはみあたりませんが、現在の化粧品での配合濃度および使用状況において安全であると報告されているため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
詳細な試験データはみあたらないためデータ不足により詳細は不明です。
化粧品毒性判定事典による毒性判定について
化粧品成分名 | 判定 |
---|---|
(エチレン/プロピレン)コポリマー | ■ |
参考までに化粧品毒性判定事典によると、(エチレン/プロピレン)コポリマーは■(∗1)となっていますが、これは合成ポリマーの共通判定であり、安全データをみるかぎり、安全性に問題はないと考えられます。
∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。
∗∗∗
(エチレン/プロピレン)コポリマーはその他にカテゴライズされています。
成分一覧は以下からお読みください。
参考:その他
∗∗∗
文献一覧:
- “Cosmetic Ingredient Review”(2015)「Safety Assessment of Polyene Group as Used in Cosmetics」,<https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR687.pdf> 2018年5月30日アクセス.
スポンサーリンク