AMPとは…成分効果と毒性を解説

pH調整剤
AMP
[化粧品成分表示名称]
・AMP(改正名称)
・アミノメチルプロパノール(旧称)

[医薬部外品名]
・2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール

脂肪族アルコールの誘導体で特異なにおいのある液体またはクリーム状の中和剤(pH調整剤)です。

優れたアルカリ性と幅広いpH緩衝効果を有し、脂肪酸などと中和して乳化剤になるため、様々な乳化製品に使用されています。

実際に配合されている製品の種類や配合量は、海外の2007年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

AMPの配合製品数と配合量の調査(2007年)

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AMPの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

AMPの現時点での安全性は、ごくまれに最小限の刺激が起こる可能性はあるものの皮膚刺激性はほとんどなく、軽度の眼刺激性はありますが、アレルギー(皮膚感作)はほとんど起こらないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Amended Report on Safety Assessment on Aminomethyl Propanol and Aminomethyl Propanediol」(文献1:2009)によると、

  • [ヒト試験] 15名の被検者を用いて0.22%AMPを含む化粧用製剤の皮膚刺激能を単一閉塞パッチ試験で調査したところ、1名の被検者が不確かな反応を示し、その結果このグループの刺激スコアが0.3(最大8.0)になったが、無視できる一次皮膚刺激能であった
  • [動物試験] 6匹のウサギの無傷および擦過した皮膚に0.25%AMPを含むエタノールを単一閉塞パッチ適用し、パッチ除去24および72時間後に評価したところ、無傷および擦過した部位を問わずいずれのウサギも反応を示さなかったため、エタノール中の0.25%AMPは非刺激性であると結論付けられた
  • [動物試験] 9匹のウサギに0.22AMPを含む化粧品製剤を単一閉塞パッチ適用し、パッチ除去後2および24時間後に評価したところ、3匹のウサギは2時間後に紅斑を有し、これら3つのうち1つは24時間後でも紅斑が消失しなかった。別の1匹のウサギは24時間後の評価で紅斑を有していた。これらの結果から0.22%AMPを含む製剤は最小限の刺激を有するとの結論に至った

厚生労働省が運営している”職場のあんぜんサイト”の安全データシート(文献2:2009)によると、

  • [動物試験] ウサギの試験でsevere(DFGOT vol.9 (1998))の記載があり、回復性は不明だが、EUはR38に分類している

と記載されています。

試験結果では皮膚刺激性なし~最小限の刺激という結果のため、ごくまれに最小限の刺激が起こる可能性がありえますが、基本的に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

“職場のあんぜんサイト”の結果は重度の刺激性ですが、詳細が不明なことと100%濃度での安全性データのため、ここでは参考対象としては除外しました。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Amended Report on Safety Assessment on Aminomethyl Propanol and Aminomethyl Propanediol」(文献1:2009)によると、

  • [動物試験] 12匹のウサギの眼に0.25%AMPを含むヘアスプレーを約10cmの距離から1秒間スプレーし、スプレーの30秒後に6匹の眼をすすいで3日間観察したところ、眼をすすがなかった6匹のうち2匹は刺激の兆候を示した。1匹は1日目に軽度の虹彩炎および結膜炎を生じ、結膜炎は2日目まで続き3日目に消失した。もう1匹はわずかな角膜混濁、虹彩炎および結膜炎を有しており、角膜混濁は2日目で消失し、残りの刺激は3日目までに消失した。眼をすすいだ6匹中3匹は1日目にわずかな結膜炎を生じ、2日目までに消失した
  • [動物試験] 5匹のウサギの左眼に0.26%AMPを含む製剤を15cmの距離から噴射し、1および24時間ならびに3,4および7日後に観察したところ、観察1時間で5匹中2匹にわずかな結膜炎および角膜の不活性が生じたが24時間までに消失した。また別のウサギは1時間でわずかに結膜炎を生じたが、これも24時間以内に消失した。さらに別のウサギは結膜炎が24時間持続したが、3日目までに消失した。1匹のみ刺激反応がなかった。これらの結果から0.26%AMPを含むスプレーは眼をすすがない場合、最小限の刺激であった
  • [動物試験] 12匹のウサギの眼に0.59%AMPを含むヘアスプレー0.1mLを点眼し、6匹のウサギはすすぎを受けず、残りの6匹は点眼後30秒間のすすぎを受けた状態で3日間観察したところ、すすぎを受けていないウサギのうち1匹は1日目に角膜のほとんどに混濁を示し、発赤とケモーシスも生じた。2日目にはこのウサギの角膜の一部に明らかな半透明部位がみられたが3日目には正常に戻った。すすぎを受けなかった残りの5匹は眼球反応を示さなかった。すすぎを受けた6匹中1匹は中等のケモーシスと角膜に不透明領域が点在してみられたが、2日目までには消失した。これらの結果から0.59%AMPを含むヘアスプレーは試験条件下でウサギの眼に対して軽度の眼刺激性であると考えられた。また、すすぎは刺激の程度を減少させた

厚生労働省が運営している”職場のあんぜんサイト”の安全データシート(文献2:2009)によると、

  • [動物試験] ウサギの試験でcorrosion(DFGOT vol.9 (1998))の記載による

と記載されています。

試験結果では共通して最小限から軽度の眼刺激性ありと結論付けられているため、最小限~軽度の眼刺激性を起こすと考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Amended Report on Safety Assessment on Aminomethyl Propanol and Aminomethyl Propanediol」(文献1:2009)によると、

  • [ヒト試験] 97人の被検者において0.22%AMPを含むコンディショニングヘアムースのアレルギー性接触感作性について試験した。97人中84人は目的を妨げる皮膚状態または病歴を有していなかった。10種の製剤0.1mLを同時に試験するため、誘導期間として5つのパッチを同時に背中の片側に24時間週3回適用し、5週間目の最終誘導パッチの適用後に評価し、チャレンジパッチ除去24および48時間後にも評価したところ、13人の被検者は誘導期間に反応を示したが、これらの反応はすべてほとんど知覚できないと記録された。また、別の被検者はチャレンジ段階でほとんど知覚できない反応を示しました。これらの結果から0.22%AMPw含むコンディショニングヘアムースはアレルギー性接触感作性を有していないと結論づけられた
  • [ヒト試験] TIC Research, Incが3.8%AMPを含むヘアスタイルゲルを用いて50人の被検者に反復発作パッチ試験(RIPT)を実施した。誘導期間では被検者の背中に0.02mLを閉塞性Finn Chamberパッチを適用、48時間後に除去し試験部位を評価という手順を合計9回繰り返した。誘導期間の間に2人の被検者が最小から疑わしい反応を示した。最後のパッチ適用後に10~15日の休息期間を経て未処置部位に48時間チャレンジパッチを適用し、除去後48および72時間後に部位を評価したところ、3.8%AMPを含むヘアスタイルゲルに感作の兆候はなかった
  • [ヒト試験] AMA Laboratories, Incは108名の被検者に3.5%AMPを含む毛髪染料を評価する反復発作パッチ試験(RIPT)を実施した。試験材料を蒸留中で50%希釈し1.75%で最終濃度とした。誘導期間において被験物質0.2mLを含む半閉塞パッチを被検者の背中に24時間週3回を3週間にわたり合計9回適用し、10~14日の無処置期間を経て背中の未処置部位に24時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去24および48時間後に反応を評価したところ、反応は観察されず、試験材料は非一次刺激性剤および非感作剤であると結論付けられた
  • [ヒト試験] Harrison Research Laboratories, Incは1.5%AMPを含む毛髪染料を評価する反復発作パッチ試験(RIPT)を実施し、108人の評価を完了した。誘導段階では、被験物質0.2gを含むWebrilパッチを被検者の左背部に24時間閉塞して貼り付け、別のパッチは24時間の休息期間をおいて3週連続で合計9回適用された。2週間の無処置期間を経て24時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去後に評価し、さらに48,72および96時間後に再評価したところ、誘導期間の間に1人の被検者の2箇所のパッチ部位で1+の浮腫反応を示した。チャレンジ段階においてこの被検者は72時間で紅斑および浮腫を示し、96時間では紅斑および乾燥を示した。この被検者においては改めて試験材料の個別の成分で解放パッチ試験を実施したが、この過程で皮膚感作性は持続しなかった。また、別の被検者はチャレンジ段階の48~96時間の観察期間に最小の紅斑を有した
  • [ヒト試験] Harrison Research Laboratories, Incは7%AMPを含む染毛剤の無染色ベースで解放反復発作パッチ試験(RIPT)を実施し、99人の評価を完了した。誘導段階において試験物質0.2gを被検者の背部の左側に適用し空気を乾燥させ、24時間空気を乾燥したまま保つようにした。パッチは合計9回適用し、毎回適用後に評価した。2週間の無処置期間を経てチャレンジパッチを背中の右側の未処置部位に適用し空気を乾燥させ、再度空気を乾燥したまま保つようにした。チャレンジ適用24,48,72および96時間後で観察したところ、1人の被検者は9回目の誘導段階で最小の紅斑を示したが、この被検者はチャレンジ段階では反応を示さなかった。他のいずれの被検者も誘導期間およびチャレンジ期間で反応は観察されなかったた、え7%AMPを含む試験物質は皮膚感作物質ではないと結論づけられた
  • [ヒト試験] Consumer Product Test ing Coによって1.625%AMPを含むボディポリッシュを評価するために反復発作パッチ試験(RIPT)を実施し、105人が試験を完了した。試験材料は蒸留水を用いて1%希釈として調剤した。誘導期間に約0.2mLの調剤を被検者の肩甲骨に閉塞性パッチで24時間週3回合計9回適用し、2週間の無処置期間を経て未処置部位に24時間チャレンジパッチを適用した。パッチ除去24および72時間後で反応を評価したところ、AMPを含む試験物質は皮膚刺激およびアレルギー性接触感作の可能性を示さなかったと結論付けられた

厚生労働省が運営している”職場のあんぜんサイト”の安全データシート(文献2:2009)によると、

  • [動物試験] (DFGOT vol.9(1998))の記載によるとモルモットによるBuehlertestで陰性

と記載されています。

試験結果では共通して皮膚感作性なしと結論付けられているため、アレルギー(皮膚感作)はほとんど起こらないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
AMP

参考までに化粧品毒性判定事典によると、AMPは△(∗2)となっており、毒性はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

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AMPはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2009)「Final Amended Report on Safety Assessment on Aminomethyl Propanol and Aminomethyl Propanediol」,<http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581809350932> 2017年10月25日アクセス.
  2. “職場のあんぜんサイト”(2009)「安全データシート 2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール」,<http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/124-68-5.html> 2017年10月25日アクセス.

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