(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマーとは…成分効果と毒性を解説

皮膜形成
(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー
[化粧品成分表示名称]
・(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー

アジピン酸、ネオペンチルグリコールおよび無水トリメリト酸から合成される合成ポリマーです。

化粧品に配合される場合は、爪に均一なフィルムをつくる皮膜形成剤としてマニキュア、エナメル、ベースコートなどのネイル製品に幅広く使用されています。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2015-2016年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマーの配合製品数と配合量の調査結果(2015-2016年)

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(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマーの安全性(刺激性・アレルギー)について

(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマーの現時点での安全性は、皮膚刺激はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足により詳細不明なものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Trimellitic Anhydride Copolymers as Used in Cosmetics」(文献1:2016)によると、

  • [ヒト試験] 52人の被検者の背中に3.85%(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー溶液をパッチ適用し、パッチ除去後に試験部位の皮膚反応を評価したところ、皮膚刺激および皮膚感作性は示さなかった(Anonymous,2015)
  • [ヒト試験] 113人の被検者の背中に7.98%(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー溶液0.2mLを誘導期間において週3回3週間にわたって24時間半閉塞パッチ適用し、2週間の休息期間の後に未処置部位に24時間チャレンジパッチ適用したところ、誘導期間で何人かの被検者にほとんど知覚できない皮膚反応が観察されたが、皮膚刺激および皮膚感作ではないと結論づけられた(RCTS Inc,2011)
  • [ヒト試験] 213人の被検者の背中に10%(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー溶液を誘導期間において週3回3週間にわたって24時間半閉塞パッチ適用し、2週間の休息期間の後に未処置部位に24時間チャレンジパッチ適用したところ、皮膚刺激および皮膚感作ではないと結論づけられた(Clinical Research Laboratories Inc,2011)
  • [ヒト試験] 107人の被検者の背中上部に10.5%(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー溶液をパッチ適用し、パッチ除去後に試験部位の皮膚反応を評価したところ、皮膚刺激および皮膚感作性は示さなかった(Anonymous,2011)
  • [ヒト試験] 213人の被検者の背中に13.9%(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー溶液0.2mLを誘導期間において週3回3週間にわたって24時間半閉塞パッチ適用し、10~15日間の休息期間の後に未処置部位に24時間チャレンジパッチ適用したところ、皮膚刺激および皮膚感作ではないと結論づけられた(TKL Research, Inc,2011)
  • [ヒト試験] 108人の被検者の背中に15%(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー溶液0.2mLを誘導期間において週3回3週間にわたって24時間半閉塞パッチ適用し、10~15日間の休息期間の後に未処置部位に24時間チャレンジパッチ適用したところ、皮膚刺激および皮膚感作ではないと結論づけられた(Clinical Research Laboratories Inc,2006)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作(アレルギー)ほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験データがみあたらないためため、データ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマー

参考までに化粧品毒性判定事典によると、(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマーは■(∗1)となっていますが、これは合成ポリマーの共通判定であり、試験データをみるかぎり、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

(アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸)コポリマーはその他の成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2016)「Safety Assessment of Trimellitic Anhydride Copolymers as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR701.pdf> 2018年5月27日アクセス.

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