変性アルコールとは…成分効果と毒性を解説

溶剤
変性アルコール
[化粧品成分表示名称]
・変性アルコール

[医薬部外品名]
・変性アルコール

エタノールに政府所定の苦味成分やにおい成分などの変性剤を添加して飲用できないようにしたエタノールです。

化粧品の場合は、におい成分で刺激性のないゲラニオールが添加されることが多く、ゲラニオールが添加されるとローズ様の芳香をもつ揮発性の高い変性アルコールとなります。

エタノールに変性剤を添加する理由は、飲用アルコールではなく、工業用アルコールであることを明らかにして酒税を免れてコストを抑えるためです。

以前は、エタノールをそのまま使用すると醸造アルコールと同じ扱いになり、酒税がかかってコストが上がるという事情があったため、それに対応するためにつくられたのが変性アルコールで、エタノールを変性アルコールにするだけで価格は10分の1に抑えられたようです(文献2:2006)

ただし、2001年4月1日からアルコール事業法が施行され(文献3:2007)、許可を取得することで酒税が上乗せされないエタノールを購入できるようになったため、近年ではエタノールを使用することが増え、変性アルコールの使用は減少の一途をたどっています。

化粧品に配合される場合は、溶剤として香水、ネイル製品、メイクアップ化粧品に、エタノールの揮発性による乾燥促進目的でヘア製品に、清涼感目的で化粧水などに使用されます。

実際の配合製品数や配合量の範囲は、海外の2002-2003年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

変性アルコールの配合製品数と配合量の調査(2002-2003年)

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変性アルコールの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

変性アルコールの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、中等~重度の眼刺激性はありますが、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

ただし、炎症を有していたり、バリア機能が低下している場合は、まれに発赤、かゆみ、スティンギング反応などが起こることがあるため、それらの症状が生じた場合は皮膚が健常に戻るまで変性アルコール配合製品の使用はひかえることを推奨します。

また、ゲラニオールはごくまれに過敏反応を生じることがあり(文献4:1998)、エタノールはごくまれにアレルギー性接触皮膚炎として紅斑や蕁麻疹を引き起こすことがあるので、過敏反応を生じた場合は使用を控えて皮膚科またはアレルギー科に相談することを推奨します。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

ゲラニオールを変性剤として添加した試験データはみあたりませんが、ゲラニオールを添加した変性アルコールはエタノールとゲラニオールで構成されており、ゲラニオールは非毒性であり(文献4:1998)、エタノールは皮膚刺激物質および皮膚感作物質ではないと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、炎症を有していたり、バリア機能が低下している場合は、まれに発赤、かゆみ、スティンギング反応などが起こることがあるため、それらの症状が生じた場合は皮膚が健常に戻るまで変性アルコール配合製品の使用はひかえることを推奨します。

また、ゲラニオールはごくまれに過敏反応を生じることがあり(文献4:1998)、エタノールはごくまれにアレルギー性接触皮膚炎として紅斑や蕁麻疹を引き起こすことがあるので、過敏反応を生じた場合は使用を控えて皮膚科またはアレルギー科に相談することを推奨します。

眼刺激性について

エタノールの試験データをみるかぎり、中等から重度の眼刺激性が報告されているため、眼刺激性は中等~重度の眼刺激が起こると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
変性アルコール

参考までに化粧品毒性判定事典によると、変性アルコールは△(∗2)となっており、毒性に関してはほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

変性アルコールはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2008)「Final Report of the Safety Assessment of Alcohol Denat., Including SD Alcohol 3-A, SD Alcohol 30, SD Alcohol 39, SD Alcohol 39-B, SD Alcohol 39-C, SD Alcohol 40, SD Alcohol 40-B, and SD Alcohol 40-C, and the Denaturants, Quassin, Brucine Sulfate/Brucine, and Denatonium Benzoate」,<http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/10915810802032388> 2018年5月29日アクセス.
  2. “香水Biz忘備録”(2006)「変性アルコール、政治的に変性されたアルコール」,<http://www.azaban.com/editions/?eid=181> 2018年5月29日アクセス.
  3. “経済産業省”(2007)「アルコール使用法の手引き」,<http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/alcohol/data/4siyoutebiki.pdf> 2018年5月29日アクセス.
  4. ロバート・ティスランド, トニー・バラシュ(1998)「化学インデックス」精油の安全性ガイド,324

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