マルトデキストリンとは…成分効果と毒性を解説

賦形
マルトデキストリン
[化粧品成分表示名称]
・マルトデキストリン

デンプンの加水分解中間生成物として得られる、化学構造的にα-グルコースがグリコシド結合によって重合した分子構成になっている水溶性の多糖類(種子粘質物:植物系水溶性高分子)です。

デンプンの加水分解中間生成物の総称であるデキストリンの一種であり、デキストリンはDE(Dextrose Equivalent)と呼ばれるデンプンの加水分解率を示す指標により、

デキストリンの種類 DE値:デンプンの加水分解率 平均分子量 溶解性 粘度
粉あめ 20-40





マルトデキストリン 10-20
デキストリン 10以下

このように分類されており、DE値が100に近いほど加水分解の最終物であるグルコースの状態に近くなります(文献2:2018)

DEが低いということは、デンプンの加水分解が進んでいない(デンプンに近い)ということであり、平均分子量が大きく、溶解性が低く、また粘度が高いということであり、デキストリンは加水分解の程度によって特性が大きく異なるため、用途に合わせて最適なものが使用されます(文献2:2018)

一般的に、低DE(8-15)のものは粉末の醤油や味噌、調味料などのスプレー基剤として、高DE(15-20)のものは栄養剤(医薬用)や濃厚流動食などの炭水化物源として利用されています(文献3:2011)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、洗浄製品、洗顔料&洗顔石鹸、シート&マスク製品などあらゆる製品に使用されています(文献1:2015)

賦形

賦形(ふけい)とは、”形状を賦(あた)える”という意味であり、大きさや濃度を一定(均一)にするために用いられる成分です。

たとえば錠剤や丸剤は、製造過程で有効成分量にバラツキがあることも多いですが、そういった場合に濃度や大きさを一定にするために乳糖やデンプンなどの賦形剤を添加し、全体量を増して混和して均一の濃度・量・大きさにすることで有効成分量を均一にすることができます。

このような背景から植物エキスなどの有効成分をパウダー化し、全体量・濃度を均一にするために化粧品原料に配合されており、化粧品処方の際にそれらのパウダー系有効成分を配合する場合にマルトデキストリンも混入するため、化粧品成分一覧に表示されます。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2013-2015年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

マルトデキストリンの配合製品数と配合量の調査結果(2013-2015年)

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マルトデキストリンの安全性(刺激性・アレルギー)について

マルトデキストリンの現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] 103人の被検者に2.45%マルトデキストリンを含むアイゲル0.1gを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、誘導期間において5人の被検者に紅斑がみられ、チャレンジ期間において1人の被検者にパッチ除去48時間で軽度の紅斑が観察されたが、このアイゲルはアレルギー性接触皮膚炎を誘発しなかった(Thomas J.Stephens & Associates Inc,1997)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性や皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2015)によると、

  • [in vitro試験] 畜牛の眼球から摘出した角膜を用いて、角膜表面に2.45%マルトデキストリンを含むアイゲルを処理した後、角膜の濁度ならびに透過性の変化量を定量的に測定したところ(BCOP法)、非刺激性であると予測された(Thomas J.Stephens & Associates Inc,1996)
  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養角膜モデル(EpiOcular)を用いて、モデル角膜表面に2.45%マルトデキストリンを含むアイゲルを処理し、眼粘膜刺激性を評価したところ、眼刺激性は予測されなかった(Thomas J.Stephens & Associates Inc,1996)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性や皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

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マルトデキストリンはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Polysaccharide Gums as Used in Cosmetics」Final Report.
  2. 佐々木 朋子(2018)「多糖類としての難消化デキストリンの特徴」, <https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001658.html> 2019年5月29日アクセス.
  3. 大隈 一裕(2011)「澱粉の加工と食品利用」応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌(1)(1),34-38.

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