ポリ酢酸ビニルとは…成分効果と毒性を解説

皮膜形成剤
ポリ酢酸ビニル
[化粧品成分表示名称]
・ポリ酢酸ビニル

[慣用名]
・PVAc

酢酸ビニルの重合体で、熱可塑性樹脂(皮膜形成剤)です。

一般的には、木工ボンド、洗濯のりまたはチューインガムの基材としても使用されています。

化粧品に配合される場合は、毛髪の表面で乾くと柔らかいフィルム(皮膜)を形成するため、マスカラ、まつげ美容液、またまれにパックなどにも使用されます。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の1996-2011年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ポリ酢酸ビニルの配合製品数と配合量の比較調査結果(1996-2011年)

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ポリ酢酸ビニルの安全性(刺激性・アレルギー)について

ポリ酢酸ビニルの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足により詳細不明ですが、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Final Safety Assessment of Polyvinyl Acetate」(文献1:1996)によると、

  • [ヒト試験] 54人の女性被検者の無傷の前腕に50%ポリ酢酸ビニル水溶液0.05mLを24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去後に0~6のスケールで皮膚刺激をスコアリングしたところ、いずれの被検者も皮膚刺激反応を示さなかった(CTFA,1994a)
  • [ヒト試験] 159人の被検者(男性26人、女性133人、16~65歳)の背部に50%ポリ酢酸ビニル水溶液0.2mLを誘導期間において合計9回24時間(週末は48時間)パッチ適用し、最後の誘導パッチから2周間後に未処置部位にチャレンジパッチを適用し、適用24および72時間後に試験部位を評価したところ、13人の被検者は試験と無関係の理由で中止され、残りの146人の被検者はいずれも皮膚刺激およびアレルギー性接触感作は認められなかった(CTFA,1994b)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

詳細な試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ポリ酢酸ビニル

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ポリ酢酸ビニルは■(∗1)となっていますが、これは合成ポリマーの共通判定であり、試験データをみるかぎり、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ポリ酢酸ビニルはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1996)「Amended Final Safety Assessment of Polyvinyl Acetate」,<http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915819609043794> 2018年6月6日アクセス.

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