ポリメチルシルセスキオキサンとは…成分効果と毒性を解説

感触調整粉体 皮膜形成剤
ポリメチルシルセスキオキサン
[化粧品成分表示名称]
・ポリメチルシルセスキオキサン

[医薬部外品表示名称]
・メチルシロキサン網状重合体

メチルトリメトキシシランの重合体で、シリコーン系の白色球状粉体です。

潤滑性、サラサラ感を付与することができ、また高いソフトフォーカス効果もあるため、ファンデーション、チークをはじめアイシャドー、アイライナー、口紅などメイクアップ化粧品に広く使用されています。

ソフトフォーカス効果というのは、以下の図のように、

ソフトフォーカス効果

球状粉体で肌を均一にして、光を均一に反射することでシワや毛穴を目立たなくする効果のことです。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2016-2017年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ポリメチルシルセスキオキサンの配合製品数と配合量の調査結果(2016-2017年)

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ポリメチルシルセスキオキサンの安全性(刺激性・アレルギー)について

ポリメチルシルセスキオキサンの現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Polysilsesquioxanes as Used in Cosmetics」(文献1:2017)によると、

  • [ヒト試験] 50人の被検者に100%ポリメチルシルセスキオキサン0.2gを誘導期間において週3回3週間にわたって適用し、10~14日間の休息期間を設けた後にチャレンジパッチを適用し、各パッチ除去後に皮膚反応を評価したところ、誘導期間およびチャレンジ期間の両方において有害な皮膚反応は観察されなかった(Anonymous,2017)
  • [ヒト試験] 100人の被検者の背中に50%ポリメチルシルセスキオキサンを含むメイクアップ製品を週3回3週間にわたって閉塞パッチ適用し、次いで少なくとも2週間の無処置期間の後にチャレンジパッチを適用し、各パッチ除去後に皮膚反応を評価したところ、試験期間の間に紅斑または他の皮膚刺激の兆候はなく、また皮膚感作の兆候もなかった。50%ポリメチルシルセスキオキサンを含むメイクアップ製品は皮膚感作剤ではないと結論付けられた(EVIC Romania,2013)
  • [ヒト試験] 108人の被検者の背中に22%ポリメチルシルセスキオキサンを含むメイクアップ製品を週3回3週間にわたって24時間閉塞パッチ適用し、次いで12~14日間の無処置期間の後にチャレンジパッチを背中と上腕に適用し、チャレンジパッチ除去24および72時間後に皮膚反応を評価したところ、誘導パッチ除去後に2人の被検者でほとんど知覚できない紅斑が観察されたが、他に紅斑または他の皮膚刺激および皮膚感作の兆候はなかった。22%ポリメチルシルセスキオキサンを含むメイクアップ製品は非感作剤であると結論付けられた(Clinical Research Laboratories Inc,2012)
  • 東芝シリコーン株式会社の「ポリメチルシルセスキオキサン球状粉末の化粧品への応用」(文献2:1993)によると、

    • [ヒト試験] 健康な男女の上腕部内側の皮膚(人数不明)にポリメチルシルセスキオキサン(濃度不明)を適用し、パッチテスト用絆創膏で48時間固定し、絆創膏除去後に皮膚症状を観察したところ、皮膚刺激性は認められなかった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激性および皮膚感作性の誘発はなしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

東芝シリコーン株式会社の「ポリメチルシルセスキオキサン球状粉末の化粧品への応用」(文献2:1993)によると、

  • [動物試験] 2グループのウサギを用いて1群のウサギの左眼の結膜嚢にポリメチルシルセスキオキサンを含むオリーブ油を右眼には対照としてオリーブ油を適用し、5分後に生理食塩水で洗眼した後1,24,48,72および7日後にDraize法に従って眼を評価したところ、眼刺激は認められなかった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ポリメチルシルセスキオキサン

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ポリメチルシルセスキオキサンは■(∗1)となっていますが、これは合成ポリマーの共通判定であり、試験データをみるかぎり、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ポリメチルシルセスキオキサンはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

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文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2017)「Safety Assessment of Polysilsesquioxanes as Used in Cosmetics」,<https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR743.pdf> 2018年6月6日アクセス.
  2. 佐藤 吉幸, 木村 博, 斎藤 健司(1993)「ポリメチルシルセスキオキサン球状粉末の化粧品への応用」J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn.(27)(3),488-493.

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