イソプロパノールとは…成分効果と毒性を解説

溶剤
イソプロパノール
[化粧品成分表示名称]
・イソプロパノール

[医薬部外品名]
・イソプロパノール

エタノールに性質が類似した脂肪族アルコールで、様々な高分子化合物を溶かす性質に優れた溶媒成分です。

エタノールと同じ一価アルコール(∗1)で、30%~99%濃度で範囲で殺菌力があるため、エタノールの代わりに消毒用アルコールとして使用されることもあります(文献3:2016)

∗1 一価アルコールとは、いわゆる一般的なアルコールのことです。

やや強い特異なにおいがあり、エタノールほど化粧品には使用されていませんが、皮膜形成剤を溶かす性質に優れており、化粧品に配合される場合は、主にネイルエナメルに他の溶媒成分と組み合わせて使用されています。

また、メイクアップ用粉体の表面処理のために溶媒として使われることもあります。

実際の配合製品の種類や配合濃度範囲は、海外の2009年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

イソプロパノールの配合製品数と配合量の調査(2009年)

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イソプロパノールの安全性(刺激性・アレルギー)について

イソプロパノールの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、中等~重度の眼刺激性はありますが、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report of the Cosmetic Ingredient Review Expert Panel on the Safety Assessment of Methyl Acetate」(文献1:2012)によると、

  • [ヒト試験] 9人の被検者において80.74%イソプロパノールを含むスプレーは皮膚感作の可能性を示さなかった
  • [ヒト試験] 109人の被検者に2.85%イソプロパノールを含む毛髪染料は反復パッチ試験において皮膚感作性を示さなかった
  • [ヒト試験] ペラルゴン酸の刺激能を評価する試験においてイソプロパノールを溶剤として用いて、健常者(男性8人、女性4人、18~64歳)に適用したところ、陽性の試験結果は報告されなかった

厚生労働省が運営する”職場のあんぜんサイト”の安全データシート(文献2:2014)によると、

  • [動物試験] ウサギのLD 50=12, 870 mg/kg (EHC 103 (1990) , (PATTY(6th, 2012) , (SIDS (2002)) に基づき区分外とした。なお、文献の優先度変更により、今回の調査で入手したPATTY (6th, 2012)のデータを根拠データとした

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚刺激がなく、試験の溶剤にも使用されていることから、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

イソプロパノールは上述したようにエタノールと同じ一価アルコールなので、アルコールアレルギー(アルコールかぶれ)を有している場合は不安があるかもしれませんが、たとえば病院で注射をする前に部位を消毒するときに使用するアルコールで皮膚が反応してしまう方にはアルコールの代わりにイソプロパノールを用いるくらい代替消毒薬としても有名で、アルコールアレルギーの場合でも反応しない成分です。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report of the Cosmetic Ingredient Review Expert Panel on the Safety Assessment of Methyl Acetate」(文献1:2012)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて70%イソプロパノール溶液0.1mLを塗布した眼刺激試験に基づいて重度の眼刺激物質である

厚生労働省が運営する”職場のあんぜんサイト”の安全データシート(文献2:2014)によると、

  • [動物試験] EHC (1990)、SIDS (2002)、PATTY (6th, 2012)、ECETOC TR48 (1998) のウサギでの眼刺激性試験では、軽度から重度の刺激性の報告があるとの記述があるが、重篤な損傷性は記載されていないことから、区分2とした

と記載されています。

試験結果では共通して中等から重度の眼刺激性があるため、中等~重度の眼刺激性があると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
イソプロパノール

参考までに化粧品毒性判定事典によると、イソプロパノールは△(∗1)となっており、毒性に関してはほとんどないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

イソプロパノールはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2012)「Final Report of the Cosmetic Ingredient Review Expert Panel on the Safety Assessment of Methyl Acetate」,<http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581812444142> 2017年10月29日アクセス.
  2. “職場のあんぜんサイト”(2014)「安全データシート」,<http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/67-63-0.html> 2017年10月29日アクセス.
  3. 日光ケミカルズ(2016)「アルコール」パーソナルケアハンドブック,p46.

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