アラビアゴムとは…成分効果と毒性を解説

皮膜形成剤 感触改良剤
アラビアゴム
[化粧品成分表示名称]
・アラビアゴム

[医薬部外品表示名称]
・アラビアゴム

マメ科アカシア属のアラビアゴムノキまたはその同属種の幹から自然に滲出した凝固物もしくは切り傷をつけて滲出したものを精製して得られる水溶性のガム状物質です。

アラビアガムの成分組成は、

  • アラビン(∗1)(多糖類):80.0%
  • 水分:15.0%
  • 灰分:4%
  • 糖,樹脂,含窒素化合物,酸化酵素,加水分解酵素:~1%

∗1 アラビンは、アラビン酸のカルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩です。

となっており(文献2:1979)、分子量は20万~30万で高分子電解質の特性をもちます。

化粧品に配合される場合は、完全に乾くとフィルム状の皮膜を形成するので、お湯で落とせるマスカラの皮膜形成剤として使用されることが多いです。

また、ほかの成分の肌への付着性や感触を向上させるためにスキンケア化粧品に少量使用されることもあります。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2000-2001年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

アラビアゴムの配合製品数と配合量の調査結果(2000-2001年)

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アラビアゴムの安全性(刺激性・アレルギー)について

アラビアゴムの現時点での安全性は、皮膚刺激および眼刺激性はほとんどなく、一般に皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

試験データはみあたりませんが、食品および医薬品にも乳化安定剤として広く使用実績があり、化粧品では主にアイメイクアップ製品に使用されており、皮膚刺激の報告もないため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験データはみあたりませんが、食品および医薬品にも乳化安定剤として広く使用実績があり、化粧品では主にアイメイクアップ製品に使用されており、眼刺激性の報告もないため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report of the Safety Assessment of Acacia Catechu Gum, Acacia Concinna Fruit Extract, Acacia Dealbata Leaf Extract, Acacia Dealbata Leaf Wax, Acacia Decurrens Extract, Acacia Farnesiana Extract, Acacia Farnesiana Flower Wax, Acacia Farnesiana Gum, Acacia Senegal Extract, Acacia Senegal Gum, and Acacia Senegal Gum Extract」(文献1:2005)によると、

  • [ヒト試験] 25人の被検者(18~49歳)の上部外側腕、前腕手のひら側または背中に誘導期間において0.25%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)0.1mLを24時間閉塞パッチ適用した後に同じ部位に8%アラビアゴムを含むマスカラ0.1mLを48時間(週末は72時間)閉塞パッチ適用した。各パッチ除去の時点で刺激の兆候を観察し、皮膚刺激が観察されなかった場合は0.25%SLSを含む閉塞パッチを同じ部位に24時間閉塞適用し、次いで8%アラビアゴムを含む閉塞パッチの48時間適用を合計5回繰り返した。最後の誘導パッチの後10日間の休息期間をおいて前腕または背中の未処置部位に5%SLS0.1mLで処理した後に48時間閉塞チャレンジパッチを適用し、パッチ除去1および24時間後に反応を観察したところ、感作反応は観察されなかった。この試験条件下では8%アラビアゴムを含むマスカラは検出可能な接触感作能を有さず、したがって通常使用条件価で接触感作反応を引き起こす可能性は低いと結論付けられた(Ivy Laboratories,2000)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚感作反応なしと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

補足として、職業的に毎日アラビアゴム粉末を吸入および暴露する環境の場合に、吸入および暴露から1年から数年の期間を経て職業性アレルギー性の喘息・鼻炎・皮膚のかゆみなどを発症するケースが報告されていますが、(文献2:1979)、あくまで職業的に工場などで粉末を毎日吸入および暴露するケースであり、化粧品に含まれる配合量での一般使用条件下でアレルギーが起こる可能性は低いと考えられます。

ただし、アラビアゴムは0.3-0.5%の窒素を含有していますが、これは蛋白窒素であると考えられており(文献2:1979)、ごくまれにアラビアゴムで感作反応が起こることも可能性として想定されるため、アラビアゴムを含むマスカラなどを1年以上使用し、急に眼にかゆみを感じる場合は、皮膚科およびアレルギー科でアラビアゴムのパッチ試験をすることをおすすめします。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
アラビアゴム

参考までに化粧品毒性判定事典によると、アラビアゴムは△(∗2)となっており、試験データをみるかぎり、安全性に問題はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

アラビアゴムはその他の成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2005)「Final Report of the Safety Assessment of Acacia Catechu Gum, Acacia Concinna Fruit Extract, Acacia Dealbata Leaf Extract, Acacia Dealbata Leaf Wax, Acacia Decurrens Extract, Acacia Farnesiana Extract, Acacia Farnesiana Flower Wax, Acacia Farnesiana Gum, Acacia Senegal Extract, Acacia Senegal Gum, and Acacia Senegal Gum Extract」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/10915810500257170> 2018年5月26日アクセス.
  2. 猪熊 茂子, 宮本 昭正(1979)「アラビアゴムによる職業性アレルギー性喘息および鼻炎」アレルギー(28)(1),1-6.

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