アクリレーツコポリマーとは…成分効果と毒性を解説

皮膜形成剤 表面処理剤 ヘアスタイリング剤 粘着剤
アクリレーツコポリマー
[化粧品成分表示名称]
・アクリレーツコポリマー

[医薬部外品表示名称]
・アクリル酸アルキル共重合体液(2)、アクリル酸アルキル共重合体エマルション(1)、アクリル酸アルキル共重合体エマルション(2)

アクリル酸アルキル(C1-C4)、メタクリル酸アルキル(C1-C4)、アクリル酸またはメタクリル酸のうち2種以上で構成され、乾くと柔らかい膜になる水溶性の皮膜形成剤です。

化粧品に配合される場合は、主に皮膜形成や顔料分散(表面処理)目的でネイル製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品などに幅広く使用されます。

また、皮膜形成剤としてボディ洗浄製品、ヘアスタイリング剤としてヘアスプレー、まつげの粘着剤としてまつげケア製品にも配合されています。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

アクリレーツコポリマーの配合製品数の調査結果(1998年)

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アクリレーツコポリマーの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

アクリレーツコポリマーの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、軽度で一過性の眼刺激が起こる可能性があるものの、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(皮膚アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Acrylates Copolymer and 33 Related Cosmetic Ingredients」(文献1:2002)によると、

  • [ヒト試験] 47人の被検者の上背部に25%アクリレーツコポリマー水溶液0.2mLを誘導期間において週3回合計10回、24時間半閉塞パッチ適用し、パッチ除去24~48時間後にスコアリングした。14日間の無処置期間の後に背中の試験部位および未処置部位である前腕の手のひら側に24時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去直後および24時間後にスコアリングしたところ、誘導期間およびチャレンジ期間のいずれのも皮膚反応は観察されず、アクリレーツコポリマーは皮膚刺激剤でも皮膚感作剤でもなかった(Consumer Product Testing Co.,1996)
  • [ヒト試験] 49人の患者に30%固形アクリレーツコポリマー(pH7~7.4)、100%固形アクリレーツコポリマーの15%濃度アンモニア水、100%固形アクリレーツコポリマーの25%濃度アセトン溶液を24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去3,6,10および14日後に刺激性を評価した。1週間の無処置期間後にチャレンジパッチを適用し、パッチ除去から4日間スコアリングしたところ、30%固形アクリレーツコポリマーは刺激剤でも増感剤でもなく、100%固形を用いたアンモニア水とアセトン溶液は刺激は生じなかった。アセトン溶液はチャレンジ期間に反応を生じたが、おそらくアセトンによるものであると結論付けられた(BFGoodrich Specialty Chemicals,1997)

と記載されています。

試験結果では共通して皮膚刺激および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Acrylates Copolymer and 33 Related Cosmetic Ingredients」(文献1:2002)によると、

  • [動物試験] 4匹のウサギの片眼の結膜嚢にアクリレーツコポリマー0.1mLを点滴し、点滴1時間および1,2,3および7日目に目を検査したところ、1時間後ですべてのウサギに軽度から中等の結膜刺激が認められた。1時間での眼刺激スコアは最大110のうち8.0であった。すべての眼は2~3日以内に正常に回復した。この結果からアクリレーツコポリマーはウサギの眼に軽度の刺激があると結論づけられた(Bushy Run Research Center,1993)
  • [動物試験] 3匹のウサギの片眼の結膜嚢にアクリレーツコポリマー32mgを注入し、眼は洗浄せず、塗布1,24,48および72時間後に眼を検査したところ、24~72時間の平均眼刺激スコアは角膜混濁とケモーシスは0.0/4、虹彩は0.0/2、結膜発赤は0.1/3であり、アクリレーツコポリマーは眼刺激剤ではないと判断された(BASF,1994)
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼の結膜嚢にアクリレーツコポリマー0.1mLを点眼し、点眼1,24,48および72時間後に眼を評価したところ、すべてのウサギで結膜刺激が観察されたが、48時間以内にすべて消失した。角膜混濁や虹彩は観察されず、アクリレーツコポリマーは最小限の眼刺激性があると結論づけられた(MB Research Laboratories,1999)

と記載されています。

試験結果は眼刺激性なし~軽度の刺激まで報告されているため、眼刺激性は刺激性なし~軽度の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
アクリレーツコポリマー

参考までに化粧品毒性判定事典によると、アクリレーツコポリマーは■(∗2)となっていますが、これは合成ポリマー共通の判定であり、安全データをみる限り、安全性に問題がないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

アクリレーツコポリマーはその他にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:その他

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2002)「Final Report on the Safety Assessment of Acrylates Copolymer and 33 Related Cosmetic Ingredients」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/10915810290169800> 2018年2月19日アクセス.

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