アシタバ葉/茎エキスとは…成分効果と毒性を解説

保湿 血行促進
アシタバ葉/茎エキス
[化粧品成分表示名称]
・アシタバ葉/茎エキス

[医薬部外品表示名称]
・アシタバエキス

セリ科植物アシタバ(学名:Angelica keiskei)の葉および茎からエタノールBG、またはこれらの混液で抽出して得られる抽出物植物エキスです。

アシタバ(明日葉)は、伊豆諸島のひとつである八丈島原産といわれ、房総半島、三浦半島、伊豆半島、伊豆諸島、紀伊半島など日本の中南部の温暖な海岸地帯に自生しており、現在は主に八丈島や伊豆諸島などで栽培されています(文献1:2009;文献2:2011;文献3:2017)

アシタバ葉/茎エキスは天然成分であることから、地域、時期、抽出方法によって成分組成に差異があると推察されますが、その成分組成は主に、

分類 成分名称
無機質 カリウム、カルシウム など
ビタミン アスコルビン酸 など
フラボノイド カルコン キサントアンゲロール、4-ハイドロキシデリシン
フラボン シナロシド

これらの成分で構成されていることが報告されています(文献2:2009;文献2:2011;文献4:1987;文献5:2004)

アシタバの葉および茎の化粧品以外の主な用途としては、健康食品分野において青汁の主原料やアシタバ茶などに用いられ(文献3:2017)、食品分野において主に若葉がおひたしや天ぷらなどに用いられます(文献6:2017)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、シャンプー製品、トリートメント製品、メイクアップ化粧品、洗顔料、クレンジング製品、頭皮ケア製品などに使用されています。

皮表柔軟化による保湿作用

皮表柔軟化による保湿作用に関しては、まず前提知識として皮膚最外層である角質層の構造と役割について解説します。

直接外界に接する皮膚最外層である角質層は、以下の図のように

角質層の構造

天然保湿因子を含む角質と角質の間を細胞間脂質で満たした、レンガとモルタルの関係と同様の構造となっており、この構造が保持されることによって、外界からの物理的あるいは化学的影響から身体を守り、かつ体内の水分が体外へ過剰に蒸散していくのを防ぐとともに一定の水分を保持する役割を担っています(文献7:2002;文献8:2001)

一方で、老人性乾皮症やアトピー性皮膚炎においては、角質細胞中のアミノ酸などの天然保湿因子が顕著に低下していることが報告されています(文献9:1989;文献10:1991)

このような背景から、皮表を柔軟化することは肌の乾燥の改善ひいては皮膚の健常性の維持につながると考えられています。

1987年に永広堂によって報告されたアシタバ葉/茎エキスの肌荒れに対する影響検証によると、

肌荒れで悩む8人の女性被検者(15-24歳)に15%アシタバ葉/茎エキス配合クリームを1日2回(朝晩)15日にわたって顔面に塗布してもらった。

15日後に「有効:肌状態が改善した」「やや有効:肌状態がやや改善した」「無効:使用前と変化なし」の基準で評価したところ、以下の表のように、

試料 ヒト皮膚肌荒れ改善効果(人数)
有効 やや有効 無効
アシタバ葉/茎エキス配合クリーム 7 1 0

15%アシタバ葉/茎エキス配合クリームの塗布により、肌荒れの改善が示された。

このような試験結果が明らかにされており(文献4:1987)、アシタバ葉/茎エキスに皮表柔軟化による保湿作用が認められています。

ただし、試験データは15%濃度で実施されており、実際の製品における配合濃度においてはかなり穏やかな作用であると考えられます(ほかに実際の濃度に即したヒト使用試験データがみつかりしだい再編集します)

また、この肌荒れ改善作用に起因する主成分はフラボノイドの一種であるシナロシド(cynaroside)であると考えられています(文献4:1987)

血管拡張による血行促進作用

血管拡張による血行促進作用に関しては、アシタバ葉/茎エキスに含まれるカルコンであるキサントアンゲロール(xanthoangerol)には血管拡張作用が認められており(文献11:2001)、外用においても血行促進作用が明らかにされていることから(文献4:1987)、血管拡張による血行促進作用を有していると考えられます。

ただし、皮膚塗布による血行促進作用の試験データはみつかっていないため、みつかりしだい追補します。

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アシタバ葉/茎エキスの安全性(刺激性・アレルギー)について

アシタバ葉/茎エキスの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

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アシタバ葉/茎エキスは保湿成分、血行促進成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 血行促進成分

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文献一覧:

  1. 馬場 きみ江, 他(2009)「アシタバの成分と系統育成」分析化学(58)(12),999-1009.
  2. 鈴木 洋(2011)「明日葉(アシタバ)」カラー版健康食品・サプリメントの事典,6-7.
  3. 竹内 悠里, 他(2017)「東京都島しょ地域における特産作物の農薬登録」日本農薬学会誌(42)(1),168-171.
  4. 株式会社永広堂(1987)「化粧料」特開昭62-077307.
  5. 余田 英二(2004)「化粧料」特開2004-210759.
  6. 杉田 浩一, 他(2017)「あしたば」新版 日本食品大事典,19-20.
  7. 朝田 康夫(2002)「保湿能力と水分喪失の関係は」美容皮膚科学事典,103-104.
  8. 田村 健夫, 他(2001)「表皮」香粧品科学 理論と実際 第4版,30-33.
  9. I Horii, et al(1989)「Stratum corneum hydration and amino acid content in xerotic skin」British Journal of Dermatology(121)(5),587-592.
  10. M Watanabe, et al(1991)「Functional analyses of the superficial stratum corneum in atopic xerosis」Archives of Dermatology(127)(11),1689-1692.
  11. M. Matsuura, et al(2001)「Artery Relaxation by Chalcones Isolated from the Roots of Angelica keiskei」Planta Med(67)(3),230-235.

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