海水とは…成分効果と毒性を解説

保湿
海水
[化粧品成分表示名称]
・海水

海または塩湖から得られる水です。

海水の塩分濃度は測定位置によって異なりますが、成分構成は一定であり、一般的には、

構成成分 濃度(%)
96.6
塩分 3.4

このような構成・濃度(∗1)となっており(文献1:-)、塩分3.4%濃度の成分構成は、

∗1 海水の塩分濃度は測定位置によって異なっており、たとえば中東の塩湖である死海の塩分濃度は、一般的な海水の塩分濃度が約3%であるのに対し、30%程度の塩分濃度を有しますが、塩分の構成はほぼ同じです。

塩分構成成分 濃度(%)
塩化Na(塩化ナトリウム:塩) 77.9
塩化Mg(塩化マグネシウム) 9.6
硫酸Mg(硫酸マグネシウム) 6.1
硫酸Ca(硫酸カルシウム) 4.0
塩化K(塩化カリウム) 2.1
その他 微量

このような構成となっています(文献1:-)

また、海水に含まれている主要なイオンおよび化学物質およびその濃度は、

成分 化学式 濃度(%)
ナトリウムイオン Na⁺ 30.61
マグネシウムイオン Mg²⁺ 3.69
カルシウムイオン Ca²⁺ 1.16
カリウムイオン K⁺ 1.10
ストロンチウムイオン Sr²⁺ 0.03
塩化物イオン Cl⁻ 55.05
硫酸イオン SO₄²⁺ 7.68
臭化物イオン Br⁻ 0.19
炭酸水素イオン HCO³⁻ 0.41
フッ化物イオン F⁻ 0.003
ホウ酸 H₃BO₃ 0.07
その他   微量

このような構成となっており(文献2:1970)、このミネラル組成は血液や細胞間液などヒトの体液組成と類似していることが古くから知られています(文献4:1999)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的でスキンケア化粧品、クレンジング製品、シート&マスク製品、ボディ&ハンドケア製品、シャンプー製品、コンディショナー製品、アウトバストリートメント製品など様々な製品に使用されています。

また、海やミネラルをコンセプトにした製品に使用されています。

保湿作用

保湿作用に関しては、海水は塩化マグネシウムをはじめとするミネラル類が豊富に含まれており、海水中に溶解しイオン化したマグネシウムが角質層に吸収され保湿効果が高まることが複数報告されています(文献3:1999)

ただし、これらの報告の多くは塩分濃度の高い死海地方でのタラソテラピー(∗2)を通じての効果であり、化粧品においては一般に配合濃度が高くはないため、かなり穏やかな効果であると考えられます。

∗2 タラソテラピー(Thalassotherapy)とは1867年にフランスで確立された海水、海藻、海泥、海洋性気候を組み合わせた海洋療法であり、1980年代に日本にも導入されています(文献3:1999)。

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海水の安全性(刺激性・アレルギー)について

海水の現時点での安全性は、

  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

試験データはみあたりませんが、長時間および連日海水浴を行っても重大な皮膚刺激および皮膚感作を示さないこと、また古来より海水浴の歴史がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

古来から海水浴に利用される中で重大な眼刺激の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に眼刺激性はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

∗∗∗

海水は保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. たばこと塩の博物館(-)「世界の塩:世界の塩資源(海水の成分、世界の塩資源の分布)」, <https://www.jti.co.jp/Culture/museum/collection/salt/s4/index.html> 2020年1月24日アクセス.
  2. B. メイスン(1970)一般地球化学.
  3. 関 邦博, 他(1999)「死海の水のタラソテラピー効果」Fragrance Journal(27)(4),42-51.
  4. 中根 俊彦(1999)「タラソテラピーを起源とした海洋由来成分の開発動向と化粧品への活用」Fragrance Journal(27)(4),58-68.

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