海水とは…成分効果と毒性を解説


・海水
化粧品成分としての海水を考える上で知っておくべきなのがタラソテラピーの概念です。
タラソテラピーとは、ギリシャ語の”thalassa”(海)とフランス語の”therapie”(療法)を合わせた造語で、海洋療法と訳されており、海水に含まれる成分、温熱、圧力、浮力が人体にもたらす良い影響を利用する療法のことです。
タラソテラピーが盛んな場所としてフランスのブルターニュ地方、死海などが有名で、ブルターニュ地方の海岸付近では、メキシコ湾岸流のもたらす豊富なミネラル類や微量元素を豊富に含んだ海水を直接利用する療法があり、これらの海水や海由来の成分は化粧品としても利用され、浴用剤は有名です。
死海は海抜-400mという世界で最も低い土地にあり、ヨルダン川が流れ込む一方で、流れ出る川がなく、流れ込む水と蒸発する水との平衡により水位が一定に保たれています。
塩化物の濃度が32%以上(海水の約10倍)で、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、臭素、カルシウムなどのミネラルが豊富なだけでなく、死海のpHは5.17で人間の皮膚表面のpHに近いのも特徴です。
こういった特徴とタラソテラピーの概念を元に、日本でも死海の水や死海の塩などが化粧品成分として使用されています。
海水の安全性(刺激性・アレルギー)について
以下は、この結論にいたった根拠です。
皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について
試験結果や安全性データはみあたりませんが、海に長時間または数日連続で入っても皮膚刺激や皮膚感作(アレルギー)は起こらないため、皮膚刺激および皮膚感作(アレルギー)はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
試験結果や安全性データはみあたりませんが、海に長時間または数日連続で入っても眼刺激性は起こらないため、眼刺激性はないと考えられます。
化粧品毒性判定事典による毒性判定について
化粧品成分名 | 判定 |
---|---|
海水 | 毒性なし |
参考までに化粧品毒性判定事典によると、海水は毒性なし(∗1)となっており、毒性はありません。
∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。
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海水は保湿成分にカテゴライズされています。
成分一覧は以下からお読みください。
参考:保湿成分
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