海塩とは…成分効果と毒性を解説

保湿 スクラブ
海塩
[化粧品成分表示名称]
・海塩

[医薬部外品表示名称]
・海水乾燥物、海水乾燥物(2)

海水を乾燥させて得られる無機塩の混合物です。

海水には一般的に塩分が3.4%ほど含まれていますが(∗1)、塩分の成分構成は、

∗1 海水の塩分濃度は測定位置によって異なっており、たとえば中東の塩湖である死海の塩分濃度は、一般的な海水の塩分濃度が約3%であるのに対し、30%程度の塩分濃度を有しますが、塩分の構成はほぼ同じです。

塩分構成成分 濃度(%)
塩化Na(塩化ナトリウム:塩) 77.9
塩化Mg(塩化マグネシウム) 9.6
硫酸Mg(硫酸マグネシウム) 6.1
硫酸Ca(硫酸カルシウム) 4.0
塩化K(塩化カリウム) 2.1
その他 微量

このような構成となっており(文献1:-)、海塩の構成成分もこれらと同一であると考えられますが、原料によっては塩化Naを半分以下に低減したものなどもあります(文献3:2012)

また、海水のミネラル組成は血液や細胞間液などヒトの体液組成と類似していることが古くから知られています(文献2:1996)

1867年にフランスで海水、海藻、海泥、海洋性気候を組み合わせた海洋療法であるタラソテラピー(Thalassotherapy)が確立され、1980年代に日本にも導入された背景から(文献4:1999)、良質な塩の産地として有名なフランスのブルターニュ地方の海塩や、中東の塩分濃度が30%を超える塩湖である死海の塩など、タラソテラピーのコンセプトを汲んだ海塩が用いられる傾向にあります。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的でスキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、シート&マスク製品、シャンプー製品、コンディショナー製品、アウトバストリートメント製品、入浴剤、メイクアップ化粧品、ネイルケア製品など様々な製品に使用されています。

また、海、タラソテラピー、ミネラルをコンセプトにした製品に使用されています。

保湿作用

海水にはイオン化したミネラル類が豊富に含まれており、海水に含まれるイオン化したマグネシウムが角質層に吸収され保湿効果が高まることが複数報告されています(文献4:1999)

ただし、これらの報告の多くは塩分濃度の高い死海地方でのタラソテラピー(海洋療法)を通じての効果であることに留意する必要があります。

このような背景から、海水を乾燥させて得られる海塩も塩化マグネシウムをはじめとするミネラル類で構成されており、溶液中でイオン化したマグネシウムは海水と同様の保湿効果を有する可能性が考えられます(文献3:2012)

スクラブ

スクラブに関しては、海塩のミネラル組成は血液や細胞間液などヒトの体液組成と類似していることから人体との親和性が高く、また結晶も大きいことから、物理的に古い角質を除去するスクラブ剤として主にボディケア製品、洗顔料などに使用されています。

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海塩の安全性(刺激性・アレルギー)について

海塩の現時点での安全性は、

  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:化粧品配合範囲内においてほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

試験データはみあたりませんが、長時間および連日海水浴を行っても重大な皮膚刺激および皮膚感作を示さないこと、また20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

古来から海水浴に利用される中で重大な眼刺激の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に眼刺激性はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

∗∗∗

海塩は保湿成分、スクラブ剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 スクラブ剤

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文献一覧:

  1. たばこと塩の博物館(-)「世界の塩:世界の塩資源(海水の成分、世界の塩資源の分布)」, <https://www.jti.co.jp/Culture/museum/collection/salt/s4/index.html> 2020年1月24日アクセス.
  2. 志村 秀明(1996)タラソテラピー概論.
  3. 鈴木 一成(2012)「海水乾燥物」化粧品成分用語事典2012,202.
  4. 関 邦博, 他(1999)「死海の水のタラソテラピー効果」Fragrance Journal(27)(4),42-51.

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