天然保湿因子(NMF)とは…成分効果を解説

保湿成分 エモリエント成分 バリア機能
天然保湿因子(NMF)

天然保湿因子は、角質中に存在する水分保持力のある親水性の因子で別名NMF(Natural Moisturizing Factor)と呼ばれています。

どの部分なのか以下の肌図を参考にしてください。

天然保湿因子(NMF)

天然保湿因子というとわかるようでわからないと思いますが、保湿因子というのは保湿に関するいろいろな成分が組み合わさっている集合体ですが、それぞれの成分の割合を以下にグラフにしておきます。

NMF組成の平均的な内訳グラフ

より詳細な天然保湿因子の成分は、

  • アミノ酸:40%
  • ピロリドンカルボン酸:12%
  • 乳酸Na:12%
  • 尿素:7%
  • アンモニア、尿酸、グルコサミン、クレアチン:1.5%
  • ナトリウム:5%
  • カリウム:4%
  • カルシウム:1.5%
  • マグネシウム:1.5%
  • リン酸Na:0.5%
  • 塩化物:6%
  • クエン酸Na:0.5%
  • 糖、有機酸、ペプチド、未確認物質:8.5%

となっており(文献1:2016)、最も多いアミノ酸の組成は、

となっています(文献2:2013)

天然保湿因子は、表皮の重さの約20%に達していると言われています。

それゆえに、外的要因や内的要因で皮膚の水分量が低下してくるとき、天然保湿因子の水分量も低下していることが多いです。

また、歳を重ねてくると天然保湿因子の産生が低下してくることがわかっており、歳を重ねるほど乾燥肌の方が増えてくることがわかっていましたが、2010年に資生堂と相模女子大学、北里大学、東京医科大学の共同研究により、肌の表皮に多く発現しており、ブレオマイシンと呼ばれる化学物質を分解する酵素として知られていたBHが天然保湿因子を産生する酵素であることを発見しています。

この発見で、

  1. 加齢によってBHの活性が低くなる
  2. BHの活性が高いと天然保湿因子が多く、水分蒸発量が少なくバリア機能が良好である
  3. アトピー性皮膚炎の肌では、BHの発現が極めて低下している(ほとんど存在しない)
  4. 皮膚の炎症を誘導するサイトカインがBHの発現を抑えてしまう

ということが明らかになっています。

スキンケアとしては、自然な皮膚の保湿メカニズムをモデルとし角質層の水分力を高める目的で、アミノ酸を筆頭にピロリドンカルボン酸(PCA-Na)乳酸Naなどが保湿化粧品に配合されることが増えています。

天然保湿因子を含む角質の隙間は、セラミドを主とした細胞間脂質が占めているので、角質の保湿・保水を目的とする場合は天然保湿因子と細胞間脂質(セラミド)はセットで補うことで相乗効果が得られます。

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天然保湿因子の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

天然保湿因子は特定の成分ではなく、生体内の角層に存在している保湿成分の総称なので、皮膚刺激性および皮膚感作(アレルギー)もなく、安全な成分です。

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天然保湿因子は保湿成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 エモリエント成分

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文献一覧:

  1. 日光ケミカルズ株式会社(2016)「パーソナルケアハンドブック」日光ケミカルズ.
  2. 門脇基二・鳥居邦夫・高橋迪雄(2013)「アミノ酸の科学と最新応用技術」シーエムシー出版.

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