加水分解卵白とは…成分効果と毒性を解説

保湿
加水分解卵白
[化粧品成分表示名称]
・加水分解卵白

[医薬部外品表示名称]
・加水分解卵白

キジ科動物であるニワトリ(学名:Gallus gallus domesticus 英名:Chicken)の卵白を酵素で加水分解して得られる卵白ペプチドです。

分子量は、一例としてキューピーの開発した卵白ペプタイドEP-1では1,100付近に多量に分布します(文献1:2017)

アミノ酸組成は一例ですが、

必須アミノ酸 アミノ酸組成(mg/g 窒素)
窒素量は12.5%として計算
リシン 445
ヒスチジン 162
トレオニン 287
トリプトファン 93
システイン 174
メチオニン 232
バリン 466
イソロイシン 343
ロイシン 560
チロシン 276
フェニルアラニン 401

このように報告されており(文献1:2017)、メチオニンやシステインなどの含硫アミノ酸や、バリン、ロイシンおよびイソロイシンなどの分岐鎖アミノ酸(BCAA)を豊富に含んでいるのが特徴です。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディケア製品、洗顔料、洗浄製品、ヘアケア製品、シート&マスク製品など様々な製品に使用されます(文献1:2017;文献2:2003)

角質層水分量増加による保湿作用

角質層水分量増加による保湿作用に関しては、2003年に成和化成によって報告された技術情報によると、

10人の被検者(男性4人、女性6人)に、30%加水分解卵白(分子量500)を40%配合したクリームと、比較として30%加水分解コラーゲン(分子量500)を40%配合したクリームおよびどちらも配合していないクリームを各1gずつ手の甲に塗布してもらい、乾燥後の皮膚の潤いおよびなめらかさについて評価してもらった。

評価は、最も良いものを2点、2番目に良いものを1点、3番目を0点として評価してもらったところ、以下の表のように、

試料 潤い感 なめらかさ
加水分解卵白 1.5 1.7
加水分解コラーゲン 1.5 1.3
未配合 0.0 0.0

加水分解卵白を配合したクリームは、加水分解コラーゲンを配合した場合と皮膚の潤い感は同等であり、なめらかさに関しては評価がやや高く、加水分解コラーゲンと同等もしくはやや優れた効果を示した。

また試料を30%加水分解卵白(分子量1,000)を16.7%配合したクリームと、比較として30%加水分解コラーゲン(分子量1,000)を16.7%%配合したクリームおよびどちらも配合していないクリーム、つまり分子量を500から1,000に増やし、配合量を40%から16.7%に減らした場合で、同じ試験を実施したところ、以下の表のように、

試料 潤い感 なめらかさ
加水分解卵白 1.6 1.7
加水分解コラーゲン 1.4 1.3
未配合 0.0 0.0

加水分解卵白を配合したクリームは、加水分解コラーゲンを配合した場合と比較して、皮膚の潤い感およびなめらかさのいずれも評価がやや高く、加水分解コラーゲンと同等もしくはやや優れた効果を示した。

これらの結果から、加水分解卵白は加水分解コラーゲンと同等もしくはそれ以上の皮膚の潤い感やなめらかさ付与効果を有していることが明らかになった。

このような検証結果が明らかにされており(文献2:2003)、加水分解卵白に角質層水分量増加による保湿作用が認められています。

また加水分解卵白と多価アルコール(配合量0.1%-20%)を併用することで保湿作用が高まることも報告されています(文献2:2003)

スポンサーリンク

加水分解卵白の安全性(刺激性・アレルギー)について

加水分解卵白の現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

ただし、卵にアレルギーを有する場合は、アナフィラキシーまたは接触皮膚炎を惹起する可能性があるため、注意が必要です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

10年以上の使用実績があり、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

ただし、卵にアレルギーを有する場合は、アナフィラキシーまたは接触皮膚炎を惹起する可能性があるため、注意が必要です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

加水分解卵白は保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. キューピー株式会社(2017)「卵白ペプタイド EP-1」技術資料.
  2. 株式会社成和化成(2003)「皮膚化粧料」特開2003-238330.

スポンサーリンク

TOPへ