加水分解ヒアルロン酸とは…成分効果と毒性を解説

保湿成分
加水分解ヒアルロン酸
[化粧品成分表示名称]
・加水分解ヒアルロン酸

[医薬部外品表示名称]
・加水分解ヒアルロン酸

[慣用名]
・低分子ヒアルロン酸、浸透型ヒアルロン酸

ヒアルロン酸Naを加水分解によって分子量1万以下まで低分子化させたヒアルロン酸です。

ヒアルロン酸は生体内の様々な組織に存在し、水分保持において重要な役割を担っており、化粧品成分としてのヒアルロン酸Naは、分子量10万-200万の高分子であり、その特性により水を抱えたまま皮膚表面に滞留し、水分の蒸散を抑制する効果が明らかになっています。

一方で加水分解ヒアルロン酸は、分子量1万以下となっており、2006年にキューピーによって報告された加水分解ヒアルロン酸の経皮吸収性の検討によると、

剃毛したマウスに蒸留水と、分子量の異なる2種類のヒアルロン酸(分子量180万、分子量約1万)を100mg染み込ませたリント布を貼付した。

各試料ごとに貼付時間を1,3,5時間と振り分け、合計9群で試験した。

貼付終了後に試験部位をよく洗浄し、試験にはあらかじめ蛍光ラベル化したヒアルロン酸を用いていたため、皮膚中に残存している蛍光ラベル化ヒアルロン酸量を計測したところ、低分子ヒアルロン酸群の蛍光強度が有意に上昇していることが確認された。

また上昇した蛍光強度は、吸収されたヒアルロン酸によるものであることが確認された。

このような検証結果が明らかにされており(文献2:2006;文献3:2009)、加水分解ヒアルロン酸に角質層への経皮吸収性が認められています。

また2010年にマンダムによっても低分子ヒアルロン酸の角質層深部までの浸透性が認められています(文献3:2010)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、洗浄製品など様々な製品に使用されます(文献2:2016)

角質層水分量増加および水分量保持による保湿作用

角質層水分量増加および水分量保持による保湿作用に関しては、2009年にキューピーによって公開された技術情報によると、

15人の被検者(25-50歳)の前腕部に、1%加水分解ヒアルロン酸(平均分子量6,000)水溶液、1%ヒアルロン酸Na(分子量140万)水溶液または蒸留水1mL染み込ませたガーゼを、48時間貼付した後、ガーゼを除去し試験部位の皮膚水分量を測定した。

水分量の測定は、貼付直前、貼付終了直後、貼付終了1日経過時、貼付終了4日経過時に被検者5人の平均の数値としてそれぞれ行ったところ、以下の表のように、

試料 角質層水分量(μS)
貼付直前 貼付終了直後 終了1日経過時 終了4日経過時
加水分解ヒアルロン酸 7 54 38 15
ヒアルロン酸 10 6 11 10
蒸留水 5 8 4 6

1%加水分解ヒアルロン酸は、1%ヒアルロン酸または蒸留水を貼付した場合と比較して、皮膚水分量を多くかつ持続的に保持できることが確認された。

このような検証結果が明らかにされており(文献3:2009)、加水分解ヒアルロン酸に角質層水分量増加および水分量保持による保湿作用が認められています。

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加水分解ヒアルロン酸の安全性(刺激性・アレルギー)について

加水分解ヒアルロン酸の現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:30%濃度以下においてほとんどなし
  • 眼刺激性:10%濃度以下においてほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

キューピーの安全性試験データ(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] 剪毛したウサギの皮膚に100%加水分解ヒアルロン酸粉末を適用した一次皮膚刺激性試験によると、軽度刺激物であった
  • [動物試験] 剪毛したウサギの皮膚に30%加水分解ヒアルロン酸溶液を適用した連続皮膚刺激性試験によると、皮膚刺激性なし
  • [ヒト試験] 1%加水分解ヒアルロン酸溶液を適用したヒトパッチ試験によると、皮膚刺激性および異常なし

と記載されています。

試験データをみるかぎり、30%濃度以下において共通して皮膚刺激性なしと報告されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

キューピーの安全性試験データ(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギの結膜嚢に10%加水分解ヒアルロン酸溶液を適用したところ、刺激性なし

と記載されています。

試験データをみるかぎり、10%濃度までは眼刺激性なしと報告されているため、10%濃度以下において眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

キューピーの安全性試験データ(文献1:2016)によると、

  • 皮膚感作性試験の結果、陰性であった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

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加水分解ヒアルロン酸は、保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分

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文献一覧:

  1. キューピー株式会社(2016)「ヒアロオリゴ」技術資料.
  2. 吉田 拓史, 他(2006)「低分子ヒアルロン酸の経皮吸収性の検討」日本薬学会 第126年会 要旨集(3),35.
  3. キューピー株式会社(2009)「新規な低分子ヒアルロン酸および/またはその塩、ならびにこれを用いた化粧料、医薬組成物および食品組成物」WO2007099830.
  4. “株式会社マンダム”(2010)「低分子ヒアルロン酸の荒れ肌への改善効果を発見」, <https://www.mandom.co.jp/release/2010/src/2010053101.pdf> 2019年1月15日アクセス.

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