ワサビノキ種子油(モリンガオイル)とは…成分効果と毒性を解説

保湿成分 エモリエント成分 抗シワ成分 抗老化成分
ワサビノキ種子油(モリンガオイル)
[化粧品成分表示名称]
・ワサビノキ種子油

[慣用名]
・モリンガオイル

ワサビノキ科植物ワサビノキ(モリンガ)の種子から得られる淡黄色~黄色の透明な液体油脂です。

一般的にはモリンガオイルとして有名です。

北インドやパキスタン原産で、アフリカやマダガスカル島、アラビア半島、東南アジア、南アメリカなど熱帯・亜熱帯地域に生育するワサビノキ属ワサビノキ科の樹木です。

モリンガは治療薬として古代ギリシャ時代から利用されてきており、またインド伝承医学であるアーユルヴェーダでもメディカルハーブとして記されています。

数年で3~10mに育つ熱帯早生樹で、種子油意外にも花はフラワーティーや香水の原料に、鞘は茹でて食べたりピクルスにして保存食として活用し、油を搾った搾りかすは水の浄化や飼料に利用され、樹皮はロープや絨毯の原料になり、根はカレーの香辛料に使われるなどすべてに利用価値があります。

ワサビノキ種子油の脂肪酸組成は、

  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):73.5%
  • ベヘン酸(飽和脂肪酸類):6.4%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):6.2%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):5.6%
  • アラキジン酸(飽和脂肪酸類):3.7%
  • エイコセン酸(不飽和脂肪酸類):2.4%
  • パルミトレイン酸(不飽和脂肪酸類):1.2%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):0.7%
  • エルカ酸(不飽和脂肪酸類):0.2%

となっており、ヨウ素価65となっています。

主成分はオレイン酸で、ベヘン酸を高濃度含んでいるのが特徴的で、ほかにもビタミンA、ビタミンC、βカロテンなどのビタミン類やカルシウム、カリウム、鉄などのミネラル類が豊富に含まれています。

オレイン酸を豊富に含むため抗酸化力の高さと浸透力の高さから肌になじみやすく、乾燥から肌を保護し、水分を保持する保湿エモリエント効果があります。

そして、モリンガオイルとしては抗酸化力を活かしてシワ対策のエイジングケアクリームなどに配合されることが増えています。

また、ベヘン酸が髪や頭皮を滑らかにすることから頭皮を守る頭髪化粧品などに配合されることもあります。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ワサビノキ種子油の配合製品数と配合量の調査結果(2010年)

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ワサビノキ種子油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ワサビノキ種子油の現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足により詳細不明ですが、アレルギー(皮膚感作)もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 214人の日に0.01%ワサビノキ種子油を含むクレンジングオイルの10%水溶液0.2mLを反復適用(HRIPT)したところ、誘導期間において3人の被検者に疑わしい皮膚反応、1人の被検者に明瞭な紅斑が7回目のパッチテストで観察されたが、未処置部位で再試験したところ、皮膚反応は観察されなかった。これらの試験結果からワサビノキ種子油は皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではないと結論づけられた(TKL Research,2010)

と記載されています。

試験結果はひとつで根拠として弱いですが、現時点では皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

眼刺激性に関しては、試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ワサビノキ種子油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ワサビノキ種子油は毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ワサビノキ種子油は保湿成分、エモリエント成分、抗シワ(抗老化)成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 エモリエント成分 抗シワ(抗老化)成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2011)「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR577.pdf> 2017年12月20日アクセス.

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