レンゲソウエキスとは…成分効果と毒性を解説

保湿 抗アレルギー 抗老化 抗糖化
レンゲソウエキス
[化粧品成分表示名称]
・レンゲソウエキス

[医薬部外品表示名称]
・レンゲソウエキス

マメ科植物レンゲソウ(学名:Astragalus sinicus 英名:Chinese milk vetch)の全草および種子からエタノール、またはこれらの混液で抽出して得られる抽出物植物エキスです。

レンゲソウ(蓮華草)は、中国を原産とし、日本においてはかなり古い時代に中国から渡来したと伝えられており、日本各地で野生化するほか緑肥用に稲刈り前の水田の水を抜いて栽培されていたものが「ゲンゲ畑」と呼ばれ春の風物詩となっていましたが、1960年頃から化学肥料の発達と普及や田植えの早期化などを背景に縮小しています(文献1:1991)

レンゲソウエキスは天然成分であることから、地域、時期、抽出方法によって成分組成に差異があると推察されますが、その成分組成は主に、

部位 分類 成分名称
種子 糖類 多糖 ガラクトマンナン
全草 アミノ酸 アミノ酸(詳細不明)

これらの成分で構成されていることが報告されています(文献2:1980;文献3:1989)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的でスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、洗顔料、クレンジング製品、ボディケア製品などに使用されています。

角質水分量増加による保湿作用

角質水分量増加による保湿作用に関しては、まず前提知識として皮膚最外層である角質層の構造と役割について解説します。

直接外界に接する皮膚最外層である角質層は、以下の図のように、

角質層の構造

天然保湿因子を含む角質と角質の間を細胞間脂質で満たした、レンガとモルタルの関係と同様の構造となっており、この構造が保持されることによって、外界からの物理的あるいは化学的影響から身体を守り、かつ体内の水分が体外へ過剰に蒸散していくのを防ぐとともに一定の水分を保持する役割を担っています(文献4:2002;文献5:1990)

一方で、老人性乾皮症やアトピー性皮膚炎においては、角質細胞中のアミノ酸などの天然保湿因子が顕著に低下していることが報告されていることから(文献6:1989;文献7:1991)、角質層の水分量を増加することは、肌の乾燥の改善、ひいては皮膚の健常性の維持につながると考えられています。

1989年に永広堂によって報告されたレンゲソウエキスのヒト肌荒れ皮膚に対する影響検証によると、

肌荒れを有する10人の女性被検者(18-30歳)に5%レンゲソウエキス配合クリームを1日2回2週間にわたって肌荒れ部位に塗布してもらい、経過を肉眼観察し「改善」「やや改善」「不変」の3段階で評価したところ、以下の表のように、

試料 5日後 15日後
改善 やや改善 不変 改善 やや改善 不変
レンゲソウエキス配合クリーム 0 9 1 10 0 0

5%レンゲソウエキス配合クリーム塗布により有意に肌荒れ改善効果を示した。

このような試験結果が明らかにされており(文献3:1989)、レンゲソウエキスに角質水分量増加による保湿作用が認められています。

レンゲソウエキスの保湿作用は、全草部位に含有されている各種アミノ酸に起因していると考えられます。

ヒスタミン遊離抑制およびヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用

ヒスタミン遊離抑制およびヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用に関しては、まず前提知識として皮膚におけるアレルギーの種類およびⅠ型アレルギー性皮膚炎のメカニズムについて解説します。

皮膚におけるアレルギー反応は、

種類 名称 抗体 抗原 皮膚反応 考えられる主な疾患
Ⅰ型 即時型
アナフィラキシー型
IgE 化粧品、薬剤、洗剤、ダニ、カビ、ハウスダスト、金属、花粉、ほか 15-20分で最大の発赤と膨疹 アナフィラキシーショック、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、結膜炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、ほか
Ⅳ型 遅延型
細胞性免疫
感作T細胞 細菌、真菌、自己抗原 24-72時間で最大の紅斑と硬結 アレルギー性接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ほか

主にこの2種類に分類されています(∗1)(文献8:2010;文献9:1968;文献10:1999)

∗1 アレルギーの分類としてはⅠ型-Ⅳ型まで4種類が存在し、Ⅰ型-Ⅲ型までの3種類が即時型に分類されていますが、皮膚に関連するものはⅠ型とⅣ型であることから、ここではⅠ型とⅣ型のみで構成しています。

Ⅰ型アレルギーは、即時型アレルギーまたはアナフィラキシー型とも呼ばれ、皮膚反応としては15-20分で最大に達する発赤・膨疹を特徴とする即時型皮膚反応を示しますが、このⅠ型アレルギー性炎症反応が起こるメカニズムは、以下のアレルギー性皮膚炎のメカニズム図をみてもらうとわかるように、

Ⅰ型アレルギー性皮膚炎のメカニズム

まず、アレルギーを起こす原因物質(抗原)が皮膚や粘膜から体内に侵入すると、抗原提示細胞(ランゲルハンス細胞や真皮樹状細胞)がその抗原の一部を自らの細胞表面に提示し、次にヘルパーT細胞の一種であるTh2細胞が抗原提示細胞の提示した抗原情報を認識し、抗原と結合して抗炎症性サイトカインの一種であるIL-4(Interleukin-4)を分泌します(文献10:1999)

次に、Th2細胞から分泌されたIL-4によりB細胞が刺激を受けIgE抗体を産生し、このIgE抗体が肥満細胞の表面にある受容体に結合することによりIgE抗体と抗原が反応し、肥満細胞に貯蔵されていたケミカルメディエーターであるヒスタミンが放出(脱顆粒)され、同時に細胞膜からはアラキドン酸が遊離し、ケミカルメディエーターであるロイコトリエンやプロスタグランジンに代謝されます(文献10:1999)

そして、放出されたヒスタミンはヒアルロニダーゼを活性化し、アラキドン酸から代謝されたロイコトリエンやプロスタグランジンとともに血管透過性を亢進させて浮腫を起こし、好酸球など炎症細胞の遊走を誘導し、炎症を引き起こします(文献10:1999;文献11:2009)

このような背景から、アレルギー性皮膚炎や肌荒れなどバリア機能が低下している場合に、ヒアルロニダーゼの活性を阻害することは、アレルギー性炎症の抑制において重要なアプローチのひとつであると考えられています。

2003年に一丸ファルコスによって報告されたレンゲソウエキスのヒアルロニダーゼおよびヒト湿疹・肌荒れ皮膚に対する影響検証によると、

in vitro試験において固形分濃度0.5%植物抽出液それぞれ0.1mLに、20分おきにヒアルロニダーゼ溶液0.05mL、ヒスタミン放出促進剤であるcompound48/80溶液、ヒアルロン酸溶液0.25mLを加えて処理した後にヒアルロニダーゼ活性阻害率を算出したところ、以下のグラフのように、

各植物抽出物のヒアルロニダーゼ活性阻害効果

0.5%レンゲソウエキスは、ヒアルロニダーゼ活性を有意に阻害することが確認された。

次に、湿疹・かゆみ・肌荒れで悩む10人の被検者(30-50歳)の顔面に5%レンゲソウエキスを含む乳液を1日2回(朝晩)洗顔後に3ヶ月にわたって塗布してもらい、対照としてレンゲソウエキス未配合乳液を同様に用いた。

評価方法として「有効:湿疹・かゆみ・肌荒れが改善された」「やや有効:湿疹・かゆみ・肌荒れがやや改善された」「無効:使用前と変化なし」の基準で行い、3ヶ月後に被検者に評価してもらったところ、以下の表のように、

試料 湿疹・肌荒れ改善効果(人数)
有効 やや有効 無効
レンゲソウエキス配合乳液 5 5 0
乳液のみ(対照) 0 1 9

5%レンゲソウエキス配合乳液は、未配合乳液と比較して有意に湿疹・肌荒れを改善することを確認した。

このような試験結果が明らかにされており(文献12:2003)、レンゲソウエキスにヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用が認められています。

コラゲナーゼ活性阻害による抗老化作用

コラゲナーゼ活性阻害による抗老化作用に関しては、まず前提知識として真皮の構造、役割および真皮に存在するタンパク質分解酵素であるコラゲナーゼについて解説します。

真皮については、以下の真皮構造図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

真皮の構造

表皮を下から支える真皮を構成する成分としては、細胞成分と線維性組織を形成する間質成分(細胞外マトリックス)に二分されますが、主成分である間質成分は大部分がコラーゲンからなる膠原線維とエラスチンからなる弾性繊維、およびこれらの間を埋める基質で占められており、細胞はその間に散在しています(文献13:2002;文献14:2018)

間質成分の大部分を占めるコラーゲンは、膠質状の太い繊維であり、その繊維内に水分を保持しながら皮膚の張りを支えています(文献13:2002)

このコラーゲンは、Ⅰ型コラーゲン(80-85%)とⅢ型コラーゲン(10-15%)が一定の割合で会合(∗2)することによって構成されており(文献15:1987)、Ⅰ型コラーゲンは皮膚や骨に最も豊富に存在し、強靭性や弾力をもたせたり、組織の構造を支える働きが、Ⅲ型コラーゲンは細い繊維からなり、しなやかさや柔軟性をもたらす働きがあります(文献16:2013)

∗2 会合とは、同種の分子またはイオンが比較的弱い力で数個結合し、一つの分子またはイオンのようにふるまうことをいいます。

エラスチン(elastin)を主な構成成分とする弾性繊維は、皮膚の弾力性をつくりだす繊維であり、コラーゲンとコラーゲンの間に絡み合うように存在し、コラーゲン同士をバネのように支えて皮膚の弾力性を保持しています(文献13:2002)

基質は、主に糖タンパク質(glycoprotein)プロテオグリカン(proteoglycan)およびグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan)で構成されたゲル状物質であり、これらの分子が水分を保持し、コラーゲンやエラスチンと結合して繊維を安定化させることにより、皮膚は柔軟性を獲得しています(文献13:2002;文献14:2018)

プロテオグリカンは、軸タンパクにグリコサミノグリカンが多数結合した分子量10万-100万以上の巨大な分子であり、グリコサミノグリカンは酸性ムコ多糖類であるヒアルロン酸コンドロイチン硫酸を主成分とし、ヒアルロン酸は水分保持に関与し、コンドロイチン硫酸は繊維の支持や他の基質の保持に働いています(文献14:2018)

細胞成分として線維芽細胞(fibroblast)は、真皮に分散しており、コラーゲン繊維や弾性繊維、ムコ多糖を産生する細胞であることから、必要に応じて線維芽細胞が活発に働きこれらの物質が順調につくられていることが、皮膚の張りや弾力を維持する上で重要です(文献13:2002)

真皮の働きを要約すると、

  • コラーゲン繊維が水分を保持しながら皮膚の張りを支持
  • エラスチンを主とした弾性繊維がコラーゲン同士をバネのように支えて皮膚の弾力性を保持
  • 基質(ゲル状物質)が水分を保持し、コラーゲン繊維と弾性繊維を安定化

それぞれがこのように働くことで、皮膚は張りや柔軟性・弾性を獲得しています。

一方で、紫外線を浴びる時間や頻度に比例して、間質成分であるコラーゲン、エラスチン、ムコ多糖類への影響が大きくなり、シワの形成促進、色素沈着の増加など老化現象が徐々に進行することが知られています(文献17:2002)

コラーゲンにおいては、UVA曝露によりコラーゲン合成能の減少(文献18:1993)やコラーゲンを特異的に分解する酵素であるコラゲナーゼの産生が促進されることが報告されており(文献19:1993)、このような長期紫外線暴露後の細胞外マトリックス成分の産生・分解系バランスの崩れが光老化の原因であると考えられています(文献20:1998)

このような背景から、紫外線曝露によって線維芽細胞から産生されるコラーゲン分解酵素であるコラゲナーゼの活性を阻害することは、紫外線曝露による光老化の抑制に重要であると考えられます。

2003年に一丸ファルコスによって報告されたレンゲソウエキスのコラゲナーゼおよびヒト皮膚への影響検証によると、

in vitro試験において、合成基質0.5mg/mLにコラゲナーゼ0.1mg/mLおよび固形分濃度0.5%に調製した各植物抽出液を添加し、反応および処理後にコラゲナーゼ阻害率を算出したところ、以下の表のように、

試料 コラゲナーゼ活性阻害率(%)
レンゲソウエキス 15.0

レンゲソウエキスはコラゲナーゼ活性を有意に阻害する作用を有することが確認された。

次に、60人の女性被検者(25-50歳)を30人1グループとし、1つのグループには5%レンゲソウエキス配合乳液を1日2回(朝晩)3ヶ月にわたって顔面に塗布してもらい、残りの1つのグループには対照としてレンゲソウエキス未配合乳液を同様に塗布してもらった。

3ヶ月後に「有効:肌のハリ・ツヤが増し、シワ・タルミが目立たなくなった」「やや有効:肌のハリ・ツヤがやや増し、シワ・タルミがやや目立たなくなった」「無効:使用前と変化なし」の基準で評価したところ、以下の表のように、

試料 肌のハリ・ツヤ改善効果(人数)
有効 やや有効 無効
レンゲソウエキス配合乳液 4 24 2
乳液のみ(対照) 0 3 27
試料 肌のシワ・タルミ改善効果(人数)
有効 やや有効 無効
レンゲソウエキス配合乳液 1 23 6
乳液のみ(対照) 0 2 28

5%レンゲソウエキス配合乳液は、有意に肌にハリ・ツヤを与え、また肌のシワ・タルミを目立たなくすることが確認された。

このような試験結果が明らかにされており(文献21:2003)、レンゲソウエキスにコラゲナーゼ活性阻害による抗老化作用が認められています。

ただし、ヒト使用試験においては2003年時点では有効なシワの評価方法が確立されていなかった中での効果確認であるため、その点は留意する必要があります。

AGEs分解による抗糖化作用

AGEs分解による抗糖化作用に関しては、まず前提知識として皮膚における糖化ストレスとAGEsについて解説します。

糖化ストレスとは、還元糖やアルデヒドによる生体ストレスとその後の反応を総合的に捉えた概念であり(文献22:2011)、糖化ストレスの一種である糖化(glycation)はアミノ酸と還元糖の非酵素的な化学反応のことをいいます。

以下の糖化反応のメカニズム図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

糖化反応のメカニズム図

皮膚における糖化反応とは、血糖であるグルコースやフルクトースなどの還元糖と真皮タンパク質であるコラーゲンやエラスチンが非酵素的に結合して糖化タンパクを形成し、シッフ塩基の形成やアマドリ転移などの非可逆的な反応を経てAGEs(advanced glycation end products:糖化最終生成物)にいたる反応のことをいいます(文献22:2011;文献23:2018)

形成されたAGEsは、加齢とともに非生理的架橋(∗3)を形成しながら蓄積されていくため、

∗3 架橋とは、主に高分子において分子間に橋を架けたような結合をつくることで物理的、化学的性質を変化させる反応のことです。

  • コラーゲン硬化による皮膚弾力性低下によるシワの形成
  • エラスチン硬化による皮膚のたるみ化
  • メラニン産生促進によるシミの形成や皮膚透明度の低下
  • AGEsの受容体であるRAGE(receptor for AGEs)と結合し炎症を惹起

これらの糖化ストレス障害を引き起こすことが知られています(文献22:2011;文献23:2018;文献24:2019)

このような背景から、蓄積されたAGEsの架橋形成を切断しAGEsを分解することは、皮膚の老化や色素沈着の抑制に非常に重要であると考えられます。

2011年にポーラ化成工業によって報告されたレンゲソウエキスのAGEsおよびヒト皮膚への影響検証によると、

レンゲソウエキスにAGEsの架橋構造分解効果を見出した後、in vitro試験においてレンゲソウエキスのドーズ(dose)にグルコースと牛血清アルブミンを12週間以上培養し各処理を実施したAGEsを加え、グルコース-牛血清アルブミンAGEs分解能を測定したところ、以下の表のように、

レンゲソウエキスの濃度(%) AGEs分解率(%)
10⁻⁵(0.00001) 21.2
10⁻⁴(0.0001) 24.5
10⁻³(0.001) 26.1

レンゲソウエキスは、0.00001%濃度でも有意なAGEsの分解効果を示し、またその効果は濃度依存的であることがわかった。

次に、皮膚老化現象に悩む20人の被検者のうち10人に1%レンゲソウエキス配合化粧水を、別の10人に対照としてレンゲソウエキス未配合化粧水をそれぞれ1日2回(朝晩)1ヶ月にわたって使用してもらった。

評価方法として「スコア5:非常に満足」「スコア4:満足」「スコア3:可もなく不可もなく」「スコア2:不満」「スコア1:非常に不満」の基準で1ヶ月後に被検者に評価してもらったたところ、以下の表のように、

試料 皮膚老化改善効果(人数)
スコア5 スコア4 スコア3 スコア2 スコア1
レンゲソウエキス配合化粧水 4 3 3 0 0
化粧水のみ(対照) 1 3 5 1 0

1%レンゲソウエキス配合化粧水は、皮膚老化現象に対する改善効果を有することが確認された。

このような試験結果が明らかにされており(文献25:2011)、レンゲソウエキスにAGEs分解による抗糖化作用が認められています。

AGEsは通常は分解し難いものとして知られていますが、AGEs中に存在するα-ジケトン構造のケトン間のC-C結合を切断することにより分解できることが明らかにされており(文献26:1996)、ヨモギエキスのAGEs分解作用は、このα-ジケトン構造のケトン間のC-C結合切断によるものであることが報告されています(文献25:2011)

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レンゲソウエキスの安全性(刺激性・アレルギー)について

レンゲソウエキスの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚一次刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚累積刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

一丸ファルコスの安全性試験データ(文献16:2003;文献21:2003)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの剃毛した背部に固形分濃度0.5%レンゲソウエキス水溶液を塗布し、塗布24,48および72時間後に紅斑および浮腫を指標として一次刺激性を評価したところ、いずれのウサギも紅斑および浮腫を認めず、この試験物質は皮膚一次刺激性に関して問題がないものと判断された
  • [動物試験] 3匹のモルモットの剪毛した背部に固形分濃度1%レンゲソウエキス溶液0.03mLを塗布し、塗布24,48および72時間後に紅斑および浮腫を指標として一次刺激性を評価したところ、いずれのモルモットも紅斑および浮腫を認めず、この試験物質は皮膚一次刺激性に関して問題がないものと判断された
  • [動物試験] 3匹のモルモットの剃毛した背部に固形分濃度0.5%レンゲソウエキス水溶液0.5mLを1日1回週5回、2週にわたって塗布し、各塗布日および最終塗布日の翌日に紅斑および浮腫を指標として皮膚刺激性を評価したところ、いずれのモルモットも2週間にわたって紅斑および浮腫を認めず、この試験物質は皮膚累積刺激性に関して問題がないものと判断された
  • [動物試験] 3匹のモルモットの剪毛した背部に固形分濃度1%レンゲソウエキス溶液0.5mLを1日1回週5回、2週にわたって塗布し、各塗布日および最終塗布日の翌日に紅斑および浮腫を指標として皮膚刺激性を評価したところ、いずれのモルモットも2週間にわたって紅斑および浮腫を認めず、この試験物質は皮膚累積刺激性に関して問題がないものと判断された

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

∗∗∗

レンゲソウエキスは保湿成分、抗アレルギー成分、抗老化・抗糖化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 抗アレルギー成分 抗老化・抗糖化成分

∗∗∗

文献一覧:

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  3. 株式会社永広堂(1989)「化粧料」特開平01-117814.
  4. 朝田 康夫(2002)「保湿能力と水分喪失の関係は」美容皮膚科学事典,103-104.
  5. 田村 健夫, 他(1990)「表皮」香粧品科学 理論と実際 第4版,30-33.
  6. I Horii, et al(1989)「Stratum corneum hydration and amino acid content in xerotic skin」British Journal of Dermatology(121)(5),587-592.
  7. M Watanabe, et al(1991)「Functional analyses of the superficial stratum corneum in atopic xerosis」Archives of Dermatology(127)(11),1689-1692.
  8. 厚生労働省(2010)「アレルギー総論」リウマチ・アレルギー相談員養成研修会テキスト5-14.
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  11. 椛島 健治(2009)「皮膚のスーパー免疫」美容皮膚科学 改定2版,46-51.
  12. 一丸ファルコス株式会社(2003)「ヒアルロニダーゼ活性阻害剤及び化粧料組成物」特開2003-342184.
  13. 朝田 康夫(2002)「真皮のしくみと働き」美容皮膚科学事典,28-33.
  14. 清水宏(2018)「真皮」あたらしい皮膚科学 第3版,13-20.
  15. D.R. Keene, et al(1987)「Type Ⅲ collagen can be present on banded collagen fibrils regardless of fibril diameter」Journal of Cell Biology(105)(5),2393–2402.
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