リンゴ果実エキスとは…成分効果と毒性を解説

保湿成分
リンゴ果実エキス
[化粧品成分表示名称]
・リンゴ果実エキス

[医薬部外品表示名称]
・リンゴエキス

バラ科植物リンゴ(学名:Malus pumila)の果実をPG(プロピレングリコール)またはBG(1,3-ブチレングリコール)で抽出精製したエキスです。

リンゴ果実エキスの成分組成は、天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

などで構成されています(文献2:2016)

化粧品に配合される場合は、保湿作用、おだやかな収れん作用による柔軟で潤いのあるキメの整った肌を維持する目的でスキンケア化粧品に使用されます(文献2:2016)

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2015-2016年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

リンゴ果実エキスの配合製品数と配合量の調査結果(2015-2016年)

複合植物エキスとしてのリンゴ果実エキス

フルーツリンクルプロテクトエッセンスという複合植物エキスは、以下の成分で構成されており、

効果および配合目的は、

  1. ターンオーバー促進(表皮角化細胞増殖促進)
  2. ターンオーバー促進(CE(Cornified Envelope)強化因子産生促進)
  3. 色素沈着抑制(メラノサイト活性化因子mRNA発現抑制)
  4. 抗菌力向上(ヒトβディフェンシン3(h-BD3)mRNA発現促進)

とされており、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)を促進し、古くよどんだ皮膚を排出、そしてメラニン産生を予防することで新しい皮膚の明るさを維持し、抗菌力を高めてニキビのできにくい皮膚にすることで、総合的に健やかな皮膚に生まれ変わらせるもので、化粧品成分一覧にこれらの成分が併用されている場合はフルーツリンクルプロテクトエッセンスであると推測することができます。

アクアスピードという複合植物エキスは、以下の成分で構成されており、

  • スイカ果実エキス
  • リンゴ果実エキス
  • ヒラマメ果実エキス

効果および配合目的は、

  1. 持続する保湿効果
  2. 即時的な小ジワ改善効果

とされており、角層の水分量を保持し続けることで、乾燥による小ジワを即時的に目立たなくする即効性保湿剤で、化粧品成分一覧にこれらの成分が併用されている場合はアクアスピードであると推測することができます。

スポンサーリンク

リンゴ果実エキスの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

リンゴ果実エキスの現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Apple-derived Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2016)によると、

  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養表皮モデル(EpiDerm)を用いて、角層表面に20%リンゴ果実エキスを含む製品を処理したところ、非刺激性に分類された(Active Concepts,2015a)
  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養表皮モデル(EpiDerm)を用いて、角層表面に20%リンゴ果実エキスを含む製品を処理したところ、非刺激性に分類された(Active Concepts,2015b)
  • [動物試験] 3匹のウサギの皮膚に20%リンゴ果実エキス水溶液を4時間単回適用し、OECD404テストガイドラインに従って評価したところ、わずかな皮膚刺激性に分類された(Anonymous,2015a)
  • [動物試験] ウサギ(数は不明)の皮膚を用いて20%リンゴ果実エキス水溶液のMaximization皮膚感作試験を行い、OECD406テストガイドラインに従って評価したところ、陽性反応は観察されなかった。ただし、皮膚刺激は誘発しないもののわずかな皮膚感作を誘発する可能性があると結論付けられた(Anonymous,2015b)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、多くの試験で皮膚刺激および皮膚感作性なしと報告されているため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Apple-derived Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2016)によると、

  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養角膜モデル(EpiOcular)を用いて、モデル角膜表面に20%リンゴ果実エキスを含む製品を処理したところ、非刺激性に分類された(Active Concepts,2015c)
  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養角膜モデル(EpiOcular)を用いて、モデル角膜表面に20%リンゴ果実エキスを含む製品を処理したところ、非刺激性に分類された(Active Concepts,2015d)
  • [in vitro試験] ウサギの角膜繊維細胞を使用して10%リンゴ果実エキス水溶液を処理したところ、細胞死は15%であり、したがって細胞障害性は無視できると判断した(Anonymous,2015c)
  • [動物試験] 3匹のウサギの片眼に20%リンゴ果実エキス水溶液0.1mLを点眼し、眼はすすがず、眼刺激性を評価したところ、試験物質は眼に対してわずかに刺激性があった(Anonymous,2015d)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、多くの試験で眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
リンゴ果実エキス 掲載なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、リンゴ果実エキスは掲載なしとなっていますが、安全データをみるかぎり、安全性に問題はないと考えられます。

∗∗∗

リンゴ果実エキスは保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2016)「Safety Assessment of Apple-derived Ingredients as Used in Cosmetics」,<https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR697.pdf> 2018年7月8日アクセス.
  2. 日光ケミカルズ(2016)「植物・海藻エキス」パーソナルケアハンドブック,p386.

スポンサーリンク

TOPへ