メチルグルセス類(POEメチルグルコシド)とは…成分効果と毒性を解説

保湿成分 増粘剤
メチルグルセス類(POEメチルグルコシド)
[化粧品成分表示名称]
・メチルグルセス-10、メチルグルセス-20

[医薬部外品表示名称]
・ポリオキシエチレンメチルグルコシド

[慣用名]
・POEメチルグルコシド

トウモロコシ由来のグルコース(ブドウ糖)に水溶性高分子のポリエチレングリコールを結合させて改質した、ほとんど無臭の無色~淡黄色の保湿剤です。

多価アルコールの粘性液体で、エステルや植物油への乳化力が高く、構造的に天然保湿因子と類似しているため肌へのエモリエント効果や保湿効果があります。

名前にPOEが入っていたり、数字で終わっているので水溶性合成ポリマー(非イオン界面活性剤)と思われるかもしれませんが、保湿剤となっています。

メチルグルセス類は、別名POEメチルグルコシド(ポリオキシエチレンメチルグルコシド)とも呼ばれており、種類としては、

  • メチルグルセス-10
  • メチルグルセス-20

の2種類があり、数字が小さいほど油になじみ、数字が大きくなるほど水になじむため、両者の違いは、

  • メチルグルセス-10:バランス型(水にも油にもほどよくなじみ、皮膜感はない)
  • メチルグルセス-20:ややさっぱり型(やや水になじみやすく、少し皮膜感がある)

となっており、それぞれ、

  • メチルグルセス-10:化粧水、美容液、乳液、シートマスク、洗顔フォーム、クレンジング、日焼け止め
  • メチルグルセス-20:化粧水、美容液、シートマスク

などに配合されます。

実際にどのような製品にどれくらい配合されているのかというと、海外の2013年の調査結果では以下のように報告されています。

メチルグルセス-10の配合状況調査結果(2013年)

メチルグルセス-20の配合状況調査結果(2013年)

海外では、メチルグルセス-20の配合製品数が多いですが、国内ではメチルグルセス-10のほうが配合製品数が多いです。

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メチルグルセス類の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

メチルグルセス類(メチルグルセス-10、メチルグルセス-20)の現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、アレルギー(皮膚感作)の兆候や報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Methyl Glucose Polyethers and Esters as Used in Cosmetics」(文献1:2016)によると、

  • [ヒト試験] ヒト皮膚刺激性試験および感作性試験ではメチルグルセス-10の20%水溶液を10人に、40%水溶液を12人に、60%水溶液を10人に、80%水溶液を10人に、100%原液を11人の合計53人に24時間閉塞パッチ(0.1mL/c㎡)下で3週間にわたり合計4回適用したところ、いずれの濃度の被検者においても4回目の適用段階で目に見える皮膚刺激がなかったので、残りの期間およびチャレンジ段階では100%メチルグルセス-10原液を適用した。2週間の無処置期間を経て新しい試験部位に24時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去24,48および72時間後に反応を評価したところ、目に見える皮膚刺激や皮膚感作の痕跡はなかった
  • [ヒト試験] ヒト皮膚刺激性試験および感作性試験ではメチルグルセス-20の20%水溶液を10人に、40%水溶液を12人に、60%水溶液を12人に、80%水溶液を13人に、100%原液を9人の合計56人にパッチ(0.1mL/c㎡)適用したところ、皮膚刺激や感作の兆候はなく、いずれの被検者においても目に見える皮膚反応はなかったと結論付けられた

と記載されています。

試験結果ではメチルグルセス10、メチルグルセス-20の両方とも100%原液でも皮膚刺激や皮膚感作の兆候がなかったため、皮膚刺激性やアレルギー(皮膚感作)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

眼刺激性については試験結果がみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
メチルグルセス-10
メチルグルセス-20

参考までに化粧品毒性判定事典によると、メチルグルセス類は■(∗2)となっており、これは合成ポリマーだと捉えられているためですが、試験結果をみてもわかるように毒性はほとんどないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

メチルグルセス類は保湿成分とエモリエント成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2016)「Safety Assessment of Methyl Glucose Polyethers and Esters as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581816670322> 2017年10月25日アクセス.

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