ベタイン(トリメチルグリシン)とは…成分効果と毒性を解説

保湿成分 ベース成分
ベタイン(トリメチルグリシン)
[化粧品成分表示名称]
・ベタイン

[医薬部外品表示名称]
・トリメチルグリシン

サトウダイコン(ビート)や綿実など多くの植物中に存在し、植物から抽出される無色無臭の天然アミノ酸系保湿成分です。

グリシンのトリメチル化誘導体なのでトリメチルグリシンとも呼ばれます。

化粧品での効果は、皮膚への浸透性に優れており(∗1)、柔軟性と弾力性が高いので、しっとり感を向上させたり、皮膚をなめらかにしたり、べたつきを抑える目的で保湿効果の高い化粧水や乳液やクリームに配合されることが多いです。

∗1 とくに乾燥時の水分保持力に優れています。

また、洗顔クリームや洗顔フォームなど洗顔を目的とした化粧品に配合される場合、洗浄時になめらか感を与え、洗顔後の肌のつっぱり感を防ぐために配合されます。

実際にどのような製品にどれくらい配合されているかというと、海外の2013年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ベタインの配合状況調査結果(2013年)

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ベタインの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ベタインの現時点での安全性は、皮膚刺激、眼刺激およびアレルギー性(皮膚感作)はほとんどなく、安全性のかなり高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 石鹸の刺激を低減するベタインの有効性試験を健康な被検者28人および21人に実施したところ、10%濃度までのベタインを含む石鹸はベタインを含まない石鹸よりも刺激が少ないが、配合量が多ければ多いほど刺激が少なくなるわけではないことが判明した
  • [ヒト試験] 26人の被検者に5%ベタインを含む製剤を24時間閉塞パッチ下で適用したところ、刺激性は観察されなかった。またいくつかの製剤で抗刺戟性が観察された
  • [ヒト試験] 40人の被検者(男性20人、女性20人)に95%純度のベタイン3.5%を含む2%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を4週間にわたって肘の内側に適用し、4週間後および試験部位洗浄の6時間後にTEWl(経表皮水分蒸散量)を測定したところ、試験の終了時に刺激の兆候が観察され、紅斑、剥離、粗さ、掻痒および丘疹の症状について評価した。評価の結果、ベタインはラウリル硫酸ナトリウムによる刺激効果を軽減することが判明し、抗刺激性を有していると考えられた

旭ファインケム株式会社の安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギに10%ベタイン水溶液を適用し、Draize法に基づいて試験したところ、無刺激であった

と記載されています。

試験結果では共通して皮膚刺激性がないと結論付けられており、また複数の試験で抗刺戟性の特性が観察されていることから、皮膚刺激性はなく、また刺激物質の刺激性を軽減する作用があると考えられます。

眼刺激性について

旭ファインケム株式会社の安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] ウサギの眼に50%ベタイン水溶液を滴下し、Draize法に基づいて評価したところ、眼刺激性はなく無刺激物であった

と記載されています。

試験結果はひとつですが、無刺激物と結論付けられているため、眼刺激性はないと考えられます。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 102人の被検者の背中または上腕に8.7%ベタインを含む保湿化粧水0.2mLを半閉塞で反復パッチ試験(HRIPT)したところ、皮膚感作性はなかった
  • [ヒト試験] 51人の被検者の背中に5%ベタインを含む試験物質0.2mLを閉塞パッチ適用したところ、皮膚刺激性およびアレルギー性接触皮膚炎の兆候はなかった

旭ファインケム株式会社の安全データシート(文献2:2016)によると、

  • [動物試験] マウスにベタイン(濃度不明)を適用し、LLNA法に基づいて評価したところ、陰性であった
  • [動物試験] モルモットにベタイン(濃度不明)を適用し、Maximization法に基づいて評価したところ、陰性であった

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚感作性なしと結論付けられているため、アレルギー(皮膚感作)はほとんど起こらないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ベタイン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ベタインは毒性なし(∗3)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ベタインはベース成分、保湿成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics」, <http://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR650.pdf> 2017年10月25日アクセス.
  2. 旭ファインケム株式会社(2016)「安全データシート」, <http://www.asahikasei-fc.jp/product/amino/aminocoat/index.html> 2017年10月25日アクセス.

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