プロリンとは…成分効果と毒性を解説

保湿成分 抗老化成分
プロリン
[化粧品成分表示名称]
・プロリン

[医薬部外品表示名称]
・L-プロリン

皮膚の角質層に存在する天然保湿因子(NMF)の主成分であるアミノ酸の一種の白色の結晶、または結晶性の粉末です。

無臭~わずかに特異なにおいがあり、味はわずかに甘く、多くのタンパク質に含まれていますが、ゼラチンに約15%と最も多く含まれています。

エタノールに溶けやすいという点で他のアミノ酸とは異なります。

生体内ではグルタミン酸から生合成されますが、プロリンオキシダーゼという酵素によってピロリドンカルボン酸になります。

ピロリドンカルボン酸は角質層の水分保持能がある天然保湿因子(NMF)の約12%を構成する成分です。

NMF組成の平均的な内訳グラフ

また、以下の図のようにコラーゲンを構成している3つの螺旋状アミノ酸(グリシン-プロリン-ヒドロキシプロリン)のひとつでもあり、

コラーゲンの構造

プロリンにプロリン水酸化酵素が作用することによってヒドロキシプロリンになることが明らかになっています。

コラーゲンは、最初は(グリシン-プロリン-プロリン)という構造で、コラーゲンを成長させるにはプロリンをヒドロキシプロリンにするためにプロリン水酸化酵素を活発に働かせる必要があるのですが、プロリン水酸化酵素を活発に働かせるためにはビタミンCが必要になります。

そのため、プロリンとビタミンC誘導体を一緒に配合することはヒドロキシプロリンの産生力を高めてコラーゲンを成長させるという点で効果的です。

化粧品に配合される場合は、プロリン単体でみた場合、ヒドロキシプロリン同様にコラーゲン産生促進作用と皮膚細胞増殖作用がありますが、分子量が小さいため他のアミノ酸に比べて皮膚浸透率が高くなります。

保湿目的の場合は、他のアミノ酸などと複合的に配合することで相乗効果になるので、複数のアミノ酸として配合されることも多いです。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

プロリンの配合製品数と配合量の調査結果(2012年)

スポンサーリンク

プロリンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

プロリンの現時点での安全性は、ヒトの角質層にあるアミノ酸の一種であり、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作性(アレルギー性)もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of a-Amino Acids as Used in Cosmetics」(文献1:2013)によると、

  • [ヒト試験] 112人の被検者に0.1%グリシンを含むアイクリームを閉塞パッチで繰り返し適用(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作性はなかった

と記載されています。

ヒト試験結果はひとつのみですが、生体内に存在するアミノ酸であり、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないため、皮膚刺激および皮膚感作(アレルギー)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of a-Amino Acids as Used in Cosmetics」(文献1:2013)によると、

  • [ヒト試験] 29人の被検者に0.1%プロリンを含むアイクリームを眼領域に4週間適用したところ、眼刺激性はなかった

と記載されています。

試験結果はひとつですが、ヒト試験で眼刺激性がないと結論付けられているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
プロリン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、プロリンは毒性なし(∗2)となっています。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

プロリンは保湿成分と抗老化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 抗老化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2013)「Safety Assessment of a-Amino Acids as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581813507090> 2017年11月11日アクセス.

スポンサーリンク

TOPへ