パセリエキスとは…成分効果と毒性を解説

保湿成分 抗酸化成分
パセリエキス
[化粧品成分表示名称]
・パセリエキス

[医薬部外品表示名称]
・パセリエキス(1)

セリ科植物パセリ(学名:Petroselinum crispum = Petroselinum sativum 英名:parsley)の葉または根からBG(1,3-ブチレングリコール)またはこれらの混合液で抽出して得られるエキスです。

パセリエキスの成分組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

などで構成されています(文献1:2006;文献2:2011)

パセリは、地中海沿岸原産で、世界各地で主に食用として栽培されており、日本には江戸時代に貝原益軒の「大和本草」にオランダゼリとして紹介されていますが、戦後に本格的に栽培されるようになり、現在は長野、千葉、静岡、福岡、香川などで栽培されています。

パセリには、カロテン、ビタミンB,C、鉄分、カルシウム、フラボノイド、葉緑素(クロロフィル)、食物繊維、また精油成分としてピネン、アピオール、ミリスチシンなどが含まれています(文献2:2011)

古代ギリシャ時代には利尿、健胃、強壮、婦人病などの治療薬として知られており、また食中毒の予防として料理に添えられていました。

日本でもオランダセリとして入ってきたときから葉緑素による口臭予防および飾り付けとして洋食に添えられています。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディケア製品などに使用されます(文献1:2006;文献3:1997)

一重項酸素(¹O₂)抑制による抗酸化作用

一重項酸素(¹O₂)抑制による抗酸化作用に関しては、まず前提知識として一重項酸素について解説します。

一重項酸素(¹O₂)は、光増感反応があり、紫外線を浴びた皮膚に発生する反応性の強い活性酸素で、以下の紫外線を浴びたときの炎症およびメラニン合成のメカニズムをみるとわかりやすいと思うのですが、

炎症の仕組み

一重項酸素(¹O₂)が活性化することで、炎症の元となる炎症性サイトカインやメラニン活性化因子である様々な情報伝達物質がメラノサイトに届けられた黒化メラニンの合成が始まるため、炎症・色素沈着の要因となります。

また、UVAは真皮に到達すると真皮に存在する光増感物質と反応して一重項酸素(¹O₂)をはじめとする活性酸素を発生させて酸化ストレスを引き起こし、コラーゲン分解酵素であるMMP-2およびMMP-9が活性化することで、以下の図のように、

基底膜におけるコラーゲンの仕組み

表皮基底膜に存在するⅣ型コラーゲンおよびそれに連結しているⅦ型コラーゲンの分解が亢進され、真皮と表皮におけるエネルギーや栄養の輸送能が低下し、光老化の原因になると考えられています(文献4:2016)

1997年にノエビアによって公開された技術情報によると、

生体内の代謝反応や紫外線により生体で発生する一重項酸素をはじめとする活性酸素種の消去能を検討するために、植物抽出物の中からスクリーニングを行った結果、パセリの抽出物が非常に良好な活性酸素消去作用、とくに一重項酸素消去作用を有することを見出した。

in vitro試験において、各濃度のパセリエキスを添加して一重項酸素消去率を求め、これを濃度に対してプロットし、50%抑制濃度(IC₅₀)を算出したところ、11.68~14.55μg/mLとなり、パセリエキスが極めて低い濃度で一重項酸素消去作用を示すことがわかった。

このような検証結果が明らかにされており(文献3:1997)、パセリエキスに一重項酸素(¹O₂)抑制による抗酸化作用が認められています。

また、パセリエキスとヨーロッパブナ芽エキスを併用、またはパセリエキスとセラミドもしくはスフィンゴ糖脂質を併用することで一重項酸素(¹O₂)を含む活性酸素種の消去作用を相乗的に高めることが報告されています(文献5:1999;文献6:2000)

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パセリエキスの安全性(刺激性・アレルギー)について

パセリエキスの現時点での安全性は、外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載されており、また10年以上の使用実績があり、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、詳細な試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
パセリエキス

参考までに化粧品毒性判定事典によると、パセリエキスは△(∗1)となっており、安全性に問題ない成分であると考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

パセリエキスは保湿成分、抗酸化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 抗酸化成分

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文献一覧:

  1. 日光ケミカルズ(2006)「植物・海藻エキス」新化粧品原料ハンドブックⅠ,380.
  2. 鈴木 洋(2011)「パースリー(Persley)」カラー版健康食品・サプリメントの事典,140.
  3. 株式会社ノエビア(1997)「老化防止用皮膚外用剤」特開平9-221410.
  4. 寺尾 純二(2016)「生体における一重項酸素の生成と消去 – 酸化ストレスとの関わりを考える -」ビタミン(90)(11),525-536.
  5. 株式会社ノエビア(1999)「皮膚外用剤」特開平11-193243.
  6. 株式会社ファンケル(2000)「皮膚化粧料」特開2000-264833.

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