トマト果実エキスとは…成分効果と毒性を解説

保湿成分 細胞賦活剤 抗酸化成分 収れん成分
トマト果実エキス
[化粧品成分表示名称]
・トマト果実エキス

[医薬部外品表示名称]
・トマトエキス

ナス科植物トマト(学名:Solanum lycopersicum 英名:Tomato)の果実からBG(1,3-ブチレングリコール)またはこれらの混合液で抽出して得られるエキスです。

また油溶性の場合は、スクワランホホバ種子油、水添ポリデセンなどで抽出して得られます。

トマト果実エキスの成分組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

  • ビタミン類:ビタミンA,C
  • 有機酸類:クエン酸リンゴ酸
  • カロテノイド:リコピン、カロテン
  • フラボノイド

などで構成されています(文献1:2006;文献2:2015)

トマトの果実は、緑黄色野菜の一種で、食用として利用されています。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、紫外線・乾燥から肌を保護するスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、リップケア製品、洗浄製品、ボディ&ハンドケア製品、シート&マスク製品などの製品に使用されます(文献1:2006;文献2:2015;文献3:2013)

一重項酸素消去による抗酸化作用

一重項酸素は代表的な活性酸素のひとつで、一重項酸素消去による抗酸化作用は、主にカロテノイドの一種で赤色色素でもあるリコピンによるものですが、紫外線や環境ダメージによって発生する活性酸素を消去する抗酸化成分の中でもリコピンは高い抗酸化能を有していることが知られています(文献3:2013;文献4:-)

リコピンの活性酸素消去作用機序は、以下のヒト細胞図をみてもらえるとわかりやすいと思うのですが、

リコピン添加によるグルタチオン量増加の仕組み

通常は細胞質内に存在し、一連の抗酸化成分の産生制御を担うタンパク質であるNrf2(転写因子)は、酸化などのダメージを受けることで核内へ移行し、グルタチオン合成酵素遺伝子など一連の抗酸化遺伝子群の発現を誘導し、グルタチオンなど種々の抗酸化成分の産生を促進します。

2013年に富士フィルムによって報告されたリコピン添加によるヒト細胞内の影響検証によると、

ヒト細胞にリコピンを添加し、酸化ダメージを付与したところ、以下のグラフのように、

リコピン添加による細胞への影響

核内Nrf2量および細胞内グルタチオン量の有意な増加が認められた。

また、リコピン添加により細胞内グルタチオン量が増加することで、以下のグラフのように、

リコピン添加による細胞傷害抑制作用

酸化ダメージによる細胞傷害が有意に抑制されることも確認した。

このような検証結果が明らかになっており(文献3:2013)、リコピン含有量の多いトマト果実エキスには、グルタチオン産生促進による強い抗酸化作用があると考えられます。

ただし、試験はin vitroであり、また濃度や期間などの詳細が不明であり、一般的に化粧品配合量は1%未満であることから、試験よりもかなり穏やかな抗酸化作用であると考えられます。

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トマト果実エキスの安全性(刺激性・アレルギー)について

トマト果実エキスの現時点での安全性は、外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載されており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、詳細な試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

詳細な試験データはみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
トマト果実エキス 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、トマト果実エキスは毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

トマト果実エキスは保湿成分、細胞賦活成分、抗酸化成分、収れん成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 細胞賦活成分 抗酸化成分 抗老化成分 収れん成分

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文献一覧:

  1. 日光ケミカルズ(2006)「植物・海藻エキス」新化粧品原料ハンドブックⅠ,378.
  2. 宇山 光男, 他(2015)「トマト」化粧品成分ガイド 第6版,211.
  3. 乾 江梨子, 他(2013)「新アスタリフトシリーズの開発」, <https://www.fujifilm.co.jp/rd/report/rd058/pack/pdf/ff_rd058_005.pdf> 2018年8月6日アクセス.
  4. “カゴメ株式会社”(-)「リコピンの活性酸素消去力」, <http://www.kagome.co.jp/statement/health/tomato-univ/medical/elimination.html> 2018年8月6日アクセス.

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