タウリンとは…成分効果と毒性を解説

保湿成分 細胞賦活剤 香料
タウリン
[化粧品成分表示名称]
・タウリン

[医薬部外品表示名称]
・タウリン

肝臓で代謝されるアミノ酸の一種であるシステインやメチオニンの代謝産物であり、生体中に広く含まれる含硫アミノ酸の一種である、アミノスルホン酸化合物です。

タウリンは心筋代謝の改善作用、肝機能の恒常性維持、胆汁酸分泌促進作用など循環器系および消化器系に対する薬理作用に特徴があり、滋養強壮ドリンク、目薬などの医薬品および医薬部外品に幅広く使用されています。

皮膚におけるタウリンの生理機能に関しては、in vitro試験による再構築表皮においてタウリンが細胞間脂質であるセラミドコレステロール、脂肪酸の合成を顕著に促進することが明らかになっており(文献2:2006)、またマウスにUVBを照射する試験においてタウリンがUVB照射による免疫抑制から皮膚を保護する作用も確認されている(文献3:2007)ことから、皮膚の恒常性(∗1)維持に大きく関与していると考えられ、効果としては保湿や細胞の活性化に相当します。

∗1 恒常性とは、内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことで、ここでは皮膚を正常に保ち続けることを指します。

ニベア花王株式会社研究所が実施したタウリンの保湿効果比較試験では、タウリン、グリセリンヒアルロン酸Naの各水溶液を同一濃度で前腕内側部に塗布した後、30分後、1時間後に角層水分量を測定し、続けて石鹸水で洗浄し、再度角層水分量を測定したところ、以下のように、

タウリンの保湿効果

タウリン水溶液塗布1時間後の角層水分量はグリセリンよりも高く、タウリン塗布部の洗浄後の角層水分量はグリセリン、ヒアルロン酸Na塗布部よりも有意に高いことが明らかとなり、このことからタウリンは短時間で角層内部に浸透し、洗浄処理に対しても角層の水分を保持できることが明らかとなりました。

また、タウリンの保湿効果を評価するために乾燥処置に対する水分蒸散量(TEWL)をタウリン配合ボディ乳液を用いて試験したところ、以下のように、

タウリンの肌保護効果

乾燥処置をしたところ、当然ながら水分蒸散量は増えますが、タウリン含有製品は多少水分蒸散量が抑えられており、ボディ乳液を連用した後に再び乾燥処置を行ったところ、有意に水分蒸散量が抑えられていることが明らかとなったため、タウリンの保湿効果は角層内部の水分保持だけでなく、表皮の水分蒸散量抑制による保護効果も有していることが示唆されています。

化粧品に配合される場合は、天然保湿因子(NMF)と併用して保湿剤としてスキンケア化粧品に使用されたり、保湿目的で洗顔料、シャンプー、ボディ洗浄製品、ヘアケア製品に使用されます。

また、タウリンはリポビタンDの香りに代表される独特の甘いフルーティな香りを有しており、香料として各製品や香水に使用されることもあります。

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タウリンの安全性(刺激性・アレルギー)について

タウリンの現時点での安全性は、生体内に存在する成分であり、食品や医薬品として安全性は認められており、目薬にも使用される成分で、皮膚刺激および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

試験結果や安全データはみあたりませんが、生体内に存在する成分であり、食品や医薬品として安全性は認められており、目薬にも使用される成分であるため、皮膚刺激はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全データはみあたりませんが、眼の新陳代謝を促進する働きがあり、目薬にも使用されるため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

試験結果や安全データはみあたりませんが、生体内に存在する成分であり、食品や医薬品として安全性は認められている中で皮膚感作(アレルギー)の報告はないため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
タウリン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、タウリンは毒性なし(∗2)となっており、安全性の高い成分であると考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

タウリンは保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分

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文献一覧:

  1. 宮本 英和,岩崎 のぞみ,鎌田 勉(2010)「タウリンの保湿メカニズムとボディケア製品への応用」Fragrance Journal(38)(3),p15-21.
  2. Bernd Anderheggen, Claudia Jassoy, Marianne Waldmann-Laue et al.(2006)「Taurine improves epidermal barrier properties stressed by surfactants – A role for osmolytes in barrier homeostasis」J. Cosmet. Sci.,57,1-10.
  3. Nicole Rockel, Charlotte Esser, Sussanne GretherBeck et al.(2007)「The Osmolyte Taurine Protects against Ultraviolet B Radiation-Induced Immunosuppression」J. Immunology,179,3604-3612.

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