スクロースとは…成分効果と毒性を解説

保湿 ベース 透明化 スクラブ
スクロース
[化粧品成分表示名称]
・スクロース

[医薬部外品表示名称]
・白糖

イネ科植物サトウキビ(学名:Saccharum officinarum 英名:Sugarcane)およびヒユ科植物テンサイ(学名:Beta vulgaris ssp. vulgaris 英名:Sugar beet)の汁液を精製して得られる白糖(ショ糖)であり、化学構造的に単糖のグルコースとフルクトースがグリコシド結合した水溶性の二糖(オリゴ糖:少糖)です。

オリゴ糖は、少糖とも呼ばれ、化学構造的に単糖がグリコシド結合によって数個結合した糖類のオリゴマー(∗1)であり、二糖以上をオリゴ糖としますが、食品・健康食品の分野では麦芽糖、ショ糖、乳糖などの二糖類と区別してヒトの消化管で吸収されない少糖類をオリゴ糖と呼んでいます(文献4:2011)

∗1 オリゴマーとは、比較的少数のモノマー(単量体)が結合した重合体のことであり、二糖類は単糖が2個グリコシド結合した2量体です。複数の分子結合がまとまって機能する複合体を多量体といい、二糖の場合、2個の単糖がまとまって(結合して)機能しているため2量体として働きます。

また、文献によっては三糖以上をオリゴ糖と定義しているものも複数あり、明確に分類されていないのが現状です。

スクロースは、先進国における主要な甘味料として汎用している砂糖の主成分であり、国内において最も基本的な甘味料として汎用されています。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、洗顔石鹸、ピーリング化粧品、ボディ&ハンドケア製品などに使用されています(文献1:2014)

角質層柔軟化による保湿作用

角質層柔軟化による保湿作用に関しては、水とゆるく結合して水の蒸散を抑制する保湿効果に優れているため、保湿剤としてスキンケア化粧品などに使用されています(文献2:2015)

固形石鹸の透明化

固形石鹸の透明化に関しては、従来より枠練石鹸生地に、二糖類であるスクロース、糖アルコールであるソルビトール、多価アルコールであるグリセリンおよびPGまたはこれらの混合物を配合することによって石鹸の結晶化が抑制され、微細結晶化させることで石鹸が透明になることが明らかにされています(文献3:1975)

スクラブ感付与

スクラブ感付与に関しては、スクロースは天然に存在する保湿性成分であり、天然由来の肌にやさしいシュガースクラブとしてスクラブ感を付与する目的で洗顔料、ピーリング化粧品、マッサージ製品などに使用されます。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2013-2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

スクロースの配合製品数と配合量の調査結果(2013-2014年)

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スクロースの安全性(刺激性・アレルギー)について

スクロースの現時点での安全性は、

  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載
  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性:ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 50人の被検者に0.6%スクロースを含むリップバームを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も皮膚刺激および皮膚感作の兆候はなかった(AMA Laboratories,2012)
  • [ヒト試験] 102人の被検者に29%スクロースを含むヘア洗浄製剤の50%希釈水0.02mLを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も皮膚刺激および皮膚感作の兆候はなかった(Institut d’Expertise Clinique Bulgarie,2006)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

スクロースは保湿成分、ベース成分、その他にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 ベース成分 その他

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2014)「Safety Assessment of Monosaccharides, Disaccharides, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」Final Report.
  2. 宇山 光男, 他(2015)「糖類」化粧品成分ガイド 第6版,52.
  3. 花王株式会社(1975)「透明石鹸の製造法」特開昭50-135104.
  4. 鈴木 洋(2011)「糖質の栄養学」カラー版健康食品・サプリメントの事典,214-225.

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