ゴレンシ葉エキスとは…成分効果と毒性を解説

保湿成分 抗老化成分 抗シワ成分 抗酸化成分 美白成分
ゴレンシ葉エキス
[化粧品成分表示名称]
・ゴレンシ葉エキス

[医薬部外品表示名称]
・スターフルーツ葉エキス

カタバミ科植物ゴレンシ(学名:Averrhoa carambola)の葉からエタノールBG(1,3-ブチレングリコール)またはこれらの混合液で抽出して得られるエキスです。

ゴレンシ葉エキスの成分組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

  • タンニン
  • 糖類
  • フラボノイド類

などで構成されています(文献1:-)

ゴレンシは、セイロン島およびモルッカ諸島原産で、熱帯アジアに分布し、現在は沖縄、奄美諸島、中国東南部や東南アジアで栽培されており、果実の切断面が星型になることからスターフルーツと呼ばれています。

ゴレンシの葉は、風熱感冒、急性胃腸炎、産後浮腫などに用いられています(文献1:-)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、ヘアケア製品、洗浄製品、シート&マスク製品など様々な製品に使用されます(文献1:-;文献3:2008;文献4:2003)

Ⅰ型コーラゲン産生促進およびMMP-1活性抑制による抗シワ作用

Ⅰ型コーラゲン産生促進およびMMP-1活性抑制による抗シワ作用に関しては、まず前提知識として紫外線によってシワが生じるメカニズム、Ⅰ型コラーゲンおよびMMP-1について解説します。

まずはシワが生じるメカニズムですが、以下の肌図をみてもらえるとわかりやすいと思うのですが、

皮膚における真皮の潤い成分

皮膚の真皮層は、白い紐状のタンパク質繊維であるコラーゲンが網の目状に細胞外マトリックスを形成し、コラーゲンとコラーゲンの間にからみあうようにエラスチンがコラーゲン同士をバネのように支えて皮膚の弾力性を保ち、コラーゲンの隙間をヒアルロン酸などが水分を十分に含んで保つことで、皮膚の保水およびハリ・弾力に深く関与しています(文献2:2002)

しかし、紫外線を浴びるとコラーゲン分解酵素、エラスチン分解酵素、ヒアルロン酸分解酵素などが活性化し、必要以上にコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を分解し、真皮コラーゲン量やエラスチン量が減少することが明らかになっており、コラーゲン量およびエラスチン量が減少していくと、皮膚のハリ・弾力が次第に失われ、徐々にシワ・たるみが生じます。

コラーゲンについてさらに詳細にみていくと、以下のように、

真皮におけるコラーゲンの種類

  • Ⅰ型コラーゲン:真皮内に網目状に張りめぐらされている強硬なコラーゲン。肌の弾力やハリを保持
  • Ⅲ型コラーゲン:真皮の乳頭層に多く含まれる細くて柔らかいコラーゲン。肌に柔らかさを付与
  • Ⅳ型コラーゲン:基底膜の膜状構造を維持するための骨格の役割をするコラーゲン

というようにそれぞれ役割が異なっており、大部分は網の目を形成するⅠ型コラーゲンになります。

そして、コラーゲン分解酵素であるMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)の中で、MMP-1はⅠ型コラーゲン分解酵素であるⅠ型コラゲナーゼのことを指します。

ゴレンシ葉エキスにはⅠ型コラーゲン産生促進作用およびMMP-1活性抑制作用が明らかになっており、またヒト試験において乾燥による小ジワを目立たなくする効果も認められているため(文献1:-)、Ⅰ型コラーゲン産生促進作用およびMMP-1活性抑制作用による抗シワ作用(抗老化作用)が認められています。

ヒアルロン酸産生促進による抗老化作用

ヒアルロン酸産生促進による抗老化作用に関しては、まず前提知識としてヒアルロン酸について解説します。

すでに解説したⅠ型コーラゲン産生促進およびMMP-1活性抑制による抗シワ作用と一部重複しますが、以下の真皮における構成成分図をみてもらえるとわかりやすいと思うのですが、

皮膚における真皮の潤い成分

皮膚の真皮層は、白い紐状のタンパク質繊維であるコラーゲンが網の目状に細胞外マトリックスを形成し、コラーゲンとコラーゲンの間にからみあうようにエラスチンがコラーゲン同士をバネのように支えて皮膚の弾力性を保ち、コラーゲンの隙間をヒアルロン酸などが水分を十分に含んで保つことで、皮膚の保水およびハリ・弾力に深く関与しています(文献2:2002)

ヒアルロン酸は、真皮の中で広く分布するゲル状の高分子多糖体として知られており、規則的に配列したコラーゲンとエラスチンの繊維間を充たし、水分を大量に保持することで、皮膚に弾力性と柔軟性を与えています(文献5:2002)。

そのため、加齢、外的刺激(紫外線、大気汚染)、内的刺激(ストレス、病気)などでヒアルロン酸の質的・量的減少が起こると、皮膚の乾燥、バリア機能の低下による炎症や肌荒れ、皮膚老化を引き起こします。

2003年に丸善製薬によって公開されたゴレンシ葉エキスのヒアルロン酸産生促進作用検証によると、

ヒアルロン酸そのものを外から補給するのではなく、生体の自己回復力を利用し、ヒト皮膚線維芽細胞のヒアルロン酸産生能を促進させることによってヒアルロン酸量を増やすことができないか検討した。

そこで数多くの植物抽出物について、正常ヒト線維芽細胞に対するヒアルロン酸産生促進効果を評価しスクリーニングしたところ、ゴレンシ葉抽出物およびゲットウ抽出物にヒアルロン酸産生促進効果が認められた。

試験内容は非公開ですが、このような検証結果が明らかにされており(文献4:2003)、ゴレンシ葉エキスにヒアルロン酸産生促進による抗老化作用が認められています。

また、ゲットウ葉エキスと併用することで相乗効果があると考えられます。

SCF発現抑制による色素沈着抑制作用

SCF発現抑制による色素沈着抑制作用に関しては、まず前提知識としてメラニン生合成のメカニズムとSCFについて解説します。

以下のメラニン生合成のメカニズム図をてみもらうとわかりやすいと思うのですが、

紫外線におけるメラニン生合成までのプロセス

紫外線を浴びるとまず最初に活性酸素が発生し、様々な情報伝達物質(メラノサイト活性化因子)をメラノサイトで発現するレセプター(受容体)に届けることで、メラノサイト内でメラニンの生合成がはじまり、ユウメラニン(黒化メラニン)へと合成されます。

メラノサイト内でのメラニン生合成は、まずアミノ酸であるチロシンに活性酵素であるチロシナーゼが結合することでドーパ、ドーパキノンへと変化し、最終的に黒化メラニンが合成されます。

SCFは肝細胞増殖因子であり、メラニン生合成のメカニズムでは情報伝達物質(メラノサイト活性化因子)のひとつとして知られており、メラノサイトに存在するSCFの受容体であるc-kitレセプターに輸送され結合されることにより、肥満細胞が遊走、分化・増殖し、アトピー性皮膚炎が引き起こされたり、メラニン合成が活性化することが明らかになっています(文献6:1996)

2008年に丸善製薬によって公開された天然物における肝細胞増殖因子であるSCF発現上昇抑制作用検証によると、試験内容は非公開ですが、ゴレンシ葉エキスにSCF発現抑制による色素沈着抑制作用が認められています(文献5:2008)

ただし、試験内容が非公開であり、試験濃度や抑制率などが不明であるため、かなり穏やかな作用傾向である可能性も考えられます。

スーパーオキシド(O₂⁻)消去能による抗酸化作用

スーパーオキシド(O₂⁻)消去能による抗酸化作用に関しては、まず前提知識として活性酸素のひとつであるスーパーオキシド(O₂⁻)について解説します。

スーパーオキシド(O₂⁻)は、体内で最初に発生する代表的な活性酸素のひとつで、具体的には以下のように、

酸素(O₂) → スーパーオキシド(O₂⁻) → 過酸化水素(H₂O₂) → ヒドロキシラジカル(・OH)

活性酸素がより強力になっていく過程で最初に発生します。

生体は、酸素と反応(電子を取り込む)して、まず活性酸素のスーパーオキシドを発生させ、発生したスーパーオキシドは活性酸素分解酵素であるSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)によって水に分解されますが、その過程で活性酸素である過酸化水素が発生します。

ゴレンシ葉エキスにはスーパーオキシド(O₂⁻)消去能(SOD様作用)による抗酸化作用が認められています。

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ゴレンシ葉エキスの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ゴレンシ葉エキスの現時点での安全性は、重大な皮膚刺激およびアレルギーの報告はなく、10年以上の使用実績があるため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ゴレンシ葉エキス 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ゴレンシ葉エキスは毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題ない成分であると考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ゴレンシ葉エキスは保湿成分、抗老化成分、抗酸化成分、美白成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 抗老化成分 抗酸化成分 美白成分

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文献一覧:

  1. 丸善製薬株式会社(-)「スターフルーツ」技術資料.
  2. 朝田 康夫(2002)「真皮の構造は」美容皮膚科学事典,30-31.
  3. 土肥 圭子(2008)「幹細胞増殖因子発現上昇抑制剤」特開2008-273875.
  4. 周 艶陽, 他(2003)「ヒアルロン酸産生促進剤」特開2003-055244.
  5. 朝田 康夫(2002)「真皮の変性と加齢の関係は」美容皮膚科学事典,132-133.
  6. N W Lukacs,et al(1996)「Stem cell factor (c-kit ligand) influences eosinophil recruitment and histamine levels in allergic airway inflammation.」The Journal of Immunology(156)(10),3945-3951.

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