コメヌカスフィンゴ糖脂質(米セラミド)とは…成分効果と毒性を解説







・コメヌカスフィンゴ糖脂質
[慣用名]
・米セラミド
コメヌカより抽出精製された植物性スフィンゴ糖脂質です。
スフィンゴ糖脂質というのはセラミド(95%)と糖脂質(5%)でできており、コメヌカより抽出されたスフィンゴ糖脂質は通称米セラミドと呼ばれることもあります。
スフィンゴ糖脂質の詳しい解説は以下の記事を参考にしてください。
スフィンゴ糖脂質の95%はセラミドで、セラミドに関しては以下の図をみてほしいのですが、
肌の表皮にある角質と角質の間を埋める細胞間脂質を構成する約50%がセラミドとなっていて、セラミドは水分が逃げないように保持したり、角質と角質の間を満たして肌をなめらかに整え、バリア機能を正常に保つなど保湿にとってとても重要な役割を担っています。
セラミドに関する詳しい解説は以下の記事を参考にしてください。
コメヌカスフィンゴ糖脂質は、米セラミドと呼ばれることからもわかるように、植物から抽出した天然のセラミド成分で、
- 肌になじみやすく吸収されやすい
- セラミドと同等の水分保持効果
- バリア機能の強化
- アトピー性皮膚炎症状の緩和
- チロシナーゼ活性阻害作用とメラニン生成抑制作用
- 線維芽細胞賦活作用
といった作用が認められています。
オリザ油化株式会社が公開しているコメヌカスフィンゴ糖脂質の実験データによると、保湿効果としては以下のグラフをみるとわかるように、
∗1 各試験サンプルは3%セラミド含有の市販品で、35℃、相対湿度40%における重量変化を8時間後に測定。
ほかの植物性スフィンゴ糖脂質と比較してもコメヌカスフィンゴ糖脂質の水分保持率が高いことが明らかとなっています。
アトピー性皮膚炎の緩和作用については、感作RBL-2H3マスト細胞における各スフィンゴ糖脂質の脱顆粒(∗2)抑制作用を実験した結果、
- 米由来スフィンゴ糖脂質:87.3%
- 小麦由来スフィンゴ糖脂質:82.2%
- こんにゃく由来スフィンゴ糖脂質:70.8%
- トウモロコシ由来スフィンゴ糖脂質:64.2%
米由来スフィンゴ糖脂質が87.3%と最も脱顆粒阻害率が高く、抑制活性が高いことが明らかになっています。
∗2 肥満細胞、好塩基球や好酸球は細胞のなかに顆粒状構造物を持っているのですが、肥満細胞と好塩基球はその顆粒のなかにヒスタミンや酵素など、好酸球は組織傷害作用をもつ特殊な蛋白質を貯蔵しており、これらの細胞はアレルゲンと接触したり、サイトカインの刺激があると、顆粒内物質を細胞外に放出しアレルギー反応を引き起こすのですが、これを脱顆粒と呼びます。
また、マウスに米由来スフィンゴ糖脂質配合飼料を継続摂取させたところ、無添加の飼料よりも引っ掻き行動が減少する傾向が認められました(以下のグラフ参照)。
線維芽細胞賦活作用に関する実験では、無添加(コントロール)と4種類の植物スフィンゴ糖脂質(それぞれ純度95%以上,300μg/mL)の線維芽細胞の増殖率を比較した結果、
コメヌカスフィンゴ糖脂質は、ほかのスフィンゴ糖脂質より強い線維芽細胞増殖促進活性(163%)を示しました。
メラニン生成抑制作用に関しては、B16メラノーマ細胞を用いてコメヌカスフィンゴ糖脂質のメラニン生成抑制作用(美白作用)を他の美白成分と比較した結果、
∗3 純度は、米由来スフィンゴ糖脂質は95%以上、コウジ酸・エラグ酸・ビタミンC・アルブチンは100%です。
コウジ酸には及ばなかったものの、ほかの美白有効成分よりも強いメラニン抑制作用が認められました。
コメヌカスフィンゴ糖脂質の毒性(安全性)について
コメヌカスフィンゴ糖脂質中のスフィンゴ糖脂質は、日本の医薬部外品原料規格に登録され、その安全性は厚生労働省によって担保されており、毒性や皮膚刺激性はなく、アレルギーの報告もないため安全性の高い成分であると考えられます。
参考までに化粧品毒性判定事典によると、コメヌカスフィンゴ糖脂質は毒性なし(∗1)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。
∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。
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コメヌカスフィンゴ糖脂質は保湿成分、バリア機能成分、エモリエント成分、細胞賦活成分、美白成分にカテゴライズされています。
成分一覧は以下からお読みください。
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