キシリトールとは…成分効果と毒性を解説

保湿
キシリトール
[化粧品成分表示名称]
・キシリトール

[医薬部外品表示名称]
・キシリット

多糖類のキシランを加水分解したキシロースを還元して得られる分子量152.15の糖アルコールであり(文献2:2019)、糖アルコール類が多価アルコール(∗1)に属していることから多価アルコール(五価アルコール)でもあります。

∗1 多価アルコールとは、2個以上の水酸基(ヒドロキシ基)をもつアルコールを指し、水酸基の影響で非常に高い吸湿性と保水性をもっているため化粧品に最も汎用されている保湿剤です。名称に「アルコール」がついているので勘違いしやすいですが、一般的なアルコール(エタノール)は1個の水酸基をもつ一価アルコールで、多価アルコールと一価アルコール(エタノール)は別の物質です。

キシリトールは、ヒトの小腸では分解・吸収されない糖アルコールであり、また以下の表をみてもらうとわかるように、

糖アルコール 砂糖を100としたときの甘味度 エネルギー換算係数(kal/g)
エリスリトール 80 0
キシリトール 100 3
ソルビトール 60 3
マンニトール 40 2
マルチトール 75 2
ラクチトール 30 2
パラチニット 50 2

低カロリーでありながら砂糖と同等の甘味料であり(文献4:1998)、さらに非う蝕性(∗2)であることから、歯の健康維持に役立つ特定保健用食品として認可され、ガムや歯磨き剤などに汎用されています(文献3:2011)

∗2 う蝕(うしょく)とは虫歯のことで、非う蝕性とは虫歯にならない性質のことです。

また医薬品としては、軟膏基剤、坐薬などの湿潤剤または糖尿病患者向けの糖質輸液(∗3)などに用いられています。

∗3 筋肉や神経のエネルギーとして糖質が必要であり、必要に応じて糖質輸液を点滴などで注入します。

吸湿性・保水性を有していながらベタつきが少なく、また糖アルコールの中ではエリスリトールに次ぐ冷涼感を呈することから化粧品にも配合されています(文献5:1998)

化粧品に配合される場合は、

  • 皮表の柔軟化および水分量増加による保湿作用

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、頭皮&ヘアケア製品、シート&マスク製品など様々な製品に使用されます。

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キシリトールの安全性(刺激性・アレルギー)について

キシリトールの現時点での安全性は、

  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載
  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

日本薬局方および医薬部外品原料規格2006に収載されており、10年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

キシリトールは保湿成分、ベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 ベース成分

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文献一覧:

  1. 日光ケミカルズ(2016)「糖類」パーソナルケアハンドブック,105.
  2. “Pubchem”(2019)「Xylitol」, <https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Xylitol> 2019年11月20日アクセス.
  3. 鈴木 洋(2011)「糖質の栄養学」カラー版健康食品・サプリメントの事典,214-225.
  4. 田中 潔, 他(1998)「糖アルコールの機能と応用」Fragrance Journal(26)(7),33-38.

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