オレンジ果実エキスとは…成分効果と毒性を解説




・オレンジ果実エキス
[医薬部外品表示名称]
・オレンジエキス
オレンジの果実を圧搾・精製またはPG(プロピレングリコール)で抽出して得られるエキスです。
オレンジ果実エキスは天然成分であることから、国・地域、時期、抽出方法によって成分組成に差異があると推察されますが、その成分組成は主に、
- ビタミン類:ビタミンA,B,C,E
- 糖類:ショ糖、転化糖
- フラボノイド
- フルーツ酸
などで構成されています(文献2:2006;文献3:-)。
化粧品に配合される場合は、
- 保湿作用
- 収れん作用
- 皮膚細胞賦活作用
これらの作用があるとされており、キメを整え肌を滑らかに保つ目的で化粧水、クリームなどのスキンケア化粧品、ヘアケア製品などに使用されます(文献2:2006)。
実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2013-2015年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。
以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。
オレンジ果実エキスの安全性(刺激性・アレルギー)について
以下は、この結論にいたった根拠です。
皮膚刺激性および皮膚感作(アレルギー性)について
Cosmetic Ingredient Reviewの「Safety Assessment of Citrus Fruit-Derived Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2015)によると、
- [ヒト試験] 100人の被検者の背中に1.2%オレンジ果実エキスを含む夜用保湿剤を誘導期間において3週間にわたって合計9回開放パッチ適用し、次いで2週間の休息期間の後に同じ部位にチャレンジパッチ適用し、パッチ適用24および48時間後に皮膚反応を評価した(HRIPT)ところ、オレンジ果実エキスは皮膚刺激および皮膚感作を誘発しなかった(AMA Laboratories Inc,2012)
と記載されています。
試験データをみるかぎり、皮膚刺激はおよび皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
詳細な試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
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オレンジ果実エキスは保湿成分、収れん成分、細胞賦活成分にカテゴライズされています。
成分一覧は以下からお読みください。
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文献一覧:
- Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Citrus Fruit-Derived Ingredients as Used in Cosmetics」Final Report.
- 日光ケミカルズ(2006)「植物・海藻エキス」新化粧品原料ハンドブックⅠ,365.
- 丸善製薬株式会社(-)「原料事典 オレンジ」,<http://www.maruzenpcy.co.jp/jiten/ke/a/orenji.html> 2018年6月20日アクセス.
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