オランダガラシエキスとは…成分効果と毒性を解説

保湿成分 血行促進成分 細胞賦活剤 育毛剤
オランダガラシエキス
[化粧品成分表示名称]
・オランダガラシエキス、オランダガラシ葉エキス、オランダガラシ葉/茎エキス

[医薬部外品表示名称]
・オランダカラシエキス

アブラナ科植物オランダガラシ(学名:Nasturtium officinale 英名:Watercress)の葉、茎または全草からエタノールBG(1,3-ブチレングリコール)またはこれらの混合で抽出して得られるエキスです。

オランダガラシエキスは、化粧品成分表示名としてオランダガラシエキスのほかに「オランダガラシ葉エキス」「オランダガラシ葉/茎エキス」もありますが、どれも抽出部位、抽出法成分組成および作用が類似しているため、まとめてオランダガラシエキスとしてここで解説します。

オランダガラシエキスの成分組成は、天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

などで構成されています(文献1:2006)

オランダガラシは一般名をクレソンと呼びますが、起源の古い野菜で、紀元前4世紀ごろ古代ギリシアの医者であるヒポクラテスはエーゲ海にあるコス島の天然の泉で野生のクレソンを育て、血液疾患患者の治療に利用していたと伝えられています(文献2:2018)

14世紀にはフランスで栽培が始まり、仏名cresson de fontaine「噴水(泉)の辛子」が略されてクレソンと呼ばれています(文献2:2018)

ちなみに英名のウォータークレスは春先に出る新芽の一般名で、イギリスではヴィクトリア朝時代、冬の間はとりわけ栄養のある野菜がなく、ロンドンの河岸に自生するクレソンが頼れる野菜だったとされています(文献2:2018)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ヘアケア製品などに使用されます(文献1:2006)

アクアポリン産生増強による保湿作用

保湿作用に関しては、表皮細胞ではアクアポリンのAQP3遺伝子が角質水分量、皮膚弾性力の保持および表皮バリア機能の回復に重要な役割を果たしていることが知られていますが、オランダガラシエキスにはAQP3増加によるアクアポリン産生増強効果が認められており、表皮の水分調節作用が明らかになっています(文献3:2012)

ただし、試験の対象や濃度など試験の詳細が不明であるため、どれくらいの効果実感があるのかは不明です。

複合植物エキスとしてのオランダガラシエキス

ファルコレックスBX32という複合植物エキスは、以下の成分で構成されており、

効果および配合目的は、

  1. 抗菌(フケ菌)
  2. 抗酸化(過酸化脂質生成抑制)

とされており、植物エキスの相乗効果によって頭皮を多角的に健やかにするもので、化粧品成分一覧にこれらの成分が併用されている場合はファルコレックスBX32であると推測することができます。

ファルコレックスBX47という複合植物エキスは、以下の成分で構成されており、

効果および配合目的は、

  1. オムツかぶれ改善(リパーゼ阻害)
  2. リパーゼ活性阻害

とされており、植物エキスの相乗効果によってニキビや肌荒れの炎症を多角的に抑制するもので、化粧品成分一覧にこれらの成分が併用されている場合はファルコレックスBX47であると推測することができます。

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オランダガラシエキスの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

オランダガラシエキスの現時点での安全性は、外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載されており、重大な皮膚刺激またはアレルギーの報告はなく、10年以上の使用実績があるため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

重大な皮膚刺激またはアレルギーの報告はなく、10年以上の使用実績があるため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

詳細な試験データはみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
オランダガラシエキス 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、オランダガラシエキスは毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

オランダガラシエキスは保湿成分、細胞賦活成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:保湿成分 細胞賦活成分

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文献一覧:

  1. 日光ケミカルズ(2006)「植物・海藻エキス」新化粧品原料ハンドブックⅠ,365.
  2. ジャパンハーブソサエティー(2018)「クレソン」ハーブのすべてがわかる事典,73.
  3. 鈴木 一成(2012)「ウォータークレスエキス(クレソンエキス)」化粧品成分用語事典2012,236.

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