オキシベンゾン-5の基本情報・配合目的・安全性
化粧品表示名 | オキシベンゾン-5 |
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医薬部外品表示名 | ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、オキシベンゾンスルホン酸ナトリウム |
部外品表示簡略名 | ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸Na、オキシベンゾンスルホン酸Na |
INCI名 | Benzophenone-5 |
配合目的 | 退色防止 |
1. 基本情報
1.1. 定義
ベンゾフェノン誘導体の一種であり、以下の化学式で表されるオキシベンゾン-4のナトリウム塩です[1a]。
1.2. 物性・性状
オキシベンゾン-5の物性・性状は、
状態 | 溶解性 |
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粉末 | 水に溶解、エタノールに不溶 |
2. 化粧品としての配合目的
- 退色防止
主にこれらの目的で、スキンケア製品、ボディケア製品、マスク&パック製品、メイクアップ製品、ヘアスタイリング製品、クレンジング製品などに使用されています。
以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。
2.1. 退色防止
退色防止に関しては、オキシベンゾン-5はUVBとUVAにおよぶ吸収能をもち、水に溶解することから[2b][3b]、紫外線曝露による色素の退色・変色、高分子化合物の分解ならびに解重合、油脂類の酸化などを防ぎ、製造から使用を終えるまでの長期間にわたって化粧品の安定性を保つ目的で、スキンケア製品、ボディケア製品、マスク&パック製品、メイクアップ製品、ヘアジェル製品、ヘアミスト製品、クレンジング製品などに使用されています[1b][4]。
3. 配合製品数および配合量範囲
ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウムは、医薬部外品(薬用化粧品)への配合において配合上限があり、配合範囲は以下になります。
種類 | 配合量 | その他 |
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薬用石けん・シャンプー・リンス等、除毛剤 | 1.0 | 日焼け止め剤のみ10。紫外線吸収剤の合計は10以下とする |
育毛剤 | 1.0 | |
その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤 | 1.0 | |
薬用口唇類 | 1.0 | |
薬用歯みがき類 | 1.0 | |
浴用剤 | 1.0 | |
染毛剤 | 1.0 | |
パーマネント・ウェーブ用剤 | 1.0 |
また、オキシベンゾン-5は配合制限成分リスト(ポジティブリスト)収載成分であり(∗1)、化粧品に配合する場合は以下の配合範囲内においてのみ使用されます。
∗1 ポジティブリストにおいては成分名「ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム」と記載されています。
種類 | 最大配合量(g/100g) |
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粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの | 10 |
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの | 10 |
粘膜に使用されることがある化粧品 | 1.0 |
化粧品に対する実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の1983年および2020-2021年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗2)。
∗2 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を指し、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。
4. 安全性評価
- 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
- 30年以上の使用実績
- 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
- 眼刺激性:詳細不明
- 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)
このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。
以下は、この結論にいたった根拠です。
4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)
医薬部外品原料規格2021に収載されており、30年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
4.2. 眼刺激性
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。