乳糖の基本情報・配合目的・安全性

乳糖

化粧品表示名称 乳糖
医薬部外品表示名称 乳糖、乳糖水和物
化粧品国際的表示名称(INCI名) Lactose
配合目的 保水研磨(スクラブ) など

1. 基本情報

1.1. 定義

以下の化学式で表される、β-ガラクトースとD-グルコースがグリコシド結合した構造をもつ二糖(還元性二糖)(∗1)です[1a][2a]

∗1 二糖とは、糖類の最小構成単位である単糖2分子が脱水縮合し、グリコシド結合を形成して1分子となった糖のことをいいます。

乳糖

1.2. 分布

乳糖は、自然界において哺乳類の乳中に存在し、人乳中には6-8%、牛乳中には4-5%含まれています[2b]

1.3. 化粧品以外の主な用途

乳糖の化粧品以外の主な用途としては、

分野 用途
医薬品 安定・安定化、滑沢、甘味、矯味、結合、懸濁・懸濁化、コーティング、糖衣、等張化、賦形、分散、崩壊・崩壊補助目的の医薬品添加剤として経口剤、各種注射、口中用剤などに用いられています[3]

これらの用途が報告されています。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 保水
  • 研磨(スクラブ)

主にこれらの目的でシャンプー製品、コンディショナー製品、トリートメント製品、洗顔料、ボディソープ製品、クレンジング製品、スキンケア化粧品、マスク製品、ボディスクラブ製品、入浴剤などに使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 製品自体の保水

製品自体の保水に関しては、乳糖は水に溶けやすく水分蒸発を防ぐことから、製品自体の水分を保持する目的でミルクをコンセプトにした製品をはじめ様々な製品に配合されています[1b][4]

2.2. 研磨(スクラブ)

研磨(スクラブ)に関しては、乳糖は天然に存在する保水性をもつ糖類であり、様々な大きさの粒にしたものが物理的に古い角質を除去するスクラブ剤としてボディケア製品などに使用されています。

3. 配合製品数および配合量範囲

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2013-2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗2)

∗2 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

乳糖の配合製品数と配合量の調査結果(2013-2014年)

4. 安全性評価

乳糖の現時点での安全性は、

  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載
  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[5]によると、

  • [ヒト試験] 114人の被検者に2.48%乳糖を含むフェイス&ネック製品を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も皮膚刺激および皮膚感作の兆候はなかった(Personal Care Products Council,2013)

このように記載されており、試験データをみるかぎり皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

4.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

5. 参考文献

  1. ab日本化粧品工業連合会(2013)「乳糖」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,738.
  2. ab大木 道則, 他(1989)「ラクトース」化学大辞典,2438.
  3. 日本医薬品添加剤協会(2021)「乳糖水和物」医薬品添加物事典2021,445-448.
  4. 日光ケミカルズ株式会社(2016)「糖類」パーソナルケアハンドブックⅠ,102-105.
  5. M.M. Fiume, et al(2019)「Safety Assessment of Monosaccharides, Disaccharides, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(38)(1_Suppl),5S-38S. DOI:10.1177/1091581818814189.

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