マンノースの基本情報・配合目的・安全性

マンノース

化粧品表示名称 マンノース
化粧品国際的表示名称(INCI名) Mannose
配合目的 保水 など

ここで記載される「マンノース」は「D-マンノース」を指します。

1. 基本情報

1.1. 定義

以下の化学式で表される6個の炭素原子を含む単糖(六炭糖)(∗1)です[1a][2a]

∗1 単糖とは、それ以上加水分解できない糖のことをいい、単糖の中で6個の炭素原子をもつものを六炭糖(ヘキソース:Hexose)といいます。

マンノース

1.2. 分布

マンノースは、自然界において多糖の一種であるマンナン(mannan)の構成成分として植物および微生物に広く存在しており、遊離の形ではリンゴやモモの果実、オレンジの果皮、ビート、ミズゴケ(学名:Sphagnum)などに含まれています[2b]

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 保水

主にこれらの目的でスキンケア化粧品、ボディケア製品、洗顔料、ボディソープ製品などに使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 製品自体の保水

製品自体の保水に関しては、マンノースは製品自体の水分を保持する目的で配合されています[1b]

マンノースはグルコースのエピ異性体(∗2)ですが、化粧品にほとんど配合されていないこともあり、吸湿性や保湿性など物性に関する情報がみつかっていないため、わかり次第追補します。

∗2 エピ異性体とは、エピマー(epimer)ともいい、糖化学的に狭義には2位の不斉炭素原子の反転の結果生じる異性体のことをいいます。広義には他の不斉炭素原子の反転の場合を含めることもありますが、ここでは狭義として使用しています。

3. 配合製品数および配合量範囲

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2013-2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗3)

∗3 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

マンノースの配合製品数と配合量の調査結果(2013-2014年)

4. 安全性評価

マンノースの現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[3]によると、

  • [ヒト試験] 103人の被検者に5%マンノースを含むフェイシャル製品を対象にHRIPT(皮膚刺激性&感作性試験)を閉塞パッチにて実施したところ、いずれの被検者も皮膚反応は観察されなかった(EVIC Romania,2011)

このように記載されており、試験データをみるかぎり皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

4.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

5. 参考文献

  1. ab日本化粧品工業連合会(2013)「マンノース」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,952.
  2. ab有機合成化学協会(1985)「D-マンノース」有機化合物辞典,986.
  3. M.M. Fiume, et al(2019)「Safety Assessment of Monosaccharides, Disaccharides, and Related Ingredients as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(38)(1_Suppl),5S-38S. DOI:10.1177/1091581818814189.

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