高級アルコールの解説と化粧品に使用される高級アルコール一覧

1. 高級アルコールの解説

アルコールは、脂肪族炭化水素(RH)(∗1)の水素原子(H)をヒドロキシ基(-OH)で置換した化合物の総称です[1a]

∗1 炭化水素とは、炭素(C)と水素(H)のみで構成されている有機化合物(油性成分)であり、脂肪族炭化水素とは鎖状の炭化水素のことです。代表的な油脂の成分(脂肪酸)が鎖状であることから鎖状化合物を「脂肪族化合物」とよばれています[2][3]

アルコールの中で、ヒドロキシ基(-OH)の数が1個のものを一価アルコール(R-OH)、2個のものを二価アルコール、3個のものを三価アルコール、n個のものをn価アルコールといい、2個以上含むものは多価アルコールともいいます[1b][4]

また、一価アルコール(R-OH)のうち、炭素数6(C6)以下のものを低級アルコール(∗2)、炭素数6(C6)以上のものを高級アルコールといい、一般に炭素数12(C12)以上の高級アルコールが単独で化粧品に用いられます。

∗2 化粧品に用いられる低級アルコールとしては、炭素数2のエタノールや炭素数3のイソプロパノールなどがあります。

つまり、高級アルコールとは炭素数6(C6)以上の一価アルコールの総称であり、さらに高級アルコールは天然油脂を原料とする脂肪アルコールと石油化学製品を原料とする合成アルコールに大別されます[5]

これらをまとめると、高級アルコールは以下のように分類されます。

分類 由来 炭素数 ヒドロキシ基数
高級アルコール 脂肪族アルコール 天然油脂 6以上 1
合成アルコール 石油化学製品

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • クリームやスティック系製品の粘稠度の調整
  • 乳化物における乳化補助・経時安定性強化
  • 使用上の油性感の軽減
  • ヘアケア製品に対する光沢および潤沢性の付与
  • 特殊成分や色素の溶媒
  • 皮膚や毛髪へのエモリエント効果
  • 洗浄製品の加脂肪剤

これらのいずれかまたは複数の目的で様々な製品に汎用されています。

詳細は各高級アルコールレポートページを参照してください。

3. 高級アルコール一覧

以下に化粧品成分として使用される高級アルコールを一覧で掲載しておきます(∗3)

∗3 脂肪族アルコールについては、二重結合をもたないものを「飽和脂肪族アルコール」、二重結合をもつものを「不飽和脂肪族アルコール」としています。

種類 名称 鎖状構造 炭素数 二重結合数
飽和脂肪族
アルコール
ラウリルアルコール 直鎖 12 0
ミリスチルアルコール 14
セタノール 16
セテアリルアルコール 16,18
ステアリルアルコール 18
アラキジルアルコール 20
べヘニルアルコール 22
不飽和脂肪族
アルコール
オレイルアルコール 18 1
合成
アルコール
ヘキシルデカノール 分岐鎖 16 0
イソステアリルアルコール 18
オクチルドデカノール 20

4. 参考文献

  1. ab薬科学大辞典編集委員会(2013)「アルコール」薬科学大辞典 第5版,68.
  2. 薬科学大辞典編集委員会(2013)「炭化水素」薬科学大辞典 第5版,956.
  3. 薬科学大辞典編集委員会(2013)「脂肪族化合物」薬科学大辞典 第5版,712.
  4. 薬科学大辞典編集委員会(2013)「多価アルコール」薬科学大辞典 第5版,940.
  5. 田村 健夫・廣田 博(2001)「高級アルコール」香粧品科学 理論と実際 第4版,117-120.

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